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左利きには天才が多いって本当?―web R25より

2012-01-11 | 左利き
『web R25』<W×Rウェブレビュー>の
「身体にまつわる都市伝説 第80回 左利きには天才が多いって本当?」
という記事が出ています。

“都市伝説”というぐらいですから、話題の一つとして聞き流せばよいのかもしれません。

しかし、左利きライフ研究家としては、やはりちょっと書き留めておいても良いかと思います。

池袋スカイクリニック須田隆興先生によりますと、
《「... 左利きの人が後天的に才能を鍛えられる要素はあるのではないでしょうか。世の中にある道具の大半は右利きの人向けに作られているため、左利きの人は必然的にトレーニングの頻度が多くなるからです」》
というお話。
《「... 手を使うという行為自体、良い意味で脳に大きな負荷を強いています。たとえば左利きの人が右利き用の道具を使う際には、“どう対応すべきか”という思考や検証が発生します。つまり、先天的に左利きの人は、幼い頃から自然に脳がトレーニングされてきたと考えられるでしょう」》
と解説されています。

「左利きには天才が多い」説の中身は、《幼少期から鍛錬された脳が、常人とは違ったポテンシャルを発揮する…》ということか、と。
〆として、《日常生活であまり利き手ばかりに頼りすぎず、脳トレを意識してみるのもいいかもしれない。》というのですが…。

“脳の違い”ということも書かれています。
《「利き手」を医学的にひもとくと、「右利きの人は言語機能の優位半球が左脳にあり、左利きの人は右脳にある、というのが定説」と須田先生は解説する。つまり、利き手によって脳の使い方が変わるともいえそうだ。》
と。

ただ脳と言語と左利きについて書かれた本(例えば、『言語と脳』杉下守弘/著 講談社学術文庫 2004)を読みますと、
失語症の研究から、
《右利きでは左脳が言語優位半球であるのが普通》であるが、左利きの場合は左脳が言語優位半球である人が多いけれども、右脳が言語優位半球である人が二十%ほど存在する》
「第三章 左利きの人の言語と脳」p.69 とあります。

一概に「左利き=右脳が言語優位半球」とは言えないようです。
この辺のところが、左利きの問題を複雑にしているように思います。


とにかく、言語優位脳に関してはどうであれ、日常生活の中で左利きの人が工夫を余儀なくされ、その結果として後天的に脳が鍛えられるという点は、充分あり得る話だと納得できます。

ただそこから、「左手・左側を使えば、即右脳が鍛えられるか」というと、その辺は疑問だと思うのですが…。

先に、2012.1.9 魚に「右利き左利き」 人間の脳解明に期待-MSN産経ニュースから
でも書きましたように、
人間の脳は、通常左右の脳が総合的に働いているので、右脳がどうとか左脳がどうということは、一概に言えないそうです。
『脳科学の教科書 神経編』理化学研究所脳科学総合研究センター/編
 岩波ジュニア新書680 2011.4 

右利きの人が恵まれた環境(右利き仕様の社会構造)により甘やかされている→怠惰に陥りやすい、無能化する危険性がある、また身体的にも非“利き”側が劣化している、という事実は否定できません。
それに比べて、左利きが冷遇されているがゆえに工夫を求められる→創造性豊かになる、また身体的にも非“利き”側が鍛えられる、という事実も確かです。

本日の結論として、
《甘やかされた人間は怠惰から無知に陥るが、努力するものからは知恵が生まれる。》(レフティやすお)
とでも書いておきましょう。

*『R25』での左利き記事のなかに、私の関係するものがありますので、メモしておきます。
2007.12.6 R×R 右利きが左利きより多いのはなぜ?
『レフティやすおのお茶でっせ』2007.12.6 『R25』左利き記事にコメント掲載される

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「左利きには天才が多いって本当?―web R25より」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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