『のちのおほひに』 立原道造
夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を
うららかに青い空には陽がてり 火山は眠つてゐた
──そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら
語りつづけた……
夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには
夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう
立原 道造 (たちはら みちぞう)
1914年(大正3年)7月30日 - 1939年(昭和14年)3月29日)は、昭和初期に活動し24歳で急逝した詩人。
学生時代に演劇部で活動していた頃の詩劇の中でこの詩を朗読しました。
その頃の事が思い出され懐かしくて、再び心の中で朗読しました。叙情的で好きな詩です。
又、中原中也の詩集もよく読みました。彼は30歳の若さで死去(1937年10月22日)しましたが、350篇以上の誌を残しています。
花と戯れる日々を過ごしています。
歳を重ねるにつれ、未だ見ぬ世界への
憧れもあります。
こちらこそどうぞ宜しくお願い致します。
カタクリの花ですね。
今年、カタクリの里に行って来ました。
可憐なお花ですよね~
これからもよろしくお願いします。