友人と乃木坂にある国立新美術館へ出かけました。
1月20日~4月5日まで幸福の画家として親しまれる「ルノワール~伝統と革新」が開催中なのです。
開催初めと終わり頃は大変混雑するので、3月初旬頃にでもと友人と約束していました。
朝からひんやりとした寒さのせいか、会場は比較的ゆっくり鑑賞できました。
あの印象派の巨匠ルノワールも、一時期印象主義に行き詰まり、どう絵具で描いたらよいか、
どうデッサンしたらよいか、分からないという袋小路に迷い込んでしまったそうです。
「花を描くのは頭の休息になる。いろいろな絵具をおいて、色価を大胆にだすこともできる。
カンヴァスを無駄にしたって構わない。でも、人物となるとそうはいかない。全体を損なわないよう、気をつかうからね。
花を描いた経験が別の絵を描くときに応用されるから、人物を描く画家にとっても、風景画は有益だ。」
「ルノワールの言葉」から抜粋
近代絵画史に大きな足跡を残した偉大な画家ルノワールは、日本で今なお親しまれていますね。
柔らかな筆つかいと優しい色つかいに、誰もが魅了されるようです。
私にとって花を描くのは大変難しくて、薔薇やゆりなどデッサンも絵の具の入れ方も戸惑うことばかり。
常日頃の積み重ねが上達への一歩だと思います。デッサンや光と影の入れ方、筆の使い方などもっと習得していきたい。
やむを得ない日は別にして、一日だって絵を描かなかった日がなかったというルノワール。
70歳を過ぎて「僕はまだ、少しはましになっていくようだ。どう描けばいいのか、分かりかけてきたよ。
ここまでくるのに50年かかった・・・しかもやるべきことは、まだたくさんある!」
50年、人生の折り返しはとうに過ぎたというのに、絵を描くことには終わりがないということかしら?
そう語るルノワールの偉大さに深い共感を覚えます。
思うように描けない苦しさもあるけれど、それでも楽しみながら絵を描き続けたいし、
描いているときって、そう、どこかで心が満たされいくようなのです。
会場のルノワールコーナーには、図録、絵はがきやポスター、絵付きファィル、額縁入り模擬絵、etcなどが売られていて
友人共々会場の雰囲気で、絵はがきやファィルなど買ってしまいました。
絵画展における関連グッズの販売も、ひとつの商法でありサービスなのでしょうね。