★クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)★ クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇懐かしきマエストロ達の指揮によるウィーン・フィルのウィンナーワルツの名曲

2023-01-09 10:05:23 | 管弦楽曲

~ウィンナ・ワルツの楽しみ~

ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「美しき青きドナウ」
ヨハンⅡ&ヨゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウスⅡ:皇帝円舞曲
ヨゼフ・シュトラウス:かじ屋のポルカ
ヨハン・シュトラウスⅡ:常動曲
レハール:ワルツ「金と銀」
ヨハン・シュトラウスⅡ:アンネン・ポルカ
ヨハン・シュトラウスⅡ:トリッチ・トラッチ・ポルカ
ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「ウィーンの森の物語」
ヨハン・シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲

指揮:ウィリー・ボスコフスキー
   ヨーゼフ・クリップス
   ヘルベルト・フォン・カラヤン
   ハンス・クナッパーツブッシュ

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

ツィター:アントン・カラス

発売:1981年

LP:キングレコード K18C‐3012

 このLPレコードは、わが国でも御馴染みの曲が多いウィンナ・ワルツを収めた、聴いていて楽しくなること請け合いの1枚なのである。そんな我々の耳に馴染んだはずのウィンナ・ワルツではあるが、改めて「ウィンナ・ワルツて何?」と訊かれると意外に返答に窮するものである。それもそのはず、ヨーロッパにおいても3拍子のワルツと、同じく3拍子のメヌエット、ミュゼット、レントラー、それにドイツ舞曲などの曲の違いには微妙なものがあり、大作曲家さえ時々間違えた指定をしている場合があるという。まあ、難しい定義はさておき、ウインナ・ワルツは「19世紀のヨーロッパで広く流行った、男女が一組のペアを組み踊る舞曲で、美しい旋律、華やかしさ、それに機知にも富んでいるワルツ」とでも考えておけばいいのでは・・・。このLPレコードに収録されている曲の中から幾つかを簡単に紹介すると・・・「美しき青きドナウ」は、最も親しまれ、ウィンナ・ワルツの最高傑作で、ゆったりとした春まだ浅いドナウのさざ波のような序奏で始まり、5つのワルツと各ワルツを断片的に回想する長いコーダでできている。「皇帝円舞曲」は、ゆっくり目の行進曲による序奏部から始まり、気品に満ちた第1ワルツから次々に華麗な3つのワルツが続き、最後に堂々とした王者のようなコーダとなる。「金と銀」は、序奏部がなく、直ぐに第1ワルツから始まる。親しみやすい美しい旋律による3つのワルツからできている。「ウィーンの森の物語」は、長大な導入部と4つのワルツからできている。この曲の魅力の一つはツィター演奏にあるが、ホルンやオーボエやフルートの使い方など他のワルツにない美しい書法が見られる。このLPレコードに収録されているオーケストラはというと、ウィンナ・ワルツの本場であるウィーン・フィル。それに指揮者が昔懐かしいマエストロ達である。つまりウィリー・ボスコフスキー(1909年―1991年)、ヨーゼフ・クリップス(1902年―1974年)、ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908年―1989年)それにハンス・クナッパーツブッシュ(1888年―1965年)という豪華版なのが何とも魅力的であり、実際その演奏内容は、いずれもウィーン情緒をたっぷり盛り込んだ、申し分ないものに仕上がっている。さらに昔一世を風靡したツィターの名手アントン・カラス(1906年―1985年)が演奏しているのが、何を置いても嬉し限り。まずはこのLPレコードの心も踊るウインナ・ワルツの名曲を聴きながら希望に満ちた未来を信じたいものだ。(LPC)


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