ショパン:ピアノ協奏曲第1番
練習曲op.25-5
練習曲op.10-5「黒鍵」
ピアノソナタ第3番
ピアノ:ディヌ・リパッティ
指揮:オットー・アッカーマン
管弦楽:チューリッヒ・トンハレ管弦楽団
録音:1950年2月7日、チューリッヒ、トンハレ(ライヴ録音)
LP:東芝EMI EMI‐60193
今回のLPレコードであるディヌ・リパッティ(1917年―1950年)のピアノ独奏によるショパン:ピアノ協奏曲第1番のライブ録音盤の発売の背景には、いわく因縁がある。きっかけは、あるイギリスのラジオ番組へ次のような投書が寄せられたこと。その投書には「ルーマニアのヴィルトオーゾであった故ディヌ・リパッティの稀な録音の一つとして、10年以上にもわったって発売されているショパンのピアノ協奏曲第1番のレコードは、ポーランドのピアニストのハリーナ・チェルニー=ステファンスカの同じ曲のレコードとまったく同じです」と綴られていたのだ。そのラジオ番組で2つのレコードを聴き比べてみると、まったく同じ録音だということが判明した。リパッティのLPレコードは、1965年にEMIから発売され、一方、チェルニー=ステファンスカのLPレコードの発売は、1950年代のはじめだった。ここまでなら、録音の差し違えということで話は終わってしまうが、事実はそれで終わらなかった。今度は同じ曲のリパッティの新発見の録音テープが出てきたというのだ。この録音テープは、1950年2月7日にスイス放送によって録られたもので、これは同じ日のコンサートでリパッティが弾いた練習曲op.25-5、同練習曲op.10-5「黒鍵」、ピアノソナタ第3番の録音があることから本物と認定され、リパッティ夫人も本物であることを認めたという。リパッティが世を去るのが1950年12月2日(33歳)なので、このLPレコードは最後のライブ録音となった貴重なもの。リパッティのピアノ演奏は、崇高で格調が高く、純粋な美しさに彩られたもので、多くのファンから支持された伝説のピアニスト。その録音は、現在でも多くのリスナーから支持されており、その名は今後も忘れ去られることはないだろうとさえ思われる。この新発見のLPレコードは、リパッティのピアノの音だけは、奇跡ともいえるほど鮮明に録られており、今でもその存在価値は少しも失われないと言っていい。ピアノ協奏曲第1番第1楽章の出だしから、リパッティのピアノタッチは力強く、この10か月後にこの世を去るピアニストの演奏とは到底思えない強靭さを秘めている。流れるようなメロディーを弾くときのリパッティの演奏は、あたかも歌を歌うかのように柔らかな演奏に終始し、ショパン:ピアノ協奏曲第1番の魅力を最大限に引き出すことにものの見事に成功している。特に驚かされるのは、ピアノタッチの透明感ある正確さであり、その一音一音がこぼれんばかりに生命力を秘めていることである。(LPC)
そのmp3ファイルを下記のサイトから入手して聞きました。素晴らしい
ですね。グリーグ ピアノ協奏曲イ短調 Op.16は今でもベスト盤ですが、
これも恐らくベスト盤でしょう。それにしても10年以上にもわったって
偽物が売られていたとは驚きます。
http://classicalmusicmp3freedownload.com/ja/index.php?title=%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
また、ピアノソナタ第3番等の信じられないような音源が下記サイトにあり、LPを超えています。SPの金属原盤から直接起こしたテープのコピーで、驚くべき音質です。
http://blog.livedoor.jp/thetatoshi/archives/5829011.html#comments