①グリーグ:ピアノ協奏曲
ピアノ:ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ
指揮:ヤン・クレンツ
管弦楽:ポーランド放送交響楽団
②ショパン:ピアノ協奏曲第2番
ピアノ:レギーナ・スメンジャンカ
指揮:ヴィトールド・ロヴィッキ
管弦楽:ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
発売:1980年2月
LP:日本コロムビア OC‐7268‐PM
このLPレコードの特徴は、かつて一世を風靡したハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(1922年―2001年)とレギーナ・スメンジャンカ(1924年―2011年)の2人の女性ピアニストが、グリーグ:ピアノ協奏曲とショパン:ピアノ協奏曲第2番の2曲のピアノ協奏曲の名曲を録音してあるところにある。ここでは男性ピアニストには求められない、繊細さと温かみの両面を備えたピアノ演奏を聴くことができる。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカは、ポーランド出身の女性ピアニスト。1949年に開催された第4回「ショパン国際ピアノコンクール」で第1位および最優秀マズルカ演奏賞を受賞。1957年、1963年、1967年の3回来日している。グリーグ:ピアノ協奏曲は、グリーグ唯一の協奏曲。1868年、デンマークを訪問している間に作曲された初期の傑作で、北欧の自然の情景を思い描かせることから、今でも人気のあるピアノ協奏曲として知られている。ここのLPレコードでのステファンスカのグリーグ:ピアノ協奏曲の演奏は、彼女のピアノ演奏の特徴である繊細で明快なピアノタッチ、正確無比のリズム感が発揮されているのが充分に聴き取れる。ステファンスカのピアノの音色は、限りなく透明で、明るく開放的だが、このことがこの録音でも如何なく発揮され、リスナーは聴き終わると十分な満足感に浸ることができる。ヤン・クレンツ指揮ポーランド放送交響楽団の伴奏もステファンスカのピアノ演奏を十分に盛り立てている。一方、レギーナ・スメンジャンカの弾くショパン:ピアノ協奏曲第2番は、ステファンスカの演奏が開放的なのに対し、内省的で精神性の高い演奏を聴くことができる。ショパン:ピアノ協奏曲第2番は、第1番よりも先の1830年に完成した。第1番同様オーケストラの弱さが指摘されるが、ピアノ演奏部分は第1番同様、ショパン特有の華やかさと憂いに満ちた優れた作品に仕上がっている。レギーナ・スメンジャンカは、ステファンスカ同様、ポーランド出身の女性ピアニストで、これまでしばしば来日している。このLPレコードでのスメンジャンカは、ステファンスカに劣らず繊細さに溢れ、それでいて何か温もりが感じ取れる演奏を披露する。ゆったりとしたテンポを維持し、その演奏内容は詩情あふれるものとなっている。ヴィトールド・ロヴィッキ指揮ワルシャワ国立フィルの伴奏も、スメンジャンカの演奏にぴたりと寄り添い、曲の効果を一掃盛り挙げている。ヴィトールド・ロヴィッキ(1914年―1989年)は、ポーランド放送交響楽団の創立と育成に尽力した指揮者。(LPC)
Dレンジが狭くこじんまりした印象があります。
音楽は素晴らしく、これ以上のグリークは無い
と思っています。
余談ですが、90年代、営業で東日本を駆けずり
回っていた時、長野の地方都市で、ステファンスカ
氏の公演ポスターを見た記憶があります。
相当御高齢とその時思いましたが、今となっては
幻だったのでしょうか。