モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番
ピアノソナタ第2番
「キラキラ星」の主題による変奏曲
ピアノ:クララ・ハスキル
指揮:ルドルフ・パウムガルトナー
管弦楽:ルツェルン祝祭弦楽合奏団
録音:1960年5月5日~6日、ルツェルン、ルカ教会、ゲマインデザール
LP:ポリドール(ドイツグラモフォン) MGW5263
クララ・ハスキル(1895年―1960年)は、ルーマニア出身の名ピアニスト。15歳でパリ音楽院を最優秀賞を得て卒業し、ヨーロッパ各地で演奏活動を展開するが、1913年に脊柱側湾の徴候を発症し、以後、死に至るまで病苦に苦しめられることになる。このために当初は正統な評価を受けることは少なかった。しかし、第二次世界大戦後の1950年を境に一躍脚光を浴び始め、カラヤンなど著名な指揮者や演奏家に支持されると同時に、フランスをはじめとするヨーロッパ諸国での演奏活動において、熱狂的な聴衆に支持され、その名声は世界的に広まるようになる。得意としたレパートリーは、古典派と初期ロマン派で、とりわけモーツァルトの演奏には定評があった。室内楽奏者としても活躍し、アルテュール・グリュミオーの共演者として高い評価を受けることになる。しかし、演奏会へ向かうブリュッセルの駅で転落した際に負った怪我がもとで死に至る。現在、その偉業を偲び「クララ・ハスキル国際ピアノ・コンクール」が開催されていることはご存じの通り。そんなクララ・ハスキルが、このLPレコードにおいて、お得意のモーツァルトの初期の作品を演奏している。ピアノ協奏曲第13番は、第11番、第12番とともに、1783年にウィーンで作曲された曲。3曲のうち第13番だけ、管弦楽にトランペットとティンパニーを加え、華やかさを備えている。ピアノソナタ第2番 ヘ長調 K.280は、ハイドンの影響が強い、最初期のピアノソナタの1つであるが、モーツァルトならではの個性がいち早く現れている作品。「キラキラ星」の主題による変奏曲は、1778年に作曲したピアノ曲で、当時フランスで流行していた恋の歌「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」 を基にした変奏曲。このLPレコードでのクララ・ハスキルの演奏は、これらモーツァルトの初期の作品を、誠に愛らしく、純粋に弾いている。クララ・ハスキル自身が、若き日のモーツァルトに同化したかのような演奏内容となっている。そこにあるのは、ただ一途に、音楽だけに奉仕するような、限りなく純粋な愉悦の世界が深く広がっている。これは、クララ・ハスキルが不世出のピアニストであったことが実感できるLPレコードであり、そして何よりモーツァルト弾きとしての真骨頂を存分に発揮していることを、聴いて取ることができるのである。(LPC)
一度、聴いてみたいです。
音源は、CDですか、それともLPですか。
小生のブログも覗いていただければ幸いです。
ブログ拝見しました。北海道の豊かな自然の幸とレコードプレーヤーの美しい写真に見とれました。
ハスキルが弾くモーツァルの13番の音源はレコードです。
ハスキルの演奏はいつ聴いてもまるで天国の音楽のようですね。
そして、それをレコードで聴くとその効果は倍増します。
それにしても北海道の豊かな自然の生活はいいでしょうね。私のあこがれです。
蔵 志津久