それが奇跡

ドラマが続々と最終回を迎えてますが、このドラマも。
『神はサイコロを振らない』

タイトル通り、神はサイコロを振りませんでしたよ。
ドラマでしょ？奇跡は起こるよね？
と、かなりの期待を持って見てたのですが、その期待は見事にかわされました。

愛する者を二度失うことの悲しみは測り知れず、まして、たった今の今まで確かだったその存在が一瞬にして消えるという衝撃は、たとえ覚悟の上だとしても辛すぎる。

一観客としては、感情移入しているわけだから、ドラマ上でも僅かだった可能性に期待を寄せるのが自然な流れであって。
その期待をいやにあっさりと裏切ったわけですよ、このドラマは。

最初、マジで？これで終わりなわけ？と軽いショックを受けましたねー
でも、よくよく考えると、十年前から戻ってきたことそれ自体がもう奇跡なんですよね。
奇跡なんてものは、そう何度もあるわけじゃなくて、ていうか「一度もない」のが普通？
「やった！ラッキー！」ということは、たまにあるとしても、「これは奇跡だわ！」なんてことは、私の人生の中ではなかったよ。

神様はサイコロを振らないけれど、一回だけ奇跡を起こした。
でも、奇跡は二回は起こらない。
奇跡が起きないのなら、サイコロを自分で振るしかない。

十日間の奇跡を思い出に、一皮むけたヤッチの顔が（日焼けのあとがむけたという意味ではない）、いい表情してたのが救いだよ。

もしかすると、奇跡は、自分が転がしたサイコロの先にあるのかもしれない。

……なんてことを思いました。
終わり