渋谷の東急Bunkamuraで開催している「スイス・スピリッツ 山に魅せられた画家たち」を
「スイスの山かー。癒されるかもなー」
と、いとも単純な理由で観て来ました。
…うーん、甘かった。
スイスを観光地として開拓していくきっかけになった風景画。
のちに観光PRの一環として描かれるようになった風景画。
スイスで暮らす人々、山々から象徴されるイメージを描き始めた画家たち。
そして絵画以外の方法でスイスの山を表現するようになった近現代。
私も含め、誰もがイメージする「スイス」または「スイスアルプス」というのは、たぶん、観光ガイドブックなどで見るような、雪を被った山々の景観、麓の緑に咲き乱れる季節の花、青く美しい湖、といった穏やかで牧歌的な光景ではないかと。
たしかに、それはスイス本来の姿であり、それがスイスという国の特色であるのだけれど……
いま、私たちがスイスを訪れて、そこで目にするもの。
「うわー!写真で見るよりずっとずっと素敵だね!」
「空気が美味しいよね、深呼吸すると気持ちいい!」
「大自然ってカンジー!圧倒されるねー」
と、私もずいぶん前にスイスに旅行したことがあって、山も緑も家さえも、どこを切り取っても「絵」になる風景にめちゃくちゃ感激したことを覚えてます。
昔から変わらぬ自然のままがそこにある……
「スイス」と「自然」は切っても切れない関係にあるんだろうと思いますが、ユングフラウへ向かうクライネシャイデック駅やユングフラウヨッホに「集合」した観光客(私も含めて)の姿は、自然の静けさや穏やかさとは対極の「賑やかさ」や「騒々しさ」を生み出しているような気がします。
というのも、旅行で写真を撮るときにこんな思いをしたことはないですか。
美しい風景をバックに写真を撮ろうとするとき、ファインダーの中に他の観光客の姿が入ってしまって、しかも、その人がなかなか退いてくれなくてジャマだな!と思ったこと。
裏を返せば、自分や友達も同じように「ジャマな存在」になっているということでもあるので文句を言うのはお門違いなのですが、さらに突き詰めれば、お互いをジャマに思うほど、それほどまでに観光客が多いということでもあるんですよね。
何が言いたいのか、自分でも分からなくなってきましたが
「スイス・スピリッツ」の展示会の最後に、ニコラ・フォールの現在のスイスの光景を撮った写真が展示されているのですが、スイスが観光国としてPRを重ね、成長してきたその結果が映し出されてるんですよ。
厳かな山々を背景に何十個も空に浮かぶカラフルな気球。
静かな湖に波紋を起こしながら滑走する沢山のウィンドサーフィン。
山を連なって登っていくクロスカントリーの競技者たち。
ことの是非を云々するわけではないのですが、ただ、スイスの自然を堪能するのに仕掛けは必要なのか、ふとそんなことを考えさせられたわけです。
観光客を呼ぶために生み出されたいろいろな「仕掛け」。
それは、スイスそのものではなくて、作られたもの。
もしかすると、私たちが思い描くスイスのイメージそのものも作られたものだったりして。
ということを思わせるのは、展示会の最後にPCで見られる、この作品。
モニカ・シュトゥーダー&クリストフ・ファン=デン=ベルクの「アルプス観光ホテル」。
このアルプス観光ホテルというのは架空のホテルなのですが、いかにもスイスらしい光景の中にあって、ホテルの窓から見える風景はスイスそのもの。
ちなみにHotel Vue des Alpesのホームページはこちら。
英語とドイツ語しかないのですが、あちこちクリックして見ると面白いですよ。
思うんですよ。
自然を求めてリゾートに行く
というのは、本当にそうなのかと。
混じりけのない自然を味わっているようで、それはあらかじめ用意された「自然」というシチュエーションなのではないかと。
なんてことを言うと、だったら無人島へ行け!ということになるんだよなー(苦笑)
「スイスの山かー。癒されるかもなー」
と、いとも単純な理由で観て来ました。
…うーん、甘かった。
スイスを観光地として開拓していくきっかけになった風景画。
のちに観光PRの一環として描かれるようになった風景画。
スイスで暮らす人々、山々から象徴されるイメージを描き始めた画家たち。
そして絵画以外の方法でスイスの山を表現するようになった近現代。
私も含め、誰もがイメージする「スイス」または「スイスアルプス」というのは、たぶん、観光ガイドブックなどで見るような、雪を被った山々の景観、麓の緑に咲き乱れる季節の花、青く美しい湖、といった穏やかで牧歌的な光景ではないかと。
たしかに、それはスイス本来の姿であり、それがスイスという国の特色であるのだけれど……
いま、私たちがスイスを訪れて、そこで目にするもの。
「うわー!写真で見るよりずっとずっと素敵だね!」
「空気が美味しいよね、深呼吸すると気持ちいい!」
「大自然ってカンジー!圧倒されるねー」
と、私もずいぶん前にスイスに旅行したことがあって、山も緑も家さえも、どこを切り取っても「絵」になる風景にめちゃくちゃ感激したことを覚えてます。
昔から変わらぬ自然のままがそこにある……
「スイス」と「自然」は切っても切れない関係にあるんだろうと思いますが、ユングフラウへ向かうクライネシャイデック駅やユングフラウヨッホに「集合」した観光客(私も含めて)の姿は、自然の静けさや穏やかさとは対極の「賑やかさ」や「騒々しさ」を生み出しているような気がします。
というのも、旅行で写真を撮るときにこんな思いをしたことはないですか。
美しい風景をバックに写真を撮ろうとするとき、ファインダーの中に他の観光客の姿が入ってしまって、しかも、その人がなかなか退いてくれなくてジャマだな!と思ったこと。
裏を返せば、自分や友達も同じように「ジャマな存在」になっているということでもあるので文句を言うのはお門違いなのですが、さらに突き詰めれば、お互いをジャマに思うほど、それほどまでに観光客が多いということでもあるんですよね。
何が言いたいのか、自分でも分からなくなってきましたが
「スイス・スピリッツ」の展示会の最後に、ニコラ・フォールの現在のスイスの光景を撮った写真が展示されているのですが、スイスが観光国としてPRを重ね、成長してきたその結果が映し出されてるんですよ。
厳かな山々を背景に何十個も空に浮かぶカラフルな気球。
静かな湖に波紋を起こしながら滑走する沢山のウィンドサーフィン。
山を連なって登っていくクロスカントリーの競技者たち。
ことの是非を云々するわけではないのですが、ただ、スイスの自然を堪能するのに仕掛けは必要なのか、ふとそんなことを考えさせられたわけです。
観光客を呼ぶために生み出されたいろいろな「仕掛け」。
それは、スイスそのものではなくて、作られたもの。
もしかすると、私たちが思い描くスイスのイメージそのものも作られたものだったりして。
ということを思わせるのは、展示会の最後にPCで見られる、この作品。
モニカ・シュトゥーダー&クリストフ・ファン=デン=ベルクの「アルプス観光ホテル」。
このアルプス観光ホテルというのは架空のホテルなのですが、いかにもスイスらしい光景の中にあって、ホテルの窓から見える風景はスイスそのもの。
ちなみにHotel Vue des Alpesのホームページはこちら。
英語とドイツ語しかないのですが、あちこちクリックして見ると面白いですよ。
思うんですよ。
自然を求めてリゾートに行く
というのは、本当にそうなのかと。
混じりけのない自然を味わっているようで、それはあらかじめ用意された「自然」というシチュエーションなのではないかと。
なんてことを言うと、だったら無人島へ行け!ということになるんだよなー(苦笑)