青い花

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東京国立博物館『古代メキシコ』・その1

2023-08-03 10:32:41 | 日記

東京国立博物館で開催中の特別展『古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン』を見に行きました。行ったのは7月29日だったのですが、図録をゆっくり見る時間が取れなくて、ブログの更新が遅くなりました。


まだ人影の少ない上野公園。
一時間以上前に着いてしまったので、既に暑さの辛い公園でだいぶ待つ羽目になりました。




暇すぎてすぐそばの国立科学博物館の巨大クジラとSLを撮影。


背後に特別展の看板。
真夏日に深紅が映えます。


ポケモン?


並んでいる間に娘コメガネが熱中症を起こしかけていたので、入館できて一安心。
ロビーでお茶を飲んで体調を整えてから会場に入りました。
客層開拓のためか、物販コーナーには私たちが良く知らないゲームか何かのコラボグッズが並んでいました。足を運ぶきっかけづくりとしていいことだと思います。
それと、音声ガイダンスは『ジョジョの奇妙な冒険・第2部』の主人公ジョセフ役の杉田智和さんでした。2部の柱の男たちは、古代メキシコの神々みたいですもんね。

特別展は、「1・古代メキシコへのいざない」、「2・テオティワカン 神々の都」、「3・マヤ 都市国家の興亡」、「4・アステカ テノチティトランの大神殿」の4つのコーナーに分かれていました。
第一会場が1と2、第二会場が3と4と二手に分かれて展示されていました。
画像の枚数が多いので、今回は第一会場までを載せます。第二会場はまた後日に・・・。第二会場の方に私が見たかった遺物が集中していましたが、言うまでもなく第一会場も見どころだらけでしたよ。
9月3日まで開催中ですので、ぜひ観に行ってほしいと思います。

古代メキシコと言えば、独自の暦。
この地では四季よりも雨季と乾季が重要で、自然の変動を予測する365日の太陽暦が機能していました。そこに人間の妊娠のサイクル260日周期の宗教暦が絡み、52年の大周期を構成していました。この大周期は人間の一生をあらわしており、自然と人間が融和した大サイクル(世紀)を構成していたのです。
日本などで用いられる還暦より8年短いのは、寿命の違いでしょうか。

「1・古代メキシコへのいざない」では、そんな暦に関連した自然現象、農作物、儀式としての球技、人身御供にまつわる出土品が19点展示されていました。






ユーモラスで可愛らしいデザインの遺物が多かったです。










球技の土偶はお相撲さんみたいでしたし、蓋の取っ手がフクロウの頭になっている土器、両眼に黒曜石を嵌められた白いクモザルの容器、両手にトウモロコシを持ったチコメコアトル神の火鉢などは、オブジェとして模造品を発売してほしいくらいでした。


ユーゴという球技用防具です。


オルメカ様式の石偶。
オルメカ文明はメソアメリカ最古の文明です。この石遇は翡翠製で実物はもっときれいな緑色でした。私のポンコツスマホで撮るとただの灰色になってしまって残念。


暦の文字。






貴人の土偶。
翡翠の耳飾りと大きな首飾りを身に着け、美しいブルーの衣をまとっています。


夜空の石板。


それと魚形の儀式用のナイフはアクセサリーみたいに可愛いのですが、人身御供の皮剥ぎナイフなんですね。
「かわいい~」と思ってから説明を読んで「うわ~」ってなりましたよ。言われないと全然おどろおどろしくないので。


こちらも生贄の道具です。


シぺ・トテック神の頭像。
シぺ・トテックとは「皮を剥がれた我らが主」という意味です。生贄となった人間の皮を纏った男性としてあらわされています。穀物の神だそうです。


あとこの装飾骸骨、本物の人骨だそうです。




日本人成人の頭と比べるとかなり小さいので、観ている人たちも戸惑いの声をあげていました。子供の頭にしては歯が大きいので、「???」となりましたね。
帰宅して図録を見たら、20~30歳の成人男性の頭蓋骨と記載されていてさらに驚きました。
死後、この人物の頭部は胴体から切り離され、皮と肉を剥がれ、その後、頭蓋骨をマスクにするために、切削器具と槌を使って頭蓋骨の頭頂部を取り除かれました。次に前頭部に小さな穴を開け、そこに巻き毛を差し込んだと考えられています。そして、両岸のくぼみには貝殻と黄鉄鉱からなる装飾をつけ、白色の強膜と金色の輝きを持つ瞳を模しました。
これらの特徴から、本作は「死者の世界の主」、ミクトランテクトリ神を表していると考えられています。


「2・テオティワカン 神々の都」の遺物は、「1・古代メキシコへのいざない」の遺物に比べると、色彩豊かに感じました。
特に翡翠色が目を惹きました。実際に翡翠を使っている物もあれば、緑色岩を使ったり、緑色の着色の物だったりですが、この翡翠色と、後で出てくる「赤の女王」に代表される緋色が、古代メキシコの二大イメージカラーなのだと思います。

テオティワカンの特徴は、ピラミッドを含む象徴的な都市構造です。
中央地区には「死者の大通り」を軸に、儀礼場や官僚施設、宮殿タイプの建造物が整然と並んでいました。その周辺を規格化された住居群が囲むように並んでいたのです。
テオティワカンは巡礼地であり、その影響はほぼメソアメリカ全域に広がっていました。

「2・テオティワカン 神々の都」では、太陽のピラミッド、月のピラミッド、羽毛の蛇ピラミッドなどから発掘された38点が展示されていました。
アクセサリーやアクセサリーを身に着けた立像が多かったです。








太陽のピラミッドから出土した死のディスク石彫。






























権力を象徴する羽毛の蛇神の石彫。
羽毛の蛇ピラミッドの四方の壁面を飾っていました。




































この鳥型土器は「奇抜なアヒル」と命名されています。




頭部や目玉に残る翡翠色と緋色の着色が作成された当時の鮮やかさを思い起こさせますね。
貝殻を身に着けていることから、このアヒルの出土地ラ・ベンティ―ジャは、メキシコ湾との交易をおこなう商人の基地だった可能性を指摘されています。

今回はこの辺で。
第二会場の感想は、後日ブログに載せます。

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2 コメント

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Unknown (mahomiki)
2023-08-06 00:23:45
さおぺんさん

『古代メキシコ展』、オススメですよ!
アヒルとかクモザルとかデザインがとても可愛くて、美術部のコメガネも感心していました。
今回のブログでは第一会場までしか触れませんでしたが、後半の第二会場の赤の女王と鳥の戦士象は直に見る事が出来て感激でした。
いつか現地に行けたらと願ってます。
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Unknown (saopen)
2023-08-05 22:31:02
コメガネちゃんの熱中症、大事に至らずよかったです。

わー!すごい量の展示ですね!
よく写真に撮りましたね!そして図録とにらめっこで解説、大変💦

メキシコやマヤ文明のデザインはなかなかユーモラスで心惹かれますよね。
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