国立西洋美術館で開催中の〈アルチンボルド展〉に行ってきました。
日本で初めての本格的なアルチンボルド展です。借用が困難なアルチンボルドの油彩・素描(帰属作品を含む)計30点が展示されていました。
その他に(と言うか、こちらの方が数が多い)、アルチンボルドに影響を与えたレオナルド派の素描、アルチンボルドの追随者たちの作品、ハプスブルク家の皇帝が蒐集あるいは注文した同時代の美術工芸品も出品されていました。
ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、ミラノ生まれの画家です。フェルナンド1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世と3人の皇帝に仕えました。画業のかたわら、宮廷の祝祭行事の企画演出でも才能を発揮しました。
まずは、館内で上映されている〈アルチンボルドの迷宮〉という映像を見て、アルチンボルドの生涯についてちょっとお勉強しました。上映時間は11分です。夏休み期間中ということもあって、国立西洋美術館の企画にしては子供が多かったのですが、小学高学年くらいの子なら、この映像で概要が掴めるのではないでしょうか。
映像終了後、展示室に入る前に、〈アルチンボルドメーカー〉で自分の顔をアルチンボルド風に仕上げてもらいました。
娘・コメガネ。眼鏡もバッチリ。正面向きの顔は、寝起きで超不機嫌な時のコメガネに似ていると思います。
私。こんなに大きな口ではないと思うのですが…。
夫。眼鏡かけてないのに、なぜか眼鏡姿に仕上げられていました。
このコーナーは大人気でした。殆どのお客さんが並んだのではないでしょうか。
順番を待っている間に他の方のアルチンボルド絵を見ていたのですが、すごく似ている人もいれば、殆ど別人の人もいて、パーツの組み合わせの基準がよくわかりませんでした。でも、似ている人も似ていない人もみんな楽しんでいましたよ。勿論、私たちも。良い記念になりました。
いよいよ展示室に入室。ここからは、もちろん撮影禁止です。
中学生の時に澁澤龍彦の著書で見て以来、アルチンボルドの寄せ絵を実際に鑑賞することを夢見ていたのですが、今回は見たかった作品がすべて見ることが出来て満足しました。代表作の四季≪春≫≪夏≫≪秋≫≪冬≫、四代元素≪大気≫≪火≫≪大地≫≪水≫の他にも、≪司書≫≪コック≫≪庭師≫≪法律家≫などが、それぞれの職業のカラーが効いていて楽しかったですね。
勿論、寄せ絵以外のアルチンボルドの作品も展示されていましたよ。〈アルチンボルドの迷宮〉で紹介されていた《自画像(紙の男)》に隠された数字も見ることが出来ました。
アルチンボルドの追随者の描いたアルチンボルド風の作品もいくつか展示されていましたが、素人目にも本家との力量の差は歴然。比較対象という価値しかないのが、気の毒なくらいでした。
展示作品の三分の二くらいはアルチンボルド以外の作品でしたので、今回は図説の購入はやめておきました。アルチンボルドの作品のみを集めた本企画展オリジナルの図説も販売されていたら、購入したのですが。
図説のかわりに、四季≪春≫≪夏≫≪秋≫≪冬≫、四代元素≪大気≫≪火≫≪大地≫≪水≫の八枚がセットになった絵葉書セットを購入しましたよ。
その後、常設展も見学しました。
国立西洋美術館の常設展は、大半の展示作品が撮影できます。
ドガ≪舞台袖の3人の踊り子≫は、新収蔵作品です。
モネ≪睡蓮≫。
ピカソ≪男と女≫。
藤田嗣治≪坐る女≫。
ルオー≪道化師≫。