自分が発酵されそう @ 発酵食堂 豆種菌（まめたんきん） 祐天寺

“発酵”　って、今みたいに、顕微鏡で菌も見えなかった大昔の人は、どう思ってたんだろう。

ただ腐っていく・・・と思いきや、ある日、こんな風に変貌しるー！
っていう体験を重ねて、その発酵を活用しちゃってるんだもんなぁ。

そいえば、今ある寿司も、もともと大昔の東南アジアで、魚を米の発酵で保存食にしてきた事が始まりだった、
しかも、そういうことを、なぜかアメリカ滞在中にアメリカ人に教えてもらったっけ。


ちなみに。
自分が食べて飲んできて、これは面白い！と思ったのは、
インカ（ペルー）で飲んだ　チチャ。
昔は、トウモロコシの口噛み酒だったけど、今は石臼で摩り下ろした粉を、煮て、甕にいれて、しばし発酵・・・

本場韓国で家庭のおばあちゃんが作る キムチ も、日本の味とは程遠くて、すんごい面白い。
特に、古漬けになって、すっぱ～～～くなったのは、キョーレツ！

そして、アメリカで大好きになった牛肉の ドライ・エイジド・ビーフ だって、発酵で旨みUPなのだ！
それをステーキにした時の美味しさといったら・・サイコー♪♪


まだ未体験だけど、いつか食べてみたいと思っているのは、
シュールストレミング　と　ホンオフェ（洪魚膾）
気絶するくらい、、、という、その怖いモノ見たさ・・・が、動機かもしれないけど（笑）。

とにもかくにも、
全世界、どこにいっても、その土地オリジナルの発酵食品があって、とっても面白い。

でも！

やっぱ、自分は日本人ですもの～。
日本ならではの発酵食品が一番好き。

特に、日本酒！！

・・・って、それは言うまでもないか。


前置きが長くなってしまったけど、
そんな発酵をメインとしたお店が、 東横線祐天寺駅から歩いていける所にあるという。
「発酵食堂」 と謳っている上に、お店の名前に　“菌”　をつけてるなんて、なかなか無いぞ？
と、興味津々。

そのお店の名前は 豆種菌 。（と書いて、まめたんきん、と読む）

駅を降りてから歩いて行く道は、住宅街のド！真ん中。
本当に、こんなところにお店があるんだろうか・・・？と思って歩いていると・・・

住宅街の中に突如現れたのは、まるで、一昔前の木造の小学校のような大きな建物。

“え？あそこ？”　と、思わず声をあげてしまう。
街頭も少なく暗い住宅街だから、建物の中の淡い灯りが目立って、ひときわ “異空間” 。

ちなみに、外からパっと見て、お店の看板は無い。
玄関らしき入口にも無い。

たぶん、普通に通りかかるくらいでは、「お店」と気付かないんだろうな。
それはお店側の意向もあるみたい。（HPにも書かれています）


店内に入ると、まず、そのお店の香りがまたスゴイ。
「これって、すごい香りだよね！」　と、誘ってくれた友達と驚いてしまう。

いや、明らかに　「発酵物」　が店内にあります！　っていう香りなんだけど、
とにかく、日本酒の酒蔵とか、醤油の蔵とか、そういう所の香りじゃなく、なんかもっと・・・



原始的な香り（笑）？！


お店の中はというと、年季のある外見とは違い、レトロを意識したようなモダンな作り。

カウンターには、沢山の容器が漬物がずら～り。
野菜だったり豆だったり果物だったり、いろいろ発酵させられてる。

テーブル席もけっこう広々としていて、客席はけっこうある方かな。


それにしても、あの冷蔵庫・・・佇まいが怪しすぎる（笑）。

中には小瓶に入った、おそらく発酵物がギッシリ。
「なんか、あれ・・・よく映画とかに出てきそうな、ホルマリン漬けの実験室みたいな・・・（笑）」　
と言ったのは、私じゃないですからね、友達ですからね。


って、散々なことを書いてしまったけど、いやいや、そのメニューを見ると、
もうどれもこれも、食べてみたくなってしまうのだ！

麹〆活魚 　 お魚の米麹漬け焼き　　お肉の麦麹古漬け焼き　　醤（ひしお）を使ったアテ
納豆料理　　他にも発酵いろいろ

見事に、ぜ～～～～んぶ、醸されてます。


そして、「まずは、お通しをどうぞ」と出されたものが、また面白い。（写真は無いデス）
小さな壷に入れられてくるのだけど、ぱっと見た目は　お通し、というより、“調味料”・・・？！

醤を使って色んなものが漬けられているタレみたいな感じで、
もちろん、これをチビチビやっても飲めるし、淡白なものとかご飯にかけても良さそう。


頼んだ料理は、まずは いか醤　。

いきなり、飲み飲みモードなつまみ。
塩辛みたいな色をしてはいるものの、塩っ気は控えめだし、とってもまろやかな味わい、いやいや美味しい。


目光の麹揚げ　は、一緒についてくる塩が、またウマイ。



発酵食堂、と謳っているだけあって、日本酒の種類もけっこう揃っている。
通常メニューには10種類ほどあるし（ぐるなび参照）、黒板には旬のお酒として5種類ほど。

最初はお燗ではなく、普通に注文。
山古志 棚田米作り 特別純米　と、友達は 刈穂 山廃純米 生原酒 番外編



この後は、さっそくお燗をお願いするのだけど、店員さんの対応も
「このおにーさん、“わかってるな！”　」と、安心できる感じ。

新酒っぽくて温めない方が良いのは「ぬる～く、やってみます？」って返してくれるし、
ガッツリ温めてから燗冷ましを楽しめるように出してくれたり。

そんな風にお酒を提供してくれるだけでも、個人的にポイント高いっ！！


さてさて、醤や麹料理のほかに、納豆料理も食べてみたかったのだ♪
いろいろ納豆盛り合わせ、麻婆納豆豆腐、麻婆納豆なす、納豆揚げ、納豆辛鍋などなど・・・迷っちゃう～。

選んだのは 麻婆納豆豆腐　。

おお！結構なボリューム！
しかも、麻婆豆腐というより、これは・・・

納豆の味しかしない（笑）！

豆板醤とかを使っているはずなのに、その味をも凌いでしまう、日本の　納豆！
日本酒の酒蔵では、造りの最中は絶対に食べてはいけないと言われるくらい強力な　納豆菌！
恐るべし。


続いて、食べてみたかったのは 鱸の土瓶蒸し 。

まず、お出汁をいただき、その後、中の鱸をいただく。
とろとろ～。


さてさて。
こちらのお店では、土鍋を使った料理もけっこう沢山ある。

その中でも、友達が最初からずーーっと食べたそうな顔をしていたのが
小鯛飯 。
注文してからお米をとぐところから始めるらしいので30分以上はかかるとか。


で、やっぱり頼んじゃいました。

（嬉しそうなピース（笑））

よ～くかき混ぜてしまった後の写真だけど、
炊き上がったばかりの小鯛がちゃんと乗っている状態を、ちゃんと店員さんが見せてくれて、
その後　「小骨を取ったりして、混ぜてきましょうか？」　。

その小鯛も、麹でしっかり漬けたものを使っているので、その旨みがご飯に染み渡って・・・
うま～～い！

ちなみに、土鍋炊き飯を頼むと 甘酢漬け野菜 が付いてくるのも嬉しい。


もう一品、写真は無いのだけど、 熟成味噌汁 も付いてくる。
その味噌汁を説明してくれる店員さんの言葉に、我々、再び衝撃！

「熟成味噌を使った・・・というのではなく
　　　味噌汁にした状態で8ヶ月ほど熟成させ、継ぎ足し、熟成させ・・・を繰り返してます。」　とな。

み、み、みそしるを熟成～～～？！　いやはや、オドロキ。

発酵食品を食べながら、まるで、自分まで醸されてる気分になってしまう。
おもしろいお店だな～～。


ちなみに、アナタは、どんな発酵食品を食べてみたいですか？！

[ 発酵食堂 豆種菌 ]
東京都目黒区五本木1-6-3
03-3710-9804
18:00～24:30(L.O.23:00)
定休日：月曜