まき子の酒

日本酒が好き。純米酒が好き。そんな飲兵衛が「母親」になってしまいました。今はムスコを飲兵衛へと英才教育中?!

蔵にいる蔵元こそ・・・ @ 鯉川酒造

2010-05-10 22:08:01 | 酒蔵巡り
今から5年も前になるのか・・・。
山形へ初めて旅行したのは、、当時は“彼氏”だった相方との夏休みデート。
あの時から“観光<日本酒”だった自分・・・。そして相方も“飲めない運転手”(笑)。)

あの頃のblogを見ると、ホントに自分は日本酒のことを知らなかったんだな~と、しみじみ思う(恥)。
そんな自分に、当時、さりげなく
「余目というところまで行けば、気さくで優しくて、まっとうな酒造りを目指してる蔵元さんがあるのに。」
と、とある酒屋さんに教えてもらってから、そこへは、もうずーーーうっと行きたかった。

その酒蔵さんの地酒は、外飲みでも家飲みでも、自分の中での定番酒になっているし、
蔵元の社長さんとは東京や名古屋ではちょくちょくお会いするのに・・・

なんとまぁ!行くのは今回が初めて。

そんな、5年間・・・行きたい気持はおさまることなく、とうとう念願の訪問がかなったのは
鯉川酒造 さんなのだ!!

到着すると、すごーーい広い敷地!

いつもなら、“佐藤社長にお会いできる♪”と単純にワクワクするところだけど、
享保10年(1725年) から続いているという貫禄ある佇まいとその雰囲気に、
ちょっぴり背筋がシャキンっとしてしまう。


玄関に入ると、奥さまが迎えてくださり、佐藤社長も登場~!

おおお・・・。

やっぱりご自宅に居る社長は、いつもと全然違う。
いや、口調や立ち居振る舞いは普段と変わらないかもしれないけど、
この土地、この家、この空気と“しっくり”きている感じが何とも。
やっぱり “蔵人さんとは酒蔵で会うのが一番だなぁ~” なんて思ったりして。


奥の座敷で、しばし歓談。
奥さまの点れてくれたお抹茶が美味しい~♪

一心やアル・ケッチャーノの話題に盛り上がる一方、
「しかしダンナさんが車を運転してくれる人でよかったね~~。」 と、
日本酒は全然わからない相方にも配慮した会話をふってくださる社長の言葉が、とっても嬉しい。

実家が仙台の相方と、以前はその近くに住んでいたこともあるという社長夫婦とは、
地元話しで盛り上がっているし♪
私はサッパリ分からない話だけど、その様子を見てるだけで何だか幸せ。


さて。
そんな風に会話に盛り上がっている最中、
「今日、実は竹の露さんで山菜採りしてきまして・・・。」
と、GWで大忙しな“アル・ケッチャーノに持ち込むと良いですよ” と、持たせてくれた事を話すと・・・

あれやこれやと裏の手を繰り出す佐藤社長!!
うわ~~~。。。
タダの飲兵衛なのに、こんなにまでしてくれるなんてっっ(>_<)!!
と、内心、恐れ多いやらありがたいやら・・・もう感謝の気持でいっぱい。



この後は、特に予定もない、ということで、ゆっくり蔵を案内してもらうことに。
待ってました♪

以前、日本酒仲間のblogで見て、自分も実際に見てみたかったのがコレ!

太い大きな柱が乗っているのは、平べったい大きな石。
この石に木の柱がはまっているワケでも、釘でつながれているワケでもありません。
乗っかっているだけ。

でも!
これが今から 300年も前 の耐震建築技術のすごいところ。
あの新潟県中越地震の時も、この柱を始めとする蔵全体の昔ながらの建築技法のおかげで、
崩れたり倒れたりすることがなかったそう。

天井を見上げても、杭やネジなんか一切見られない、昔からずっとある造りの蔵の中。

今現代の、最新技術をこらした耐震技術もあるかもしれないけど、
こうして古くから残っている建築物を見ていると、昔の人ってホントにすごいなぁ・・・と思ってしまう。


今は造りは終わっているけど、貯蔵庫に、たっくさーーーん保存されてる瓶に、これまたびっくり。
お酒はできたての新酒ばかりが美味しいワケではなく、
蔵元でちゃんと飲み頃まで長い間熟成されて、いい頃合に出てくるお酒がまた、うま~いのだ♪

そんな貯蔵庫も、とっても年季のある冷蔵庫。。。これも思わずパチリ。

「上原先生に言われて、すぐに作り変えたんですよ。」 という、お米を蒸す釜

作り直したのは、“10数センチの高さ” が必要だったから。
“たった10数センチ?”と言うなかれ。
それが、あるか、ないか、で日本酒の造りに大きく影響してしまうのが お米の蒸し なんだなぁ。


タンクがずらーり♪ この景色、大好き~!


おっと!こんな古い 銅製タンク も!

残念ながら、もう今は使えないそう。
直せば使えるのだけど、その直す職人さんが、もう居なくなってしまったからだとか。
なんだかちょっぴり寂しい・・・。

上原先生の写真が飾ってある場所にも案内してもらえて、なんだか感慨深い。
結局一度もお会いできず逝ってしまわれた・・・
なんでもっと早く、鯉川酒造のような日本酒の事を知ろうとしなかったんだ、自分。
と、数年前が悔やまれる。


一通り、蔵を案内していただいたあとは・・・

うわ~い♪ こ、これは!!

「アルコール度数は18%くらいあるんですけど・・・大丈夫ですか?大丈夫ですね、愚問でした。(笑)」
と、とっても貴重なお酒をいただいてしまいました。
これぞまさに、酒蔵さんに行ってこそ味わえるお酒・・・

くぅぅ・・・しあわせ~~~♪

「美味しいよ・・・ちょびっと飲んでみる?」
と、相方が日本酒嫌いな事が分かってても言いたくなってしまうと、
「キライな人に無理に飲ませちゃダメだよね~。」 と、これまた相方の気持を汲んでくれる佐藤社長に、
再び、懐の大きさというか、温かいものを感じるワケで・・・。

いつも、飲めない運転手が車で酒蔵に連れて行ってくれても、楽しむのは自分ひとり。
でも!
日本酒に興味がない相方が、蔵に上がり、蔵元さんともこんなにお話ししてたのは今回が初めて。
話した内容は日本酒のことではないにしろ、これは私にとっては大きな変化。

これからは、家で鯉川を飲んでいるときも、
「ほら!これ!あの、鯉川さんのお酒だよ~!」 って、日本酒嫌いなヤツとはいえ、
アピールしちゃいそう(笑)。


そんなワケで。
自分にとっては、佐藤社長と“山形の蔵元で会えたこと”、
そして相方と一緒の蔵巡りに進歩?!があったこと・・・などなど、
この山形酒蔵訪問は、自分にとっても貴重で重要な体験となりました。

本当にほんとーに、ありがとうございました!

あぁ・・・来てよかったなぁ・・・心底、そう思いながら、車で去りつつ、
いよいよ夜のお楽しみへと旅立つのであります。



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24 コメント

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有難う。 (Tank)
2010-05-10 23:25:35
過分なご紹介で、少し照れてしまいました。
妻が「まっきーちゃんはスリムだよね~」と
感心してましたよ。

また、遊びに来てくださいね。喜多方ラーメンもおいしいけど、酒田ラーメンも旨いですよ。
今度はアルケでご一緒しましょう。
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■Tankさん (まき子)
2010-05-11 00:01:00
過分だなんてとんでもないです~。
自分が思ったこと、そのままです。
ますます大好きになった鯉川だから、
より力は入ってしまっているかもしれませんが(笑)。

奥さんとも会えて、本当に伺ってよかったと思います!
ここんとこ、忙しさにかこつけてなかなか食べてなかったからかなぁ(汗)。

喜多方ラーメンは今回でもう十分(笑)
味龍も美味しかったし、今度は酒田ラーメンめぐりをしてみたいです♪

ほんとに、一度アル・ケッチャーノで一緒に飲めるのを楽しみにしています!
重ね重ね、ありがとうございました!
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ほ~ (Ben)
2010-05-11 00:26:13
やっぱり同郷と言うか地元感が相方殿をリラックスさせるのか?
それとも本当に変化してきてるのか?!
でも、夫婦そろって楽しめて良かったよね。

石の上に乗ってる柱・・・
どんな奇跡でそれが成り立ちのか考えたんだけど、分からない。
でも、実際に300年建ってるんだものねぇ。
いずれにしても石の方も、柱の方も絶妙なバランスと力、角度、重さ、その他もろもろ(笑)で成り立ってるんだろうね。

古い樽は単に職人さんがいないと言う問題なの?
タンクと樽では味が違うのかな?
同じなら兎も角、違うとすれば勿体無いと思ってしまう。
職人がいないから出来ない=一つの文化の消滅みたいなものだものね。

鯉川さんは私も大好きなお酒の一つ。
長い歴史を背負うと言うのは誇りであると同時にきっとプレッシャーみたいなものもあるんでしょうね。
きっと社長さんはそれをいい方に持って行ってるんでしょうね。
音楽もお好きだとの事。
いちどその演奏も聞いてみたいものです。
とうすにごりを飲みながらこのコメント書いてます! 笑
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鯉川酒造さんの (kohyou)
2010-05-11 00:44:46
お酒をまったく知らなくて、まき子さんのブログに訪問して知り、
機会があって、最近、数種類呑みましたが旨いですよね。

写真のお酒は、何だろう?うすにごり、原酒、美味しかった?
旨いんだろうなぁ~いいなぁ~羨ましい!です。
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Unknown (RW)
2010-05-11 05:56:12
名蔵元を訪ねながら、お酒への造詣をさらに深めていく・・。素晴しいお酒の楽しみ方・愛し方です。
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これが鯉川酒造だ・・・ (じゅうご)
2010-05-11 08:26:00
 いつも楽しく読んでいます。今回の鯉川酒造のお話、楽しみにしていました。三平師匠のお店より鉄人うすにごり始め購入をはじめ、名古屋純米燗で初めてお手伝いしたのが鯉川さんでした、大分からでは遠いので出かけていくとなると・・・・感嘆にはいけない距離なので、蔵内の写真だけでも十分蔵の歴史を感じられます。先日三平師匠に亀治好日うすにごりをオーダーし、亀治好日3種類のみ比べを楽しみにしています。
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Unknown (庄助)
2010-05-11 09:05:12
おはようございます。

南東北横断旅行ですね。
帰りは新潟周りでしょうか?

鯉川いいお酒ですね。
今我が家に下の二本が来てくれてます。

鯉川H21BY純米酒はえぬき等60% 
鯉川H21BY純米吟醸鉄人うすにごり 
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伝えたい知恵 (葛飾のオヤジ)
2010-05-11 09:28:38
「石の上にも300年の柱」…すげえっ!(・_・;)

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 (itacha)
2010-05-11 10:03:32
行ったことなかったの?
すっかり、行ってるものだとばっかり・・・
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■Benさん (まき子)
2010-05-11 16:30:17
地元話で盛り上がれると、やっぱり親近感というか
安心感は沸くのでしょうね~♪
いやぁ、いつもはあまり喋らない相方がよくお話してくれました。

>石の上に乗ってる柱・・・
柱だけじゃなくて釘などを使っていない構造全体があってこそだと思うんですが、
新潟の地震の時から柱がずれた跡も残っていてビックリでした!
柱が微妙にずれるだけで全体のズレを修正しちゃうんでしょうね~。

音楽がお好きなだけあって、
バンドルーム(というのか?!)、や
音楽を聴く部屋なんかもあって、
「趣味っていいな~!」って思いました。
最近は趣味の範囲じゃなくなってきている・・?!(笑)
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