まき子の酒

日本酒が好き。純米酒が好き。そんな飲兵衛が「母親」になってしまいました。今はムスコを飲兵衛へと英才教育中?!

鯉川と庄内の食 @ アル・ケッチァーノ

2010-05-13 17:01:35 | 日本酒を飲む @ 日本の色んな所

このお店の名前を初めて聞いたのは何年くらい前だっただろう。
イタリアンレストラン なのに、その評判を聞くのは、もっぱら日本酒つながりから。

地産地消をコンセプトに地元の豊富な食材を使ったイタリア料理、
そして、一緒に楽しめるお酒が、イタリアワインはもちろんだけど、地元の地酒 鯉川 も、だなんて。
(なんでイタリアンで、庄内で、地元の食材なの?というワケは、こちらの紹介が分かり易いかも)

そうと知ってから行きたい気持はあったのだけど、如何せん場所は 山形は庄内。
そうそう簡単に行ける場所ではないからこそ、、、なのか、
庄内の美味しい食 の知名度が上がっていく様子にビックリしつつ、行きたい気持はますます募り。


そんな気持を晴らす時が。
ようやく!
来ました!!


アル・ケッチァーノ !!

この日、事前にお邪魔していた鯉川酒造での歓談で 
“飛行機に乗ってでも行きたいお店NO1”に選ばれたそうですよ。」 と伺ったのだけど、
私も、高速道路が1000円だっただけで、 “わざわざココに行きたかった” クチです(笑)。


さて。
ちゃっかり、上のアル・ケッチャーノの概観の写真は押さえたのだけど、
実は、実際に入ったお店は、そのすぐ左隣にある イル・ケッチァーノ 。

本来ならば、イル・ケッチァーノは、ドルチェや簡単なイタリアンで庄内の味を楽しめるお店であって、
奥田シェフのコース料理が食べられる、という店舗ではないものの・・・

これまた鯉川酒造の佐藤社長のお陰で、
アル・ケッチァーノは、もう予約いっぱいで断念するところ、
こちらのイル・ケッチァーノで奥田シェフの料理が食べられることに(>_<)!!

しかも!!

テーブルに案内されると、我々のテーブル脇の光景を見たら、もーもーもーもー!!!

感動のあまり、失神しそうになりますってばっっ! 
一方、相方は、まったく状況が飲み込めない、といった顔・・・ぷぷぷ(笑)。「ナニコレ?」状態である。

その隣にも、なんと嬉しい鯉川のお酒が。
鯉川 H19BY 純米大吟醸 1997年醸造 大吟醸

自分で好きなようにお燗ができる酒燗器が、ど~~ん!とな。
嬉しくて早く鯉川を飲みたい気持ちを抑えつつ、
まずは最初に、スパークリングワイン で乾杯!

このスパークリングワインも、地元山形の高畠ワイナリーのもの。
濃い味わいで、美味しい♪


さて。
では、いよいよ、庄内の食を満喫するコース料理スタート。

最初は日本海で揚がった ワラサ 。オリーブオイルと塩がふってあるだけ。

とってもシンプルなのだけど、使っている が、かなり面白い。
奥田シェフが、一番エネルギーが満ちる満月の日本海からオリジナルで作り出してしまったという
月の雫 という塩が、ものすごい美味しい! これは舐めるだけでお酒がすすんでしまう。


泡の後は、佐藤社長の入れ知恵?!で、前菜に合せるにオススメされた、お店においてある
水酒蘭 (ミシュラン)を。 
 
この冷たい瓶の中身は 鯉川 純米吟醸 生 。
次の スズキの冷製パスタ にも合うあう。


イワナの燻製とヒラメのミルフィーユ仕立て 周囲には、燻製を焼いたものも散らされて。

この魚も地元産のものなんだろうなぁ。
イタリアンにイワナの燻製が出てくるなんて、新鮮。

ツブ貝とアスパラ 。


アツアツのお皿には、火の通った地元 余目産の玉ねぎ with パルメザンチーズ。 

これがすんごい甘い!
特に味付けされているワケでもなく、素材直球だけど、とっても味がつまってる。


ホタルイカ と カタクリ のバーニャカウダ

カタクリとは 「この紫色の花が付いてる野菜のことです。ユリ科の野菜なんですよ。」
と店員さんが教えてくれる。後々調べてみると、こんな花なんだ~!

ホタルイカのミソがちりばめられていて、これがまた日本酒と合うんだよなぁ。
というか、なんだか“イタリアン”であることを忘れてしまう(笑)。


カツオのルイベ は、奥田シェフがわざわざ持って出てきてくださり、嬉しい限り。


この頃には、しっかり鯉川のお燗を飲んでいたのだけど、
いやしかし・・・
まさかココに来て、我々専用の酒燗器がちゃっかりあって、好きな温度で楽しめてしまうとは・・・
なんだか信じられない。


そして、とうとう!
竹の露酒造の相沢さん宅で採り、鯉川酒造の佐藤さんの裏の手のお陰で持ち込むことができた
たらの芽が出てきましたー!
ヤナギカレイのグリル に添えてある♪

こういったグリル料理には普段はキャビアを和えているようなのだけど、
山菜の程よい苦味が、カレイの白身な味わいにすんごい合う。

「こんな忙しい祝日のディナーに、申し訳ない・・・」
と思いつつも持ち込ませてもらった山菜が、
こんな風に出てくるなんて・・・やっぱり“瞬時のひらめき”なのかなぁ~。すごい。



そろそろ、相方の白ワイングラスも空いてきたので、まだ魚料理ではあるものの、
終盤の目標に向けて、赤ワインをお願いすることに。

「グラスにする?ボトルにする?」 と、一応聞いたけど・・・
やっぱボトルの方が色々選べるよね♪ というわけで。

RUBINO Val di Cornia Rosso

このワインが出てくるまでも、支配人の気配りがとっても嬉しかったりする。
我々の好みを告げると、メニューの中には、それに合うワインがなかったようで、
「ちょっとセラーで探してきますね。」と、ちゃんと予算も聞いて探しにいってくれたりして。


次の料理は・・・
ん?筍が丸ごと・・・?!


と思ったら、開くと、中には地元の 鶴岡産 孟宗筍と生ハムのリゾット

実は、このリゾットを作る前に、
奥田シェフから 「次はどの鯉川をどんな風に飲みます?」 と聞かれていた。
要するに、自分が次に飲もうとしているお酒に合わせて、リゾットの内容を考える、ということなのだ!
なんて・・・なんて有りがたい(涙)。

いや・・・鯉川の蔵元さんや地元の関係者さんからしたら、
“そんなの当たり前” かもしれないけど、この忙しい時に、そこまで考えてくださってるなんて。


の料理にも、たらの芽が、ディップとして登場!

でも、さっきのとはまた全然違って、今度は苦味もなく、素材重視の鯛の味が引き立つから不思議。
たらの芽ディップなんてアイデアも、またおもしろ~い。


まだまだコースは続く。
豚と菜の花


最上川河口の川蟹のパスタ

「この殻、食うの?」という相方に、「いくらなんでも、そりゃ無理!」
そろそろ赤ワインでいい感じに酔いが回ってきているのか(笑)?!

でも、ちょっと待ってー。
私にも、最後の一杯、残しておいてー!

だってだって。
この後に来る、一番楽しみにしていたメインは・・・

あの 羊肉なんだもの!!

待ってましたー!!

この羊肉も、もちろん生産者の顔がしっかり分かる素材で、
庄内特産の “だだ茶豆を食べさせている”という丸山さんの羊

さっぱりした脂で、味がとっても濃くて、噛めば噛むほど旨みが、じわ~~んと出てくる。
これは、、、ほんっとに美味しい。

そして、忘れてはいけないのが、
チリチリの温度まで上げた 鯉川 1997年醸造 大吟醸 を合わせて飲むこと。

“大吟醸をそんな熱燗にして飲んでいいの?!” という心配は、まったく無用。
アルコールを添加しているのを忘れてしまう・・・というより、これが正しい醸造アルコールの使い方?!


こうして、まったりと幸せな時間を過ごしていると、いつの間にか周囲のお客さんも引いている。

イル・ケッチャーノはこんな感じの店内。(入店時は満席で撮れなかったから・・)

デザートももちろんしっかり食べつつ。





こうして、庄内の味が満載のコース料理も終了。。。
なんて楽しいひと時だったんだろう。。。

一品ひとしなに、山形愛が伺える料理だったのも、また格別。

去年に、奥田シェフが銀座の山形アンテナショップに
YAMAGATA San Dan Deloヤマガタ サンダンデロ というお店を開いたのだけど、
その一番の意図は、やっぱり「山形を日本に広めたかったから」という地元愛。

本当に、地元が好きなんだなぁ・・・。

そんな料理が、東京ではなく、ホントの地元でいただけたこと、
そして、鯉川が一緒に飲めたこと、
さらに、竹の露の蔵元さん宅で採れたまさに地元産直の山菜も食べれたことなどなど・・・

こんなに山形を満喫できるなんて、旅に出る前までは想像もできなかった!
それもこれも、お世話になった蔵元さんや、お店の方々のお陰。
心から感謝です(>_<)!!

山形は本当に自然も食もお酒も人も良いところ♪
また行きたいなぁ~~~。


[アル・ケッチァーノ]
山形県鶴岡市下山添一里塚83
0235-78-7230
月曜定休




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40 コメント

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Unknown (Cafebabe)
2010-05-13 18:38:25
うらやましい.私が昔行った時には「水酒蘭」しかなかったからなあ….
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おじょうひんなこと (煮酒)
2010-05-13 18:49:00
そんなにお上品に盛り付けしてあるとどれも食べた後に見えます。
すみません、卑しい生まれなもので。
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Unknown (hirorin)
2010-05-13 18:56:26
タケノコの皮をつかった盛り付け、これはいいなぁ。
写真でワクワクしたから、開く瞬間はたまらないだろうね♪
山形かぁ・・・
アメリカ行っちゃうくらいだから、近く感じるでしょー?
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Unknown (hirorin)
2010-05-13 18:59:35
あ、ついでに。
まっきーは水着審査に引っかかったので、パスワードを送るのやめました。。。じゃなく、今週末くらいには連絡できると思いまーす。
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■cafebabeさん (まき子)
2010-05-13 19:26:16
鯉川も実際に定番で何があるか分からないのですが・・・(汗)
メニューにない色んな鯉川が出てきたりして?!
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■煮酒さん (まき子)
2010-05-13 19:27:31
全部が私好みの「ちょびちょび系」なのです(笑)。
お皿が大きいだけで。
ちょびちょび、いろ~んなのが食べれて、楽しいですよ~~。
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■hirorin (まき子)
2010-05-13 19:31:50
ね、ね、この筍の皮の使い方、
ナイスだよね~。
一瞬「おお?なんだ?!」って思っちゃう(笑)。
この筍、すんごい美味しかったー!

山形はなかなか行けないから、
どっちかというとアメリカ(っていうかワシントンとかインディアナポリス)の方が近く感じるかも(笑)。

車で5時間くらいかかるけど
「DCからNYに行ったくらいの距離だろ?慣れたもんだべ」とかいう相方・・・。
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■hirorin (まき子)
2010-05-13 19:32:45
そうそう!待ってました~。
何気に「私って、パスワード教えてもらえないのかしらん。。。」
と、ちょっと落ち込んでたりして(笑)。
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すごい!(涙) (keiむさしの)
2010-05-13 21:53:34
山形は2年前一度蔵王を中心に月山まで旅行を楽しみましたが、アル・ケッチァーノはずっと気になるお店でした。
 お燗のセットには思わずのけぞりました。うらやましすぎる!
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だだちゃまめ (りょう)
2010-05-13 22:56:27
羊は羊でもだだちゃまめを食べさせている羊...あ、想像したら涎が出てきた(笑)
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