ワンコと赤ちゃんと酒蔵 @ 御代桜醸造

まだまだ、関東と東北の住民が不安いっぱいな福島原発の事故。。。

相方は相変わらず五月蝿いのだけど、この時からは少し沈静化。
しかし、今度は親が不安を積もらせている。

相方の実家、仙台からは　「まだ東京に居るの？！早くまき子ちゃんの実家に逃げて～」
自分の実家、岐阜からは　「あんたたち、もうコッチに逃げてらっしゃい！」

これが毎日のように電話で・・・

親の心配は我々を思ってのことだと思うと無下にできないけど、
その不安を煽らないように、親と相方をなんとか押さえるために、神経使う毎日。

ちょっと・・・ツカレタナ・・・。


そんな時、ちょうど良いタイミングで3連休。
これは、一度、東京を離れる良いタイミング。

相方と親を黙らせるべく、そして自分も電話攻撃から逃げたくて、
岐阜県は土岐市にある、私の実家へ行くことに。


ジジババ、母親も歓迎してくれたけど、一番喜びを露にしてくれたのは、実家のワンコ。


動物って不思議だよなぁ・・・
何も言わない、ただ抱っこさせてくれるだけで癒される。

しかも、この日はいつも以上に私を気遣っているかのような。。。

トイレ行くと、いつの間にか跡を追っかけてきて、その扉の前でチョコンと座って待ってるし、
風呂に入ってると、扉の間に鼻を押し付けて　「プヒー！」　って匂をかいで私と確認したら、
また扉の前のマットの上で待ってくれる。
“抱っこして”　と、膝の上に乗ってくるわ、寝るときは腰にベッタリ。
夜中、寝返った時に下敷きにして “ヒゃーーン！” って鳴かせてしまったら、
今度は、顔の真横に来よった。

ありがとう。
犬にこんな気遣ってもらっちゃうなんて、、、結構、ストレス、溜まってたのかしらん。



さて。
実家に帰るのは良いものの、車がないとどこにも行けず、けっこうヒマになる。

んであれば、久々に！
最近出産したばかりの、小学生からの幼馴染に会いに行こうかな！

そういう場には、絶対に一緒について来ようとしない相方は実家に放っぽいて、
その幼馴染が結婚してから引越しした 美濃加茂 までローカル電車で行くことに。


ちなみに。
帰省することを決めたのは直前の木曜日、もちろん幼馴染にも同じタイミングでメールしたのだけど、
その返信にビックリ！

「そうそう、御代桜醸造に行きたいなと思って。3時に予約が取れたのでどうかなぁ？」　

えっっ
えええええええ？！？！？！

ななななんでなんで？！アヤちゃんが、いきなり酒蔵見学を？！

お酒にはすんごい弱いし、日本酒どころか酒蔵なんてまったく興味ないと思ってたし、
なんてったって、あーた！生まれたばかりの（3ヶ月）息子くんがいるでしょ～～～？！

突然の、この幼馴染の切り返しに、めっちゃビビるものの、
まぁ・・・
　御代桜って蔵見学コースをOPENにやってるのかなぁ？
　息子くんは、親に預かってもらってくるんだろうなぁ。
と思って行ってみる。


んが。




その幼馴染は、やっぱり息子君を抱っこしてやってきた（笑）。

ひさしぶりーー！！
会いたかったよ～～～！！
息子くん、ハジメマシテ！　うひ～～、ホッペ、ぷりっぷり♪
（友達の顔は隠さなきゃ、と思ったけど、息子くんの笑顔は、、、いいかな（笑））

でも・・・ほんとに不思議！
幼馴染とは小学生からの付き合いなワケで、彼女との思い出も小中学生。
なのに、赤ちゃんがいるなんてなぁ。

お互い　「なんか変な感じやね～（笑）」　


ちなみに、御代桜醸造 さんがある場所は、中仙道は太田宿 という、歴史深い場所。


蔵だけじゃなく、ちょっとプラっと散歩をするにも良い感じのところかも。
少し周辺を散歩しながら、気になってた事を幼馴染に聞いてみる。

「蔵見学って、どうやって申し込んだの？」　と。

というのも、酒蔵なんて一度も行ったことのない、という子だから、
てっきり、蔵見学を宣伝広告にしているんだろうと思ってホームページを見るものの、
そんな情報は全く載っていなかったからなのだ。

すると。

「直接、電話して聞いてみたら、事前予約すれば見学させてくれるんやって。
　今日は、とうじょさん・・とか、っていう人が案内してくれるって。」

・・・そ、それは“とうじょ”さんではなく、“とうじ（杜氏）”さんなのでは（笑）？！
しかも、直接電話で・・・それって、フツーに酒蔵に行きなれた人が取る行動。

それを、サラリとやっちゃう、しかも赤ちゃん抱えてきちゃう、
昔から　“天然”　な幼馴染に、また癒されたりして（笑）。

でも、
「まきちゃん、日本酒が好きやし、
　前も確か、瑞浪のナントカっていう酒蔵（たぶん、小左衛門さんのコト）に行ってきた、
　って話を聞いたよな～～～とか思って。」
と・・・。

うぅぅ（涙）。
自分の顔を思い浮かべて、ここまで行動してくれたことに感動(>_<)。

ホントにホントにありがとう！


そんなワケで、3時の予約時間にお伺いすると、酒向杜氏が迎えてくれた。
まだまだ、とってーーーも若い！

でも、さすがに？！酒向杜氏も、まさか赤ちゃんが一緒に来るとは思ってなかったらしく（笑）、
「今日は、外は暖かいですが、蔵の中は寒いので・・・そのままでは・・・だ、、大丈夫ですか？」と。

そして、慌てて着ているジャケットの中に息子くんを押し込んで「大丈夫です」と言う幼馴染。
一方、「もう甑倒しは終わったんですか？」　って、ちょっとマニアック？なことを聞いちゃう自分。

こんな3人衆に、さぞかし、酒向杜氏も戸惑ったに違いない・・・。



さてさて。
御代桜さんは 明治26年 から創業されているとのこと。


その昔、まだ中山道が人にとって重要な道であった頃は、
旅人にとっても、さぞかし重要な存在だったんだろうな。

その重要な役目を担っていた酒蔵は、とっても大きい！
　
お米の蒸し器も、写真に撮ったものと、もう1つ、奥にももっと大きな蒸し器が。

麹室もとっても大きかったのだけど、酒向杜氏曰く
「昔は、大量にお酒を造ってたので（三増酒とかのことかなぁ）、室が大きいんですが、
　今は、その3分の1くらいしか使ってなくて・・・その分（空きスペースが広い分）
　よく乾燥してくれます（笑）。」と。


ここには、すんごい大きなタンクが！

中を覗くと、高所恐怖症な人は、足がすくんじゃうんじゃ？っていうくらい。
（本醸造系のお酒たちが、ここに入っている）

息子くんを抱っこしている幼馴染は覗けないので、
私が、手で下から空気を煽ると・・・そのワンテンポあとに、
「うわ～、すごい！！香ってきた！おお！すごいすごい！！」と大興奮。
あはは（笑）。　こういう香り、蔵ならではだよね♪


ちなみに。
酒向杜氏は、とっても分かり易く説明してくれる。
それでも「？？」な雰囲気の幼馴染には、自分がたとえば「麹っていうのはネ・・・」って簡単に説明。
そして、そんなスローなペースに杜氏も合わせてくれて、なんとも、まった～～りした蔵見学だ。

火入れのしくみについての説明では、赤ちゃんの哺乳瓶殺菌の話に絡めて（笑）。



と、この辺りで蔵の見学が最後になると、酒向杜氏が
「せっかくいらっしゃったので、ちょっと利いてみますか？」　と！！

マジすか～～(>_<)！！
なんってありがたい！

純米大吟醸の出来立て暴れん坊娘をいただきます。

うわぁ！こ、こ、これは美味しいかも・・・っていうか、もちろんまだピチピチな味わいだけど、
飲み頃に、かなり期待大かも。

なんて、ちょっとお酒造り寄りの話をしていると、
若い酒向杜氏が、控えめながらも、
　「広島で、、、毎年ありますよね、出品酒を出すカンピョウカイというのが、、、
　　でも、私はイイのか悪いのか、そういうのに興味がなくて。。。」
と苦笑されている。

その姿に、また個人的に、すんごい好感度を持てたりして。


蔵見学を終えたら、今度は小売してる場所で、また試飲させてくれるという。
　
太田宿のメインストリートにあるので、大型バスで訪れる観光客もやっぱりあるようで、
ちゃんと整った小売店内。


奥から出していただいたのは3本＋1本。

しぼりたて　と　21BYの飲み頃な 美山錦 無濾過生原酒　そして　山田錦　無濾過生原酒　。

3本目の山田錦は 7号酵母 を使っているらしく、
「ちょっと独特な味わいになっています。」と杜氏はおっしゃるのだけど、
いやいやいやいや、まさにコレは自分の好み路線であります。
これは、買います！

東京の家に帰ってきてからの写真ですが・・・
エ？もう3合くらい減ってるって？？（笑）


さて。
試飲させていただいた3本の他の　“＋１本”　とは、大吟醸仕込みの梅酒 。

そして、これに興味津々な幼馴染に、ついつい
「アヤちゃん・・・舐めるくらいなら、イイんじゃない？」　と、薦めてしまう自分。

そしてホントに舐めてみちゃう幼馴染（笑）。

次の瞬間、目がキラキラ！！
「おいしーーーい！これ、買う！」

今買っても、まだ母乳をあげてる幼馴染だから、安心して飲める日は遠いだろうけれど、
頑張って働いてる旦那さんに飲んでもらいたいんだそう。


まったりと試飲しながら、酒向杜氏ともいろいろお話。

もともと杜氏は　“季節労働者”　という制度が当たり前だったのだけど、
この地域では初めて　“この蔵専用の杜氏”　をいう立場で、蔵入りしたんだとか。

いつからお酒造りに携わってるのか聞いてみると、もう10年も前　とな！

杜氏という重大な立場で蔵に入ってから10年というから、もう40歳くらいかな、と思うものの、
酒向杜氏に限っては、、、冒頭にも書いたけど、とっても若く見える。

で、御年を聞いてみると・・・・・

「うひゃ～～、私たちより○歳年上なだけやん～～！！」

と、幼馴染とともに絶句。
最初見たときに「若いなぁ」と思った印象のまま！！

オドロキ。


そんなこんなで、初めての蔵見学with赤ちゃんは、無事に終了。
というか、いつもの蔵見学とは全く違う雰囲気で見学させてもらえたし、
久しぶりに会う幼馴染と息子くんのおかげで、なんかとっても楽しかった♪


そして、一緒に話をしてて思ったのは、
幼馴染は“ママ”になったけど、やっぱりいつまでも、自分の小学生からの友達なのだ。

小中の恋愛話、お勉強や受験、ケンカもしたね～、両方の親にもお世話になったり。
そんな記憶が蘇ってきて、「あんなことあったね～！」　って、きゃいきゃい。

あの頃から今まで、いろいろあったけど、やっぱり思うのは、
「お互い、変わらないね～。（笑）」ということ。


こうして、ワンコに、幼馴染に、しっかり癒されて、
東京に戻ってきました～。