今どき、パソコンのメールも、携帯電話のメールもできないビジネスマンっているの?!
って思ってたら、身近に居た。
我が父。
連絡をとる術は、電話のみ。
でも電話って、母親となら 「あの料理の醤油と味醂って、何対何だっけ?!」 なんて気軽にするけど、
父親に電話するときって。
・・・。
何か事件がない限り電話しなくないっすか?!
でも、父の日もあるし・・・と、かなり久しぶりに電話をしてみると、
東京へ出張があるというので、「久々に、夜に一緒に飲みに行こうよ!」と誘ってみる。
行くお店は、最近父親とはいつも 仲志満 さん。
一度好きになったら、とことんそこにしか目が行かなくなる父親の、お気に入りのお店なのだ。
お通しは フルーツトマト 。
さっぱりした甘みと、仲志満さんならではの出汁が絡み合う。
麦酒のあとは、冷たい日本酒から。
仲志満さんにおまかせで出してもらったのは 天遊琳 。
手造り純米酒 “夏純” って短冊がついてるのだけど、ほんと、夏に合うような、さっぱりした飲み口。
冷たいのを出してもらってから言うのもナンだけど、父親に「やっぱり今でも夏でもお燗?」と聞くと、
当然!毎日徳利3本・・・以上飲む事もあるけどね。
と、さすが我が父。
しかもお父さんが使ってる徳利って、一合以上入るよね…?!(笑)
とはいえ 「まき子が飲みたいので何でもいいよ。」 と言ってくれる父親。
んじゃ、もういっぱい、冷たいのにしようかな。
片野桜 山廃仕込純米酒 無濾過生原酒 。
写真は撮らなかったけど、やっぱり「生」シールは裏のど真ん中についておりました(笑)。
さてさて。
メニューを見ていた時から、父親と2人して気になってしまったのが 石垣貝 。
仲志満さんにおまかせ盛ってもらったお造りの右奥に。
「トリ貝が最近高くなってきたから、その“代わりの安い貝”として、最近よく見かけますね。」
と、色々教えてくれる。
父親と自分とで「石垣島の貝?」なんて言ってたのだけど、
“いしがけがい” という呼び名に間違えて漢字をつけられただけで、沖縄の石垣は関係ないんだそう。
そもそも、暖かい南の海では貝は毒を持ってしまうから食べられないんだとか。
だから、この貝も三陸や青森の方で獲れるのだけど、
今、日本の亜熱帯化のせいで、南の方の海では、どんどん貝が獲れなくなって
価格も高くなっているとか・・・。
やだなぁ・・・温暖化の影響が、どんどん出始めてる。
父親もちょっと嘆き・・・。
まぁまぁ、暗い話しはそこそこにして、、、
気を取り直して、美味しいお燗でも飲もう!
萩の鶴 は6年前の造りのもの。
ぬるめの温度につけてもらったのだけど、全然6年も前のような味がしない!
程よい熟成感でキレが抜群だ~。
ちなみに、仲志満さんが出してくれた、このお猪口。
すごいお酒がまろやかに感じる。
外に沿っている口は、普通のお猪口にはない形、す・・・・っと口の中に広がるのだ。
しかも光りが透けて見えるくらいの薄さ、こんな薄い磁器を作れる陶芸家さんは、そうそういない。
「人間国宝になると言われてる方ですから、今のうちに買い溜めてます(笑)。」 と仲志満さん。
食べたかったつまみ 鱧の梅肉あんかけ も、美味しい♪
父親も自分も、飲み始めるとなかなか食べないから、全然料理が減らないけど、
刺身も鱧もカピカピになっちゃうから食べよう!と薦めつつ、またお燗。
昇龍蓬莱 も魚に合うなぁ~。
「食べたいのは刺身と鱧で、あとはオマカセで。」と言っていたので、
しばらくして、メバルの煮付け を出してくれる。
すると、メバルをじーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと見つめる父。
と、、、どしたの(汗)??
と思ったら。
「煮付けてあるから、色がよーわからんけど、これ、赤メバル?黒メバル?」
さ、さすがお魚好き!
昔から 「ストレス発散には、釣りが一番!」 というくらい海釣りにハマっていた父親、
黒か赤か、そういうところまで気になっちゃうらしい。
「おなかの辺りがちょっと赤いから、やっぱり沖メバル(赤メバル)なんじゃない~?」などなど、
仲志満さんと3人だと、魚の話しでホントによく盛り上がる~~。それが楽しい♪
そんな魚好きな我々の最後のおつまみは マナガツオ の焼き物 。
付け合せの 山葵の茎 も美味しい!
お酒も最後にぴったり?!な 小笹屋 竹鶴 大和雄町H20BY
こういう色のお酒を見るといつも言う父親の
「まき子に教えてもらうまで、古酒なんて知らなかったもんな~。」 という、一連の言葉、
嬉しいのけど、んもう耳タコなくらい言ってるよ(笑)。
さてさて。
この日、父親に見せたかったものがある。
それは
iPad。
昔もきっと今も、最先端技術というのに興味があって、
たとえば携帯電話が出始めた頃なんかは
「いいから持ってみなさい。」 って中学生の娘に渡したりするくらいだったのに、
冒頭に書いた通り、今はパソコンは扱わないし、携帯電話のメールも全くやろうとしない父親。
ようるすに、還暦も越えると、文字が小さいのがもう“ダメーー!”なんだそう。
だったらiPadはオススメだよ~、と。
扱い方だって、こんな簡単なものはない。
「拡大したいときは、ぽんぽんって叩くか、ぎゅおーんってやればいいし、
次のページみたいときは、しゅっ!って。下に行きたいときも、しゅーーーーっとかね。」
って、説明の仕方もこんなん。
予想通り、やっぱり反応が今まで「パソコンやりなよ」と言っていた時よりも全然チガウ!
父の日にプレゼント・・・したいけど、今は売り切れてるからゴメンね~。
(って、なんてイイワケだ(汗))
とはいえ、こういうモノがお年寄りにまで普及したら、世の中どうなってしまうんでしょう~?!
良いのか悪いのか、今はまったくわからない。
でも、オモシロイよ。
日本料理 仲志満]
東京都大田区大森北1-11-11
03-3762-1765
18:00~23:00
定休日:日・祝
[以前の日記]
・2009/12/27 かきくん
・2009/8/23 体が自然に欲するもの
・2007/6/7 妹と父と
もーついつい自慢したくなっちゃって。
子供に戻ったみたいです~ははは♪
私の父は数年前に90歳で大往生しましたが、日本酒が大好きでした。パック入りのお酒を飲みながらバイクに乗ってましたね
。。
今思えば、もっと一緒にお酒を呑みたかったな~と思います。今ならもっと色んな話が出来そうで。。
政治の話、仕事の話、魚の話、いろいろ・・・
経験してきてこそワカル話がまた楽しくて。
でも、桜子さんのお父さまも、90までお元気だったんですね!
ご立派です。
私も父親と、こうして一緒に飲めるのは、後何回なんだろう・・・。
今の若者向けの。
俺にはまったく必要性がないもん。
興味もないけど・・・・・。
我が子から得ることは、すんなり自然と受け入れられるんだよね~。
だって、「自分のツボ」を知っているんだもん。
…だから、何だかんだ云っても「与えられたらきっと使う」愛のバッド。
若者向けにはオモチャかもしれないけど、
シニアには、けっこう画期的なものなんじゃないかな?!とか思ってます。
それに日本人みたいに「オモチャ」的に使っていたら、
きっと何の発展もないかも。
それこそ“ガラパゴス化する日本”。
日本の中でしか生きないからイイヨ、という人が多いのも日本。
ウチに篭って居心地がいいのは分かりますが・・
それでいいのか、ニッポン!?
と、何がいいのか悪いのか、それもまだ私にはわかりません。
最近、文化ということと世界のフラット化というものに、
なんだか板ばさみを感じる自分。。。
た、たしかに!
古酒もすんなり受け入れて、今や家の定番酒になってるし、
腰痛になった父親に朝晩の腹筋をすすめたら、
そこからさらに発展して今は朝30分は筋トレしてるとか。。。
んじゃ、これからは、iPadでチャットとかできる日もくるのかなぁ♪
遠く離れた親を持つのは、子どもの不安ですから。。
好きな店のタイプが似てそうだ!
しかもあんまりガツガツ食べないのまで・・・笑
めばるの煮付けが美味そうだなぁ。
貝の事・・・そうなんだ
ショックだ。
貝Loverな私としては困る。
南の貝は食べられないって言うのも初耳。