まき子の酒

日本酒が好き。純米酒が好き。そんな飲兵衛が「母親」になってしまいました。今はムスコを飲兵衛へと英才教育中?!

ムスコと2人旅で初訪問! @ 久保本家酒造(奈良)

2016-02-03 01:46:59 | 酒蔵巡り

加藤杜氏 からは

「子供さんには寒いでー。
 母ちゃんは一杯呑めばええけど、
 風邪ひかさんようにあったかくして来てやー」

というお言葉を事前にいただきまして、
いざ出発!

ん?モコモコすぎ?(笑)ま、いっか。


というわけで。

平日から、ムスコを連れて、日帰りで、
久保本家酒造 さんに行ってきましたー!!


きっかけは、
ほんの些細なFacebookのやり取りだったと思う。

一般的な蔵見学はやってないし、
蔵の中に入れるのは「蔵人として手伝うことが前提」と聞いてるので、
ムスコが居る今は難しい。

…と思っていたら、
「僕が行ってる時に来たら?
 蔵人に迷惑かけることなく、俺が蔵を案内するよー」

と、ホントの蔵人じゃないんだけど、
もうすっかり蔵人さんのように言ってくれたのが、
関東住まいの頃からずーっと大好きな蕎麦屋の
蕎麦切り さいとう さん 。

毎年、久保本家酒造さんの 生酛 の仕込み時に、
蔵人の一人として助っ人に入ってるのは知っていたけど…

まさか…マジで?!行っていいんすか?!
(もしかしたら最初はジョーダンのつもりで言ってたかもしれないけど、
 私はそこは実行する派(笑))


しかも、神戸からのアクセスを調べると、そんな遠くもない。
鈍行の電車で1時間半。
前に住んでた場所から、さいとうさんに行ってた”2時間”より近い(笑)。


宇陀の道の駅で待ち合わせをして、”感動の再会” をして、いざ!

さいとうさんとは
神戸に引っ越しが決まってから、挨拶代わりに伺った時以来?!

久しぶりに、まさかこんなとこで会えるなんて...
すっご~~~~~い嬉しい!!


「ちゃんとした表は後で案内するから、とりあえず裏からね~。
 ここ、小森谷(杜氏の奥さま)さんが落ちた川。
 マジで落ちるから気をつけてね~。」

などなど、
ほんっとにしょっぱなから蔵人のように案内してくださって、
まずは会所場(蔵人の休憩所)へ。

と! 小森谷さんもいらっしゃるではないですか(>_<)!
うわ~~~ん!小森谷さんに会えるなんて!嬉しさ倍増(涙)!


しかも、荷物とムスコを落ち着かせてると、
「まぁ、まずは、どーぞどーぞ」
と、蔵人のヒカリさんがおもむろに茶碗に注いでくれたのが。

生もとのどぶーーー!!!(↑お酒です(笑))
ま…まぢっすか!いいんすか!
しょっぱなの、このおもてなしに、鼻血出そうになりました。


そして、さいとうさんは
「おいで。ボクが本当のパパだよ」

↑ 嫌がってるように見えるけど(笑)、実は ”嬉しい” って顔。
この後、ずっと「パパ~」と言って、後を追っかけてました。
(あのね?本当のパパじゃないからね?(笑))



さてさて。

到着したタイミングは、ちょうど 手酛(てもと)の時間。
みんなでいそいそ支度して、階段を上って「酛すり場」へ。


ヒカリさんと小森谷さんがムスコを見てくれてたおかげで、
心置きなく、蔵の中を満喫できました♪



ちなみに、私は生酛の仕込み時の蔵訪問自体が初めてで、
手酛(てもと)という作業を見るのも、もちろん初めて!

さいとうさんもタッパのでかい方だけど、
それと比較しても、この一桶はデカイ!!

「手酛」とは、ザックザックと麹によって発酵の始まってるお米を混ぜる。

砂遊びが大好きなムスコが、手を出しやしないかヒヤヒヤしてたけど、
あまりにも素早い作業に見入って、手出しできなかった模様(笑)。

この作業が終わったら、しばし桶は休ませておく。

人間は、無駄な電気は切ってるけど、
桶の中ではプチプチと発酵が進んでるんでしょうね~♪

そんな場所で、ドタバタとハッスルして走り回る人間が、約1名。。。



で、この間に、さいとうさんが蔵見学を再開!

ここは 麹室 。結構広~い!

ちなみに、この日は、いい~~かほりのする出麹はありませんでした、残念。

酒母 の部屋にも入らせてもらえました。

なんだかやっぱり「酒の母」っていうだけあって、
ピン!と張り詰めたような、ちょっと緊張感のある空気感。

「これは仕込んでから3週間だから、半分くらいかな~。」と”蔵人”さいとうさん。

”半分” というのは、加藤杜氏は酒母は仕込んでから約40日間発酵させるんだそう。
これ、かなり長い方。

すこしもとを利かせてもらえました。


「後で、口ゆすいでくださいね!酸が強いから歯が溶けちゃうんで。」


「こっちの方が香りがキテルよ~~」と、さいとうさんが、オイデオイデ。

仕込んでからの日数はこっちの方が若いのに、香りがまた全然違って面白い!


この後は一階に降りて、仕込みタンクを見学。

この小さめのタンクは、ひっさびさに仕込んだ 純米大吟醸 だそう。


それにしても、クンクン香りを嗅いでも…大吟醸っぽくなーーーイ!!
加藤杜氏曰く「吟醸香がでたら失敗や」だそう(笑)。

とジョーダンで大袈裟に言ってるけど、
それは加藤杜氏の考え方が
”料理の味を邪魔しないお酒を造りたいから”。

小森谷さん曰く
「野球で例えるなら、料理がピッチャーで、
 キャッチャーであるお酒は、その味を受け止めておいしくする。
(親方の受け売りです(笑))」

たとえ、純米大吟醸であっても、その信念を貫く。
っていうのが、なかなか他の蔵には見られないところなのかな。


ちなみに、
仕込みタンクの大きさを見て思うのだけど、
写真からは伝わらないかもしれないけど すっごい 大きい

今まで、いろんな蔵を見学させてもらったけど、
その中でもかなり大きい方だと思う。

というのも、昔は「桶売り」と言ってお酒のOEMをしていたこともあり、
タンクだけは立派に大きかった・・・と。

今は桶売りなんてことはやってないけど、
でも使える設備は活用!ということで、
大きなタンクで半分くらいの ”もろみ” を仕込むことで、
泡消しとかの設備投資の必要がなく、
「この大きな風呂で思う存分、勝手に発酵するが良い!はっはっは~」
というワケらしい。(スンマセン、いい加減な説明で)


これは、仕込みタンクからお酒を搾る

美味しい酒粕はここから取れるワケです。
我が家でも、毎朝の味噌汁は粕入りで、やっぱ久保本家さんの粕は上手い!


さてさて。
「手酛」から3時間ほど経ったら、今度は・・・

待ってましたー!!
酛擦り(もとすり)!!

日帰りで帰れる時間のギリギリではあったけど、
”1番櫂”(最初の酛擦り)に間に合って良かったー!

だって!せっかく来たんだから、これは見ておかないと!

と言うくらい、楽しみにしてたのだ!


初めて見るこの作業・・・蔵人さんたちの動きが早くてブレる!!

シーンとひんやりした空気の中で、
3人が息を合わせて擦ってる動きとか、
ザッザッ!ってリズミカルに聞こえる音が…

何ていうんだろう、うっとりする、というか見とれちゃう。

けど!!
擦ってる蔵人さんにとっては、すっごい体力使うんだろうなぁ。。。

動画もちょびっと撮ってみました。


なんとかかっこいい写真が撮れないもんか?!
と思えど、接写すると、やっぱりブレる。



ちなみに、さいとうさん以外の5人が本当の蔵人さん。

みんな丸坊主です。女性の蔵人さんも丸坊主です。でもかっこいい・・・

しばらく「ザッザッ!」とやってると、
加藤杜氏の一声でストップ。

櫂(擦るための木の道具)を持ち上げて、
お米の擦り状態を確認して、再び「ザッザッ!」

この大きな桶が4つ。
3人で2桶ずつ酛擦りをやるわけだけど、ほんっと真剣。



作業を見てて、また気持ちが良かったのは、
こうやって、きちっと整えているところ。

ちなみに、この「酛擦り(もとすり)」は、
この後も夜通しで3回(~4回?)繰り返されるわけで、蔵人さんにとっては徹夜作業。
ほんっと体力勝負、すごいなぁ。。。


本当は一晩、泊まってお手伝いしていきたかったけど・・・
夜の宴会も参加したかったけど・・・
すっごい帰りたくなかったけど・・・

平日だし相方の晩御飯も作ってあげないと可哀想なので、
夕飯に間に合うように帰宅すべく、
泣く泣く、ここで、さようなら。


最後に、加藤杜氏に抱っこしてもらいました!

最初は照れくさそうにしてたけど、もうすっかり馴染んじゃって。
手伝いもしないで見学してただけなのに、、、
本当にありがとうございました!!

そして、”蔵人” として蔵案内してくれたさいとうさん、
偶然!この日は蔵に来ていて付き合ってくださった
小森谷さんとヒカリさんにも感謝です(>_<)!!

あと!
東京にいた時に飲み友達だった、ゆきちゃんに会えたことも(>_<)!


なんというか。。。

さいとうさんの、ひょんなジョーダンみたいな一言から
今回の久保本家酒造さんの訪問がトントンと進んだけど、
こうして会いたい人にいっぱい会えたことが何より嬉しい。


あぁ・・・もう今でも胸いっぱい。。。



というわけで。

今回は「真面目な蔵見学」ヴァージョン。
これだけじゃ、この日の楽しさを描ききれなかったので、
次は、さいとうさんメインの「おちゃらけ?蔵見学」ってことで(笑)、
続編ありです。


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8 コメント

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Unknown (ローリングウエスト)
2016-02-03 05:49:10
ほんと、仲のいい親子ですね~!3歳以前の記憶は大人になってなかなか残らないのでブログやフェイスブックに記録を残し、大きくなったら息子さんに見せてあげる日が楽しみですね。どんな楽しい会話が交わされるやら・・(笑)
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■ローリングウエストさん (まき子)
2016-02-03 08:37:13
え?”仲の良い”というのは私と息子でしょうか?!
仲がよいというより、
「母親が自分の趣味に息子を連れ回してるだけ」というか(笑)。

昔はアルバムをみて自分お幼い頃を見ていましたが、
今はこういう便利がツールがありますもんね。
ほんっと、大きくなったらどんな反応するんだろう?!
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まぁ、普通は入れないからね (三原の変人)
2016-02-03 08:49:03
牡蠣は行く日がわかってたから、その日に合わせたわけだ。
賄いができなくても齋藤さんならやってくれるかもって思い。
レバぺも一緒。
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吟醸香がでたら失敗や! (燗酒おやぢ)
2016-02-03 09:14:37
そんなこというの他におらんわ!(爆笑)
 
それと、「桶買い」は買う方の大手さん側の物言いだから、「桶売り」に直してくだされ♪
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■たくさん (まき子)
2016-02-03 09:31:29
一斗缶で来たので、みんなびっくりしてましたよ(笑)。
1番櫂が終わったら、蔵人さんが早速一個一個洗って鍋に入れてました。
酒蒸しにしたのかなぁ~。
美味しそうな匂いのする中帰ったので、レバペにはお目にかかれませんでした。。。

でも、そーなんですよね、普通は入れませんもんね。
来れただけてもありがたいです。
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■燗酒おやぢさま (まき子)
2016-02-03 09:33:48
ご指摘ありがとうございます!
早速修正しました~。

>そんなこというの他におらんわ!

純米大吟醸のタンクをクンクンしながら、
みんなで(小森谷さん、ヒカリさん、さいとうさん)同じこと言ってました(笑)。
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Unknown (庄助)
2016-02-04 07:03:00
若、人見知りせずに楽しそうです。奥方様は写っていないですがきっともっとお楽しそうなんでしょうね。(笑

神戸、二時間圏に大阪、京都、奈良、四国、中国、九州といいですね。
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■庄助さん (まき子)
2016-02-04 07:43:29
おそらく若よりも私の方が楽しかったはずなんですが、
子供みたいに「きゃっはー!」って言えないところが辛いです(笑)。

神戸はほんっとにあちこち近くて素敵です。
と言っても、よくよく考えたら、東京も2時間で行ける場所はいっぱいありますよね。
個人的にはもう行き尽くした感がありますが(笑)。

関西で本当に第3の人生が始まった感じです。
(第1=実家、第2=東京)
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