若き、家庭裁判所調査官、庵原かのんの奮闘(熱血ものではありません)
家裁が扱う「少年」の処罰は、成人に対するのとは違っている。
「将来ある彼らの可能性を信じて、問題の原因を探り、立ち直りの道筋をつける」ことが目的だ。
少年が事件を起こした場合の扱いは
、簡単に言うと事件が軽く、逃亡などの恐れがない場合「在宅事件」、事件の度合いが高いと「身柄事件」。
庵原かのんは、その在宅事件を担当している。
赴任地は北九州市。
そこで担当した少年たちの話で、
7編からなる短編集。
調査面接をしても、なかなか心を開いてくれない子。
知的能力の劣る子。
特性のある子。
親に問題も多い。
母親が愛人で、男にだらしなかったり、、、
親が、少年を捨てて出て行ったケースの「野良犬」は切なかった。
一期一会の繰り返しという言葉がでてくるように、かのんら調査官がかかわれる時間は少なく又支える家族にその力がなかったりする。
7編の少年達は誰も悪くない。
良いと思ってやっている事が他人には迷惑行為。それを理解させるのは難易度が高く、少年の生まれ持った能力の低さが可哀想だ。
それと反対に、ちゃんと支えれば「この子はぐんと伸びる」って子もいた。
どれも面白かった。
やはり外れなかった。乃南さんの本は本当に好きだ。
(いやミスも含め)