これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

ウクライナ戦争と小泉悠氏

2022-12-03 11:35:40 | 国際問題
【はじめに】
 「小泉悠氏がテレビに出演される」と番組表に出ると、私は見る事にしています。 理知的に/慎重にウクライナ戦争を分析して自分の考えを話されます。私はかなり小泉氏に洗脳されてしまいました。

 ウクライナ戦争で毎日沢山の方が傷ついたり/亡くなったりされています。戦争が長引けば長引くほど犠牲者が増えます。「NATO諸国は、早期に戦争が終わる様に、ウクライナに強力な武器を支援すべきだ!」と言うのが私の考えです。

 ロシア兵にも親兄弟や妻や子供がいます。ウクライナ軍が圧倒的に有利になれば、プーチン氏は核爆弾を使用する恐れが有りますが、幾ら何でも人口密度地域で爆発させる可能性は低いと思います。短期間で戦争が終われば、ロシア兵の死傷者も少なくなるでしょう!

【ウクライナ戦争の理想的終結】
 私が考えている「ウクライナ戦争の理想的な終結」は、ロシアに、この戦争で得をさせないで終戦条約を締結する事です。

① ロシア軍を2014年の侵攻以前の国境線の外側まで押し戻す。
② 出来るだけ早く、①の状態にする。

  長引けば長引くほど死傷者が増加します。ロシアは、ウクライナ国民の士気を低下させる事を目論んでインフラ、住居、工場などなどを破壊してしまいます。「民主主義国家は一致団結して、ウクライナが勝てる武器を支援し、ウクライナの国民がメゲ無い様に民需品を送る事も肝要だ!」と私は考えています。

【種々の主張と最悪のシナリオ】
 日本では言論の自由が保障されているので、ウクライナ戦争につても種々の主張がメディアに登場しています。

忘れてはならない事 : ウクライナは国連に加盟した独立国家です。ロシアの意に沿わない政策を取ったとしても、ロシアが軍事侵攻して良い分けが有りません。 国連軍を派遣してロシアをウクライナから追い出すべきですが、それは不可能です。民主主義国は団結して、国連の役割を果たすべきだと思います。

嫌な主張❶ : ウクライナ政府は、国民の命を守るためにロシアに妥協して早期に停戦又は終戦にすべきだ! (日本がロシアに侵略されて、貴方の妻子や親兄弟が虐殺されても、同じような事を言うのですか?)

嫌な主張❷ : 鈴木宗男氏は「ロシアを挑発したウクライナの方が悪い」、「(ウクライナが)自前で戦えないのなら潔く関係諸国に停戦の仲立ちをお願いするのが賢明な判断と思う」、「名誉ある撤退は”人の命を守る”上で、極めて大事なことである。また、物価高で世界中が悲鳴を上げていることを考えるべきだ」・・・などと発言しています。そして、森元総理は鈴木氏を擁護しています。

嫌な主張❸ : NATO(北大西洋条約機構)諸国はロシアと終戦交渉をして→→自分達が許容出来る条件をロシアがのんだら→→ウクライナを説得する→→ウクライナが応じなかったら→→強引に軍事支援を縮小するなどして→→ウクライナとロシア間で終戦条約に署名させるべきだ!

 ウクライナの一部をロシア軍が占拠した状態で『停戦』したら→→ロシアはセッセと武器を増産して→→十分な備蓄が出来たら→→再度ウクライナに侵攻すると予想します。従って、安易に停戦すべきでは有りません。 停戦後に日本を含む欧米諸国が、破壊されたウクライナのインフラを復旧しても、また破壊されてしまいます。

 現在の前線を新たな国境線にした終戦条約を締結せざるを得ない状況になったら→→ウクライナをNATOに加盟させるか、NATO軍をウクライナに駐留させるかして→→ロシア軍を抑え付ける必要が有ります。

【欧米諸国は何を恐れているのか?】
 プーチン氏は開戦当初から核兵器の使用を仄めかして来ました。更に、下記の❷~❺もウクライナが計画している様な話をしています。ロシアは自作自演劇を演じて、「こんな悪い事をウクライナがやった!」と主張する魂胆だと思います。

 バイデン大統領は、「プーチン氏の頭の中にある『レッドライン』を超えた支援をしたら、➊~❺を実行するのでは?」と恐れている様に見えます。『レッドライン』を確認出来ていないので、少しずつ軍事支援を強化して来ました。

 プーチン氏は、戦況が不利になって→→ロシア国内で反プーチン勢力が勢い付いて→→大統領の地位が脅かされそうになったら→→➊~❺の一つか二つを実行する恐れが有ると予想します。 「ウクライナで核爆弾を一発爆発させても、NATOは軍隊を派遣する可能性は低い」とプーチン氏は考えていると想像します。 然し、「核爆弾をキーウ等の人口密集地域で使用したり、2発以上爆発させたら→→NATOとの全面戦争になり→→第三次世界大戦になる」と認識していると思います。

 多くの軍事専門家が予想する様に、ロシアの兵器が不足してきているのなら、『部分動員で集めた兵士』を投入しても、戦況が改善せず→→ロシア兵が沢山戦死する→→反プーチン勢力が勢い付く→→プーチン氏が保身の為に→→➊~❺を実行する可能性が有ります。

 NATO諸国はプーチン氏の脅迫と妄動を恐れずに、強力な兵器を送って、出来るだけ早く戦争を終結させるべきだと考えています。

❶ 核兵器の使用
❷ 原子力発電所の破壊 :サポリージャ原発→→『死の灰』をヨーロッパ諸国に送る。
❸ 多量破壊兵器の使用 :生物兵器、化学兵器
❹ 汚い爆弾の使用 :放射性物質をまき散らす爆弾
❺ カホフカダムの破壊

【ロシアを民主主義国家に!】
 ウクライナが2014年の侵攻以前の国境線の外側までロシア軍を押し戻しても、プーチン政権が崩壊するとは限りません。プーチン氏が対陣しても、大方の方が予想されている様に、覇権主義の考え方を持った新たな指導者が登場すると私も思います。日本を含む欧米諸国の国民の多くは、「覇権主義(植民地主義)」から卒業出来ていますが、残念ながら多くのロシア国民はそうでは有りません。

 日本を含む欧米諸国が経済制裁を続けたら→→ロシアの工業はジリ貧になって→→ロシア経済は停滞し→→ロシア国民が覇権主義思想を『悪』だと考える様になって→→何時かきっと民主主義的な指導者が登場すると思います。 「日本は敗戦で民主憲法を押し付けられ、数十年掛けて民主主義国家になれた」と私は考えています。 ロシアが民主主義国家に変わる為には、数十年の歳月が必要だと予測します。

 日本を含む欧米諸国は、ロシアの地下資源を当てに出来なくなりました。 経済制裁を長期間に亘って続ける為には、各国政府は痛みを覚悟して対策を講じる必要が有ります。ロシアが民主主義国家に変わるまで、経済制裁を続けるべきです!

 ロシアは国連の常任理事国です。その権利を剥奪する事は、現在の世界情勢では難しそうです。数十年後にロシアが民主主義国家になったら→→→覇権主義/非人権主義の常任理事国は中国だけになりますから→→中国一国が身勝手に振る舞う事が出来なくなり→→国連は正常に機能する様になり→→世界は平和になるでしょう!・・・これが私の夢です。

【小泉悠氏の提案】
 小泉氏が、「➊使い捨てカイロ、❷ディーゼル発電機、➌加熱式弁当などをウクライナに支給すべきだ!」と言っていました。私は大賛成です。他にドンナ物が喜ばれるか?考えて見ました。 在日ウクライナ大使館にサンプルを持ち込んで、意見を聞いて見るべきだと思います。

 腰の重い岸田氏に話を持ち込んでも、埒が明かないと思うので、何方か新しいNGOを立ち上げてインターネットで寄付を募って頂けませんか?私は少しですが寄付します。

 ロシアが無慈悲にインフラを破壊しています。ウクライナの国民と兵士は暗くて寒い冬に耐えなければならなくなっています。兵器が送れない日本は、少しでも暖かくなれる民需品を送りましょう!

(注記) 確か新神戸駅で加熱式のステーキ弁当を売っていました。1,500円程でした。新神戸駅に行かれたら、試しに買って見て下さい。美味しかったです!

(注記) ウクライナを支援する団体は、NHKのホームページ『ウクライナへの寄付先一覧 国連機関やNGOなどの連絡先は?』に列記されています。 然し、以下に書いた様な物を送る団体は見当たりません。

(注記) ウクライナでは『220V✕50Hz』が一般的だそうですから、日本の家庭用電器製品は使えません。

❶ 使い捨てカイロ :ウクライナでは、殆ど生産されていない様です。
❷ ディーゼル発電機 :220V✕50Hz ・・・日本でも市販されています。
❸ 加熱式弁当 :生石灰と水の化学反応で発熱する。
④ カップヌードル、クラフトチーズ
⑤ 缶詰、瓶詰 :コンビーフ、ジャム
⑥ 卓上カセット・ガスコンロ
⑦ 医薬品 :救急絆創膏、サージカルテープ
⑧ 都市ガス用ストーブ

日本の活性化❸ー2 :直面している政治/経済問題

2022-06-11 10:30:25 | 国際問題
【はじめに】
 日本が直面している政治/経済問題を思いつくままに書いて見ました。岸田首相は国会議員・44名の宏池会(こうちかい)に所属しています。自民党内に盤石の勢力が有るとは言えませんから、全ての問題に取り組むのでは無く、重点志向で出来る事から着手すべきです。 (宏池会に所属していた吉川赳衆議院議員が昨日離党しました。)

【検討使】
 誰が言い出したのか?岸田首相のことを『ケントウシ(検討使)』と揶揄しました。”言い得て妙”です。 今年の流行語大賞が貰えそうです。

 今後も「○○問題は検討します!」を連発していたら、官僚達は「○○問題は放置しておけ」と仰ったのだと判断するでしょう! 「検討します!」は真正面の議論を避ける、卑劣で腹黒い政治家が使う言葉です。本当に検討する時は「真摯に検討します」と言って、区別して欲しいものです!

【日本の立ち位置❶ :対ロシア】
 日本にとって頭の痛い米中貿易戦争に加え、ウクライナ戦争が勃発しました。少しずつ欧米諸国寄りの行動をしていたら、何時の間にか日本はロシアの敵国の一つになっていました。

 昨年までは、ロシアは「北方四島の返還については、話し合いで解決しましょう!」と言う素振りをして、日本から投資を引き出そうとして来ました。安倍晋三氏と鈴木宗男氏は、返還に努力して来ましたが、ロシアが一度手に入れた領土を易々と返す分けが有りません。ロシアは500年前から覇権主義の国で、一度食いついたら離さない『鼈(すっぽん)』の様な国です。

 ロシアが民主主義国に変わらない限り、今後は日本を敵国として扱うと思います。戦闘機や爆撃機による領空侵犯や、日本の近海で海軍が”これみよがし”の行動を起こすと予想されます。日本はロシアを仮想敵国として明確なメッセージを送る必要が有ります。

 当面の問題は次の2点です。サハリン2プロジェクトからイギリスのシェル社は撤退したい様ですが、中国が後釜を狙っているので、日本は撤退すべきでは有りません。 日ロ漁業交渉については、ロシアは種々口実を作って高飛車に出てくると予想します。政府は対応を検討しておく必要が有ります。

《問題❶ :サハリン2プロジェクト》 サハリン島(樺太島)で石油と天然ガスを採掘している事業が『サハリン2プロジェクト』です。 他にアメリカのエクソン社や日本の丸紅が参加する『サハリン1プロジェクト』が有ります。

★ 出資企業 :三井物産(12.5%)、三菱商事(10%)、シェル(27.5%)、ガスプロム(50%)
★ 石油 :15万バレル/日
★ 天然ガス :960万トン/年・・・60%は日本が輸入している。

《問題❷ :日ロ漁業交渉》 ロシアが不法占拠している北方四島周辺で日本が漁業を行う為に、毎年・ロシアと交渉して、お金を渡して許可を得ています。(下記の様に漁獲物毎に交渉しています。)

★ サケ・マス交渉      :政府間交渉と民間交渉
★ 日ロ地先沖合漁業交渉 :政府間交渉 ;サバ、マイワシ、イトヒキダラ、サンマ、スルメイカ、マダラ
★ 北方四島安全操業交渉 :政府間交渉 ;スケトウダラ、ホッケ、タコ
★ 貝殻島での昆布交渉   :民間交渉

【日本の立ち位置❷ :対中国】
 中国は国産化率を高める為の取り組み(中国製造2025)を進めています。特に半導体等の先端技術の開発に人材と金を集中的に投入しています。職人芸が必要な分野(例えば金型の製造)でも、日本企業が中国で製造するのは難しくなり、「買うのなら売ってやる」の状況になると私は予想しています。

 中国が台湾に侵攻したら、ウクライナ戦争とは比較にならない程、世界経済がガタガタになると予想します。 然し、足元の問題は『中国製造2025』の進捗状況です。中国製造2025が計画通りに進んだら、進出している企業の多くは締め出され、日本から輸出する物が無くなってしまいそうです。 中国は国際分業して、貿易摩擦を避ける考え方は持っていないと見るべきです。

 日本政府に要求されるのは、(情報を収集して)締め出される可能性の有る企業を指導/支援して早急に中国から脱出させる事だと思います。 中国政府は賢いので、国産化の目途が付いた分野から、少しずつ追い出しに掛かると予想します。

《千人計画》 中国は『千人計画(海外ハイレベル人材招致計画)』で、外国の優秀な人材を集めています。昔は、優秀な若者を主としてアメリカに留学させて育てました。有名なボス研究者を、その部下と一緒に中国に招聘して、(中国人と一緒に?)研究を続けさせています。 日本は目先の事を考えて、大学予算や研究開発予算を絞って来ましたが、中国は真逆の政策を進めているのです。「優秀な人材が流出しても良い」と皆さんは思われますか?

【日本の立ち位置❸ :対北朝鮮】
 近年、北朝鮮は急激に核爆弾の保有数を増やし、2021年時点で40~50発も持っているだろうと言われています。一発の威力は、広島や長崎に投下された物の数倍は有る様です。更に、弾頭数を増やそうとしています。

 日本と韓国を射程距離にした、核爆弾を搭載出来るミサイルは既に開発済みです。 金正恩氏が核攻撃を命令したら、日本と韓国は殆ど壊滅してしまいます。 日本と韓国に核ミサイルが打ち込まれたら、貴方も・私も・可愛い孫達も、即死するか、焼焦げるかしてしまいます。 北朝鮮が一斉に核ミサイルを発射したら、迎撃出来る確率は極めて低いと考えるべきです。

  文在寅・前大統領は、北朝鮮の核の脅威を「”どうしようもない”事だから、考えないでおこう!」と放置しました。 日本は最近になってヤット、「北朝鮮が核ミサイルを発射する兆候を見せたら、北朝鮮を先制攻撃すべきだ」、「北朝鮮を攻撃できる兵器を持つべきだ」と言う議論を始めました。

 日米韓が協力して経済制裁を続行して、国民の多くが餓死する状況になっても、金正恩氏は核ミサイルの開発を続けるでしょう! ここまで開発が進んだら、北朝鮮が核を放棄する事は考えられません。アメリカは数年後に北朝鮮を核保有国として認める恐れが有ります。

 ストレスが溜まって金正恩氏が精神異常になったら、核攻撃のボタンを押す恐れが有ります。日本と韓国は、金正恩氏の健康を日々祈願して生きる必要が有るのです。拉致問題の話を北朝鮮にするのは、”以ての外”です。

【課題 :円安】
 ずっと安定していた『円』は、2021年に入って円安の方向に進みました。特に、22年になって急激に円安になりました。(近年の月間平均レートを下に示しています。)

 国内で価格変動が無かったと仮定すると、19年1月に100円で輸入出来ていた物が、22年4月には116円になっていたのです。逆に、19年1月に1ドルで輸出していた物は、22年4月には0.863ドルで輸出出来ますから、価格競争力が増した事になります。円安になると輸出割合の高い大企業は売り上げが増加して、儲かる事になります。

 世界の燃料や穀物の価格は円安が始まるまえから上昇していたので、円安で輸入価格は更に高くなりました。

・・・ 月間平均レート ・・・
★ 22年6月10日 :1$≒133.9円(123.0%)
★ 22年4月 :1$≒126.2円(86.3%)
★ 22年3月 :1$≒118.6円(91.8%)
★ 22年2月 :1$≒115.2円(94.5%)
★ 22年1月 :1$≒114.9円(94.8%)
★ 21年7月 :1$≒110.1円(98.9%)
★ 21年1月 :1$≒103.7円(105.0%)
★ 20年1月 :1$≒109.3円(99.6%)
★ 19年1月 :1$≒108.9円(100%)
出典 :6月10日以外は、世界経済のネタ帳『USドル/円の為替レートの推移』

【課題 :デフレ→→スタグフレーション】
 日本はデフレが克服出来ていないのに、穀物や燃料の国際価格が高騰していました。追い打ちを掛ける様にウクライナ戦争が始まって、資源輸入価格がさらに上昇して来ました。今までは、企業努力で生活必需品の価格は抑えられて来ましたが、限界になって一部の商品は値上がりしています。

 生産性が上がった分けでは無いので、労働者の賃金は生活物価の上昇に追いつかない恐れが有ります。年金の支給額は、昔は『物価スライド制』でしたが、現在は①物価の変動、②賃金の変化、両方を加味して決める事になっています。従って、スーパーが値上げしても年金は少ししか増えません。(こんな状態を『スタグフレーション』と呼びます。)

 コロナが収まって来たので、これからは政府と日銀が協力して十分な景気対策をしてくれると期待しています。然し、補正予算が”たったの2.7兆円”だったので、政府の本気度が疑わしいです! (景気対策についての持論を近日中に書きます。)

❶ 失業率(2.5%)/有効求人倍率(1.23倍)・・・2022年4月
❷ 家庭負債率≒67.4%・・・対GDP比・・・2021年12月
❸ インフレ率≒1%・・・IMF・・・2021年12月 (アメリカ≒7.7%)
❹ 政策金利=ー0.1%
❺ 外貨準備高≒166兆7970億円・・・2022年4月(世界第2位)

【課題 :ウクライナ戦争】
 ウクライナ戦争で私は目覚めました。 私が現役で働いていた頃は、社内と飲む会で政治の話をするのはタブーになっていました。選挙年齢が18歳に引き下げられましたが、政治の話をタブーにしていたら、若い人達が政治に興味を持つはずが有りません。 若者達よ!ウクライナ戦争をテーマにして議論を始めましょう!

❶ 「核兵器を使用するぞ!」と恫喝するのは、北朝鮮だけだと考えていましたが、国連の常任理事国のロシアが「核兵器の使用を仄めかした」ので啞然としてしまいました。 日本は核の脅威に対して真面目に考える必要が有ります。 共産党などの左派が従来から主張している『座して死を待つ』で良いのか?

❷ 日本人は”平和ボケ”から覚醒する必要が有ります。 どの国も”自国の国益最優先で行動”します。日本国憲法の前文に、「全ての国が平和を愛し、公正で信義を重んじる」と記載しています。人類の歴史の中で、そんな国が存在したでしょうか?

❸ ロシアには曲がりなりにも選挙が有ります。何故?ロシア国民の多くがプーチン氏に投票するのか? ロシア国民は今でも覇権主義を支持し、人道主義や民主主義思想に興味が無い為だと思います。 そういう国は、世界には他にまだ沢山有りそうです。それらの国と、ドウ付き合って行くべき何でしょうか?

❹ 安全保障の概念が拡大しました。 武力攻撃から国民を守るのが狭い意味の安全保障だったと思いますが、コロナが流行し始めた頃、マスクが国産していなかった為に入手出来なくなって大騒ぎしました。ウクライナ戦争が始まって、石油、天然ガス、穀物、金属などの国際価格が上昇して/入手が難しくなっています。 5月11日に『経済安全保障推進法』が成立しました。(まだ読んでいないので、論評はしません。) 私が気にしているのは、薬の多くが国内で製造されていない事です。

❺ 軍事技術と民生技術の区別が出来ない時代になっています。ウクライナでロシア軍が冷蔵庫等を略奪している様です。使用されている半導体を取り出して兵器に使用している様です。

 イーロン・マスク氏が、民生技術として開発した『スターリンク衛星通信の地上端末機』を短時間で多量にウクライナに提供しました。 スターリンクの情報でウクライナ軍は、圧倒的な火力を有するロシア軍に対抗してこれたのだと思います。

 日本学術会議は、大学や研究機関が軍事技術の研究/開発する事に反対して来ました。 鋼の開発の歴史を思い出して頂きたい! 銅合金で作っていた槍や刀よりも切れ味の良い『鉄』が開発され→→錆びにくく、より切れ味の良い『ダマスカス剣』の研究から→→ステンレス鋼が開発されました。 逆に現在は、民生技術が軍事に転用されるケースが増加しています。 日本学術会議の老人達よ!覚醒して下さい!

《日本の覚悟》
 ロシアはウクライナの住宅、学校、駅舎、病院などを多数破壊しています。戦争がどういう形で終わるか現時点では分かりませんが、ウクライナが独立国家として生き残ることが出来たら、日本を含む欧米諸国はウクライナの復旧に経済支援をする義務が有ると私は考えます。日本は武器の支援が出来ませんから、「兆円単位の経済支援が要求される」と覚悟しておくべきです。

日本の活性化❸ー1 :直面している政治/経済問題

2022-05-28 09:32:17 | 国際問題
【はじめに】
 最近、コロナ患者(?)が急拡大した北朝鮮で、金正恩氏が「建国以来の大動乱」と言いました。 私は、日本の政治/経済も『大動乱の状態』になっていると思います。

 日本の政治/経済の問題を列挙してみます。 解決には多額の『金』が必要な大きな問題がゴロゴロ転がっています。首相の周りに(官僚では無い)若手の優秀な人材を集めない限り、問題は解決しないと思います。

【岸田首相】
 岸田氏は、首相に就任する一ヶ月前(2021年9月)に一衆議院議員として『新しい日本型資本主義 ~新自由主義から転換』と題する文章を発表しました。(インターネットで検索してみて下さい。) 昨年末に顕在化していた問題点に対するザックとした考え方を表明しています。

 その後、ウクライナ戦争が勃発して問題が多数発生し、各問題が錯綜して複雑怪奇の状態になってしまいました。各問題の解決には兆円単位の金が必要です。 日本は戦時体制が必要な状況になってしまいました。

 岸田首相は5月5日にロンドンで「インベスト イン キシダ(Invest in Kishida)」と発言しました。「僕を信頼して日本に投資して下さい」と言いたかったのだと思います。自信過剰です! やる事をやってから言って下さい!

 麻生太郎氏は『緊縮財政』を、安倍晋三氏は『積極財政』を主張しています。政権運営の為には両派を立てる必要が有るのでしょうが、『大動乱の状態』を乗り切るためには、『積極財政』が不可欠だと考えます。国家と民間企業が一体となって、日本を再生する必要が有ります。

 来日したバイデン大統領と、日本が国連の常任理事国になる件について話し合った様です。私の持論は、「常任理事国の拒否権を廃止すべき!」です。常任理事国が拒否権を持たなかったら、国連は正常に機能すると思います。

・・・ 岸田政権の実績 ・・・
★ こども家庭庁の創設 :準備中で、2023年4月発足予定
★ 経済安全保障推進法 :5月成立 

【課題❶ :従来からの問題】
 最近、あまりマスコミが取り上げませんが、安倍政権時代から放置されてる問題が多数有ります。

★ マイナンバーカードの普及
★ 女性活躍社会
★ 少子化問題
★ 高齢者の増加→→福祉関連費の増加
★ 大和堆での違法操業問題
★ 皇室の継承問題

【課題❷ :ウイズコロナ】
 新型コロナは変化して感染力は高くなりましたが、重症化の恐れは低下しました。インフルエンザとほぼ同程度の疾患として、私たちは新型コロナと付き合える状況になったと思います。 経済活動に関する規制を全面的に撤廃して、経済活動を2019年の状態に早急に戻しましょう!

【課題❸ :米中貿易戦争】
 2016年頃から問題になり始めた米中貿易不均衡問題は、アメリカの考え方がドンドン・エスカレーションして現在は『米中貿易戦争』と呼ばれる状況になっています。(現在は貿易不均衡が問題では無く、中国の経済発展を阻止する事が目的の様に見えます。)

 2016年以降のアメリカの経常収支の推移を下に整理しました。赤字額が年々増加しています。ドルが世界の基軸通貨で無かったら、アメリカは破産国と呼ばれても可笑しく無い状況です。

① クワッド(日米豪印戦略対話:Quadrilateral Security Dialogue) :対中国政策の一環として、日米豪印の四カ国が参加する「外交・安全保障の協力体制」です。
② インド太平洋経済枠組み(IPEF) :13ヵ国が参加して経済発展に取り組む組織です。

(補足説明) クワッドとIPEFは、インドを中国に近づけ無いための協力体制です。インドは、非常に特殊な国です。 中国とパキスタンと国境問題を抱えています。ロシアは、(互いの通貨を使用する事を認めて)インドに多量の兵器を売って来ました。インドとロシアは親密な関係に有ると見るべきです。従って、クワッドとIPEFの会合で、ロシアを批判すると、インドが脱退する恐れが有ります。

 インドは、昔から欧米諸国の言いなりにはならない、独自の外交をして来ました。安倍政権の時は、インドの考え方/主張を理解した外交を進めて来ました。今回、クワッドとIPEFが出来たのは、「安倍氏の粘り強い努力の成果だったのでは?!」と私は見ています。

 インドは、昔から科学技術の大学教育に力を入れて来ました。優秀な学者や技術者を沢山輩出して来ましたが、(インド国内に製造企業が育っていない為)その多くは欧米諸国で活躍しています。(1972年・技術提携していたノールウェーの企業に優秀なインド人がいました。)

・・・ アメリカの経常収支の推移 ・・・
★ 22年≒―8,780億ドル  (中国≒2,130億ドル、日本≒1,170億ドル)・・・IMFの予想値
★ 21年≒―8,070億ドル (中国≒3,170億ドル、日本≒1,420億ドル)
★ 20年≒―6,160億ドル (中国≒2,490億ドル、日本≒1,490億ドル)
★ 19年≒―4,720億ドル (中国≒1,030億ドル、日本≒1,760億ドル)
★ 18年≒―4,380億ドル (中国≒ 240億ドル、日本≒1,780億ドル)
★ 17年≒―3,620億ドル (中国≒1,890億ドル、日本≒2,040億ドル)
★ 16年≒―3,980億ドル (中国≒1,910億ドル、日本≒1,980億ドル)
★ 15年≒―4,090億ドル (中国≒2,930億ドル、日本≒1,360億ドル)
出典 :世界経済のネタ帳「アメリカの経常収支の推移」

【課題❹ :原子力発電所】
 アメリカを除いた先進諸国では、「原油と天然ガスの価格高騰と入手が難しくなった」と言う難題に直面しています。差し当たっての問題は、電力不足が懸念されることです。 昨日(5月27日)政府は、「今年の冬季、大企業に罰則付きの『電気使用制限』を発令する事を検討する」と発表しました。

 日本には定期検査中で休止している原子力発電所が多数有ります。安全性審査を早急に進めて、再稼働させるべきです。

エレクトリカル・ジャパン(国立情報学研究所・北本朝展教授) :「リアルタイム電力使用状況」をインターネット上に無料で公開しています。各電力会社毎に、電力使用量と供給能力が表示されています。 「供給能力に休止中の原子力発電所の定格出力が含まれていない」と仮定して考えてみました。

 私が住んでいる関西電力の今日の発電能力は「14,840MW=1,484万kW」です。関西電力の休止中の原子力発電所の定格出力の合計は「452.8万kW」です。 1,484万kW+452.8万kW=1,936.8万kW 休止中の原子力発電所の一部を再稼働させたら冬季の需要を賄えると思います。

運転中の原子力発電所 :関西・大飯3号=118万kW、高浜4号=87万kW、四国・伊方3号=89万kW、九州・川内1号=89万kW  ・・・(出典=原子力規制委員会の2022年5月27日の資料)

・・・ 現在定期検査中の原子力発電所 ・・・
★ 北海道 :泊1号=57.9万kW、2号=57.9万kW、3号=91.2万kW
★ 東北  :東通1号=110万kW、女川2号=82.5万kW、女川3号=82.5万kW
★ 東京  :柏崎1号=110万kW、2号=110万kW、3号=110万kW、4号=110万kW、5号=110万kW、6号=135.6万kW、7号=135.6万kW
★ 日本原子力 :東海第二=110万kW、敦賀2号=116万kW
★ 中部  :浜岡3号=110万kW、4号=113.7万kW、5号=138万kW
★ 北陸  :志賀1号=54万kW、2号=135.8万kW
★ 関西  :美浜3号=82.6万kW、大飯4号=118万kW、高浜1号=82.6万kW、高浜2号=82.6万kW、高浜3号=87万kW
★ 中国  :島根2号=82万kW
★ 九州  :玄海3号=118万kW、4号=118万kW、川内2号=89万kW

【課題❺ :2024年の物流問題】
 『働き方改革』の一環として、2024年4月以降、自動車のドライバーの年間残業時間を960時間以内にする事が義務化されます。 遠距離トラックの運転手一人が一日に運転出来る距離が、250km程になる様です。

 ドライバー不足、輸送費のアップ、・・・等々の問題が発生しそうです。 「最大で10兆円を超える経済損失が発生する」と言う予想が有ります。

(余談 :ドライバーの給与) 私が管理している賃貸マンションに70歳過ぎの女性が一人で住んでいます。国民年金しかなく、(7万円ほどの)家賃は遠距離トラックの運転手をしている(妻と子供がいる)息子さんが支払っている様です。去年(21年)は遠距離トラックの仕事が減ったので、家賃は遅れ気味でした。「24年には家賃が払えなくなるのでは?」と心配しています。

 息子さんは月に一、二度、レジ袋に土産を入れて様子を見に来ます。「感心な息子さんですね」と言ったら、「苦労して育てたんだから、当り前よ!」と言いました。

【課題❻ :燃料の高騰】
 原油価格は2020年4月に底値を打って、その後は急激に高騰しています。 一方、ロシアは原油(石油)の世界第2位、天然ガスの第1位の輸出国です。日本を含む欧米諸国はロシアからの輸入を制限しようとしています。 一方、中国とインドは、最近・ロシアから原油を多量に輸入しています。「ロシアのウクライナへの侵攻を支援する行為のため、許し難い」と私は思います。

 西欧諸国は、ロシア以外の産油国からの輸入を拡大する必要が有りますから、当分の間・燃料価格は更に上昇すると予想されます。

★ WTI原油価格の推移 :2020年4月≒16.5$/バレル→→21年4月≒61.7$/バレル→→22年3月≒108.5$/バレル  2020年4月の原油価格は、コロナの影響などで、投げ売り状態だった(異常に低かった)ので参考にするには問題が有ります。

(豆知識 :WTI) WTIは「ウェスト・テキサス・インターミディエイト」の略称です。テキサス州とメキシコの一部で産出される原油のことです。硫黄分が少ないので、ガソリンや石油製品の製造に適しています。産出量は非常に少ない(世界で産出される原油の1%~2%しか無い)のですが、産出量の100倍も取引される不思議な原油です。

 若い人達は知らないと思いますが、1990年代から黒豚の価格が高騰し、店頭で販売される量が生産量の2倍以上にも達しました。要するに白豚を黒豚と誤魔化したのです。WTIの場合は、他の油田の原油をブレンドなどして、硫黄含有量をWTIと同等に調節したら、WTIと認められます。

(豆知識 :バレル) 1石油バレル(barrel)≒159リットル。 バレルは樽のことです。 アメリカとイギリスでは、ビールやウイスキーなどで『液バレルと』言う単位を使いますが、石油バレルとは大幅に異なります。

【課題❼ :穀物の高騰】
 世界の穀物価格は2020年以来、急激に上昇しています。もはや、企業努力で吸収できる状況では有りません。パン、麺類や菓子類の値上げが避けられいと予想します。

 家畜の飼料も高騰しますから、牛肉、豚肉、鶏肉が値上がりするでしょう!玉子も同様かも知れません。

 ロシアとウクライナは穀物輸出国です。 米国農務省が3月に公表したデータによると、ロシアとウクライナが20/21年度に輸出した量は、(世界全体の)小麦≒30%、トウモロコシ≒20%でした。日本は両国から穀物は殆ど輸入していませんが、戦争が長期化して両国からの輸出が減少すれば、世界の穀物価格は更に高騰して、日本の輸入価格も高騰すると思われます。

★ 小麦価格の推移 :2020年4月≒219$/トン(100%)→→21年4月≒281$/トン(128%)→→22年4月≒495$/トン(227%)

★ トウモロコシ価格の推移 :2020年4月≒147$/トン(100%)→→21年4月≒281$/トン(191%)→→22年4月≒348$/トン(237%)

出典 :世界経済のネタ帳『穀物価格の推移』

ウクライナの問題と橋下徹氏の主張

2022-03-19 09:25:44 | 国際問題
【はじめに】
 私はウクライナ問題について、2月26日に『ウクライナへの侵攻』、3月12日に『ロシアを常任理事国から外しましょう!』、2回投稿しました。

 外国で日本の有名人(橋下徹氏)が、「人命が最優先だから、ウクライナはロシアに妥協して戦闘を停止すべきである!」と言う様な発言をしたと報道していました。 私は橋下氏の主張に違和感を感じたので、どこが私の考えと違うのか?ジックリ考えて見ました。

【ウクライナの基本データ】
 大昔のウクライナは現在よりも広い地域を支配していましたが、西側がポーランドに編入され、現在のウクライナは昔・ロシア帝国の一部になりました。ロシア革命後に1917年~20年・短期間独立国家でした。 その後、ソビエト連邦に吸収され、ソビエト連邦が崩壊した91年に独立しました。

 ソビエト連邦時代には農業が盛んで、工業地帯でもあり、ソビエトにとっては重要な地域だったと思います。

① 1917年 :独立→→ウクライナ人民共和国
② 1920年 :人民共和国政府が亡命して→→ソビエト連邦に併合された。
③ 1991年 :ソビエト連邦が崩壊→→ウクライナが独立

★ 人口 :4,373万人 (ロシア人≒17.3%)
★ 面積 :60.4万km2・・・日本の1.6倍
★ 一人当たりのGDP(MER)(2020年) :3,741USドル・・・日本≒40,089USドル
★ 一人当たりのGDP(PPP)(2020年) :13,128USドル・・・日本≒42,212USドル
★ 国境を接する国:ロシア、ベラルーシ、ポーランド(NATO)、スロバキア、ハンガリー(NATO)、ルーマニア(NATO)、モルドバ

【プーチン氏の要求】
 現時点で、プーチン氏がウクライナに要求している内容は以下の❶~➍の4点です。

 私は、4項目全てを認め無かったらプーチン氏は侵攻を終了させない腹積だと想像します。 4項目全てを認めても、ゼレンスキー政権の存続は認めない→→傀儡政権を樹立すると見ています。 そして、民主的な選挙による国会議員の選出も認めないでしょう! これは、ウクライナの植民地化です。

 更に要求をエスカレートさせて、ウクライナ全体をロシアが併合する恐れも有ります。

・・・ プーチン氏の要求 ・・・
❶ ウクライナの非武装化
❷ 北大西洋条約機構(NATO)に参加しては駄目だ!
❸ クリミア半島の併合を認めろ!
❹ ウクライナの東部の2州を独立国家として認めろ!

【堀江貴文氏】
 2011年に堀江貴文氏が、「戦争するくらいなら、尖閣をあげちゃえば!」と発言して、バッシングされました。 尖閣諸島は現在無人になっており、堀江氏の考えに賛同された方がいたのでは?と思います。 然し、中国は「かって朝貢していた国は、中国の領土だ!」と主張しているので、尖閣を簡単に渡したら、「沖縄をよこせ!」と要求してくる恐れが有ります。

 プーチン氏は「4,373万人も住んでいる国全体をよこせ!」と主張しているのです。 堀江氏は多分、中国が日本全体を要求したら「戦争するくらいなら、あげちゃえば!」とは言わないと思います。

【橋下徹氏の主張に対する反論】
 橋下徹氏は、「人命が大切だから、ロシアと交渉して、妥協点を見付けて、ウクライナ人は停戦すべきである!」と連日のように主張しています。見方によっては、「今回の問題はウクライナ側に責任が有る」と主張されている様に思えます。 私は、プーチン氏のエゴで起こした戦争だから、橋下氏はプーチン氏に対して、「人命が大切だから、ウクライナと交渉して、妥協点を見付けて、停戦すべきである!」と言うべきだと思います。

 橋下氏を支持する方は多いい様なので、「ウクライナに関する発言にも賛同されているのでは?」と想像します。 然し、橋下氏は前述のプーチン氏の不埒千万な要求については言及されません。橋下氏の主張は、プーチン氏の要求が常識的な内容で有る時のみ受け入れる事が出来ます。

 前述の❸と❹の要求だけならウクライナは呑めるかも知れません。然し、莫大な戦費を使って、それだけしか成果が得られ無かった時、プーチン政権が存続出来ると思われますか?

 ソビエトのアフガニスタン侵攻の時の様に戦争が膠着状態になったら、❸と➍の要求だけでプーチン氏が矛を収める可能性が有ります。 然し、そんな状況になりそうになったらプーチン氏は化学兵器や生物兵器を使用して、ウクライナ人の多量虐殺を行う恐れが有ります。 数十万人の市民が虐殺されたら、NATO諸国は軍事行動に出ざるを得ないと予想します。→→第三次世界大戦になる恐れが有ります。

 プーチン氏が核兵器の使用を仄めかせているのは、NATO諸国の軍事介入を防ぐ為の牽制球だと思われますが、膠着状態が続いたらキエフ等に小型の核爆弾を打ち込む可能性が有ります。→→NATOが軍事行動を起こして、→→第三次世界大戦に突入するかも知れません。

 ❷のNATOに参加しないと言う要求については、ウクライナが今・約束しても、ウクライナが軍隊を持った民主主義国家のままだったら、「永遠にウクライナが約束を守る」とプーチン氏は考えないでしょう。 ❷は❶とセットの要求なんだと思います。

 ❶の武装解除の要求は、「ウクライナが軍隊を解散したら、ロシア軍を撤退させる」と言っているのでは無いと思われます。 武装解除したゼレンスキー政権を存続させて、ウクライナが民主主義国家のままで、外交権を維持したら、将来・ロシアの覇権主義に異を唱える可能性が有ります。

 要するに、❶の「武装解除をしろ!」と言う要求は「ウクライナにロシアの傀儡政権を樹立する」と主張しているのです。 「無条件降伏しろ!」と言っているのと同じです。

【橋下氏の別の主張】
 橋下氏は、NATOがウクライナに「NATOに参加しませんか!」と誘った事が、事の始まりだから、「NATOはプーチン氏に譲歩して戦闘を終わらせるべきである!」と言う様な主張をされています。

 A家に息子(AA君)がいて、B家に眉目秀麗なお嬢さん(BBさん)がいて、BBさんに片思いしているストーカーのCC君がいたとします。AA君がBBさんにプロポーズしました。 それを聞いたCC君が自動小銃を持ってB家に乗り込み「俺の言う事を聞け!」と脅しています。

 第三者のH氏が割り込んできてA家の主人(A氏)に、「お前の息子がBBさんにプロポーズなんかするから、CC君が怒ったのだ! 責任を取って仲裁しろ!」と言いました。 H氏は、A氏に「息子AAには諦めさせて、一億円あげるから銃を収めてくれ!」と言わせようとしているのか? A氏をB家に行かせて「殺されるよりはマシだから、CC君の言う様にすべきだ!」とでも言わせるつもりでしょうか?!

【他山の火事では有りません!】
 岸田政権は欧米諸国に追随して、ロシアに対する経済制裁を行っています。 従って、日本はロシアの敵国の仲間になったのです。 ロシアとの貿易が難しい状態になりますから、不況下でのインフレ(スタグフレーション)になる恐れが有ります。 早急に、『しっかり』対策を練って実行する必要が有ります。

 プーチン氏が化学兵器や生物兵器を使用して多量虐殺をしたら、第三次世界大戦になる恐れが有ります。→→プーチン氏が日本に先制攻撃してくるかも知れません。 「岸田政権が対応出来るのか?」私は心配しています。

【橋下氏は弁護士です!】
 プーチン氏は、非合法な事をやってでも目的を達成する様に、厳しい訓練を受けた元KGBのスパイです。 国際ルールや人道主義なんか全く気にしない冷血漢だと見るべきです。

 橋下氏は、犯罪者の味方になって、理屈をこねまわして無罪を獲得したり、刑を軽減したりする事を生業にしています。 (今回は多分ボランティアで)プーチン氏の立場に立って発言しているのだと思われます。 偏見と言われるかも知れませんが、「この犯罪者は極悪人だから、無罪になったら、また重罪を犯すだろう!」、「もっと酷い事をするだろう」と気付いても弁護を止める分けにはいかないのが弁護士と言う職業です。

 日本は言論の自由の国ですから、橋下氏が自説を主張しても良いと思います。 然し、彼は大阪府知事と大阪市長を務めた有名人です。 テレビ等で彼が度々発言すると、日本人の多くが彼と同じ考え方だと誤解されそうなのが心配です。 私は断じて彼の考え方を支持しません!

 ウクライナの多くの国民が、生命の危険を恐れずに、ロシア軍に抵抗されている事に敬意を表します。

【停戦交渉】
 今週に入って、ウクライナとロシアが、以下の様な条件で停戦交渉しているとの報道が有りました。 ロシアは既に数兆円規模の戦費を使っていると予想している専門家がいます。 こんなに莫大な金を使ってしまったのに、得られた戦果が『ウクライナの非武装化』だけで、プーチン氏が満足するとは思えません。

 ウクライナと西側諸国にとっては、この条件で停戦出来れば『万々歳』です。 戦後の日本の様に軍隊を持たなかったら、軍事費が必要無いので、ウクライナはその費用を破壊されたインフラの復旧と経済発展に活用出来ます。アメリカとイギリスがウクライナを守るので有れば、西側諸国とその企業はウクライナを支援し/投資するので、短期間にウクライナは復興し→→発展すると予想します。

 この条件で停戦したら、プーチン政権が維持できるか?甚だ疑問です。 プーチン政権が存続出来たとしても、(私が恐れている)バルト三国への侵攻をロシア国民は許さない→→世界は少し平和になるでしょう! ウクライナが短期間で復興し、経済発展を始めたら、今回・プーチン氏に加担したベラルーシ共和国が西側諸国に接近してくるかも知れません。

 一方、「ロシアがいかに非道な国であるか!」を世界に知られてしまったので、西側諸国の企業からの投資は、戦争が終わっても激減すると予想します。 ロシアは中国ベッタリにならざるを得ません。 中国にしか頼れない国に対する、中国のやり方は(北朝鮮でやっている様に)「生かさず殺さず」です。 ロシアは、経済安全保障を中国に握られてしまいます。

漏れ聞こえてきた停戦条件 :ウクライナが軍隊を解散する(非武装化する)、その代わりウクライナの安全保障はアメリカとイギリスが保障する。

【余談 :ロシア人の領土拡大願望】
 ロシアは、ツアリーの時代から領土拡大主義を進めてきました。17世紀後半までに、ロシアは東方に進出して中国(清国)と国境を接するまでになっていました。1689年にピヨトル1世と康熙帝の間で国境を画定する条約(ネルチンスク条約)を締結しましたが、ロシアはその後も少しずつ東方に進出し、清国から樺太やカムチャッカ半島まで奪い取りました。 朝鮮半島も奪おうとし始めたので、日露戦争(1904年~05年)になったのです。

 ロシアは、18世紀ころから温暖な南方方面への領土拡大政策(南下政策)を少しずつ/根気よく続けました。 ロシア帝国の領土は寒冷地でしたから、ロシア人達は国境を越えて、より良い土地に移住しました。ロシア人が定着すると、ロシア帝国がその土地を「我が領土である」と奪っていったのです。→→バルカン半島や中央ウアジアに進出しました。

 領土拡大願望はソビエト連邦になっても持ち続け、→→第二次世界大戦で日本が降伏した後に攻めてきて、北方四島を奪いました。

 1991年にソビエト連邦は崩壊しましたが、ロシア人の多くは今でも領土拡大願望を持ち続けているのだと思います。ソビエト連邦崩壊時に独立した国は、ロシア連邦が「取り戻すべきだ!」と考えている様に思います。 (ロシア国民の多くは、過去三、四百年間も領土拡大願望を持ち続けているのです。)

 高等教育を受けて西側諸国からの情報に接することの出来る若者達が、プーチン氏の覇権主義を批判しているかも知れませんが、ロシアの大半の国民はプーチン氏の考え方を支持していると見るべきです。

 日本は、敗戦で生活に困窮し、日本国憲法を押し付けられたので、「覇権主義は悪だ!」、「民主主義は善だ!」と考える国民が少しずつ、長い年月を掛けて増えてきました。 ウクライナへの侵攻でロシア国民が痛い目に合わないと、覇権主義を捨てて、民主主義的な考え方を持つ様にはならないでしょう!

ロシアを常任理事国から外しましょう!

2022-03-12 04:35:14 | 国際問題
【はじめに】
 ロシアがウクライナに侵攻したのは2月24日ですから、既に2週間以上経過した事になります。 私は正直、こんなに長くウクライナが持ちこたえられるとは思っていませんでした。 ウクライナ国民に敬意を表します。

 今回は私の持論である「ロシアを常任理事国から外すべき!」について書きます。 そもそも、常任理事国に『拒否権』が与えられているのは、5ヶ国が協力して世界平和に貢献してくれる事を期待している為だと思います。 国連加盟国のウクライナを武力で制圧しようとする国は、絶対に常任理事国で有ってはならないのです!

【理想の世界】
 私の考える理想の世界は、「内戦や戦争の無い平和な世界」、「全ての国で独裁者がいなくなり、国民が弾圧される事無く、民主的に暮らせる」事です。 私が生きている内に・そんな世界になって欲しいですが、21世紀末までに実現出来るか?怪しいですね!。

 第二次世界大戦後・アメリカが『世界の警察官』だった頃は、少しずつでも理想の世界が近づいて来そうに思えました。 然し、21世紀になって、アメリカの相対的な力が低下して来たので、理想から遠ざかっている様に見えます。

 ロシアのウクライナへの侵攻を許したら、第二次世界大戦前の「武力で弱小国を制圧しても良い」と言う時代に戻ってしまいます。 日本を含む西側諸国は、ロシアに対する経済制裁の反動で経済的に大きな痛手を被ると予想されますが、耐え忍ぶ必要が有ります。 ウクライナでは、多くの一般人が殺害されています。 ガソリンを始めとした物価の高騰が予想されますが、ウクライナ人の事を考えたら、耐えられるはずです。

【プーチン氏の非情性】
 「パーキンソン病が進んできたプーチン氏が焦って、今のうちにウクライナを手中に収めてしまおう!」と決断したのでは?・・・と言う記事を見かけます。 然し、私は、プーチン氏がKGBで厳しい訓練を受けて、諜報活動(非合法なスパイ活動)を経験した人間ですから「敵対する人間の生命なんか屁とも思わない冷血漢だ」と見てきました。 世界の多くの指導者達は、「少しは・プーチン氏に約束を守り、他国の人命を尊重する心が有るだろう!」と騙され続けてきたのだと思います。 その典型が安倍晋三氏だったと思います。

 私は、プーチン氏と金正恩氏は良く似ている様に思います。「俺に盾突くと、女でも殺すぞ!」と言う態度で、(見せしめの為に)本当に女性も殺して来ました。 ロシア国内でプーチン氏とその一派が、暗殺した人数は100人とも、1,000人とも言われています。

 今回のウクライナへの侵攻は、「俺に従わない国は軍隊を派遣して、攻め取ってやる、俺は世界を壊滅出来る量の核兵器を持っているから、第三国は手出しするな!」と言うプーチン氏の強い意志を表明したのだと考えます。

・・・ プーチン氏の関与が疑われている暗殺事件 ・・・
★ 2004年 :ノーバヤ・ガゼータ紙のアンナ・ポリトコフスカヤ記者が射殺された。
★ 2006年 :ロシアの元スパイのアレクサンドル・リトビネンコ氏がロンドンで殺害された。
★ 2015年 :野党指導者ボリス・ネムツォフ氏が殺害された。
★ 2018年 :イギリスで元ロシア軍情報機関大佐セルゲイ・スクリパリ氏と娘ユリアさんに神経剤の『ノビチョク』が使用された。
★ 2020年 :アレクセイ・ナバリヌイ氏の毒殺未遂事件

【ロシアの軍事行動】
 1991年にロシア連邦が成立しましたが、それ以来のロシア軍の軍事行動を列記して置きます。 2014年のクリミアの併合までの軍事行動は、ロシアの目的を達成しています。 (アフガニスタン侵攻は失敗しましたが、ソビエト連邦時代の軍事行動でした。)

 現在までの軍事行動では、燃料気化爆弾を使用したり、民間人を攻撃したりして、西側諸国から・その都度非難されてきましたが、プーチン氏にとっては口先の非難は蚊に刺された様なものだったと思います。

 クリミアの併合の後に、西側諸国はロシアに経済制裁を加え続けましたが、殆ど効果の無い内容でした。 その結果、クリミアの併合の前年(2013年)の外貨準備高は5,097億USドル→→14年≒3,862億→→15年≒3,680億→→17年≒4,327億→→21年≒6,306億USドルと推移しました。

 クリミア併合の時に、西側諸国は”毅然とした態度”で臨むべきだったのです。 余り効果の無い経済制裁で済ませてしまったので、ロシアに誤ったメッセージを伝えてしまい、プーチン氏が「ウクライナに侵攻しても、西側諸国は大したことは出来ない」と判断した様に思えます。

・・・ ロシアの軍事行動 ・・・
★ 1991年 :ソビエト連邦崩壊→→ロシア連邦
★ 1994年~96年   :第一次チェチェン紛争
★ 1999年~2009年 :第二次チェチェン紛争
★ 2008年 :南オセチア紛争 ;グルジアとロシアの紛争
★ 2014年 :クリミアの併合
★ 2015年~現在 :シリア内戦に介入
★ 2022年 :ウクライナへの侵攻

【プーチン氏とロシア国民の責任】
 習近平氏や金正恩氏とは違って、プーチン氏は国民の直接選挙で選ばれた大統領です。 他国で非合法活動していた、元スパイのプーチン氏を何回も大統領に選出したロシア国民の多くは、「人道主義の欠片すら持っていない」と見るべきです。 ウクライナへの侵攻についての責任は、プーチン氏だけでは無く、ロシア国民にも有ります。

 私は、「軍事力で弱小国を併合すべし!」と言う植民地時代の考え方を、現在のロシア国民の多くが未だに持っていると思います。

 「ロシアの若者達は西側からの情報に接しているので、プーチン氏の覇権主義に反対している」と言う記事を見掛けますが、多くの国民が覇権主義を支持している事が問題です。 ロシア国民の大半が「覇権主義は悪だ!」と考える様になるには、相当長い年月が必要です。

【ロシアを常任理事国から外すべきです!】
 皆さんは、「北朝鮮を常任理事国に絶対してはいけない!」と思われるでしょう! プーチン氏と金正恩氏は、ほぼ同じ『ならず者』ですから、ロシアは常任理事国で有ってはならないのです! 核兵器で他国を恫喝する国は、常任理事国になる資格が有りません。

 「夢物語だ!」と批判されそうですが、「人道主義や自由主義が大切だ!」、「覇権主義は悪だ!」と考える国々を説得したら、ロシアを常任理事国から外す事は可能だと思います。 (国連憲章の第5章・第23条~第32条が安全保障理事国に関する規定です。これらの内容を改正すれば常任理事国から外せます。)

 現在の国連加盟国は193ヶ国ですから、国連緊急特別総会を開いて、129ヶ国が『ロシアを常任理事国から外す決議』に賛成したら、私の夢が実現するのです。 今回、『対ロシア非難決議』に賛成した国は141ヶ国でした。

 今すぐにロシアを常任理事国から外そうと、西側諸国が動き出したらプーチン氏は核戦争を始める恐れが有ります。

 ウクライナの国民が今後も抵抗を続ける事が出来、経済制裁の効果が効いて・ロシアのインフレが酷い状況になったら、ロシア国民に「プーチン氏を追放したら、→→経済制裁を解除して、→→西側諸国はロシアの経済再建に協力する。但し、常任理事国から外す」と宣伝するのです。

 プーチン氏が排除されて、ロシアに新しい政権が出来ても、民主主義国家になるとは思えません。 然し、ロシアが常任理事国で無くなれば、国連は少し世界平和に貢献出来る様になるでしょう!。 そして、常任理事国を外す前例が出来れば、中国は(今までの様に)傍若無人な行動が出来なくなるでしょう!

(余談 :国連緊急特別総会) 特定の問題について、安全保障理事会が決定出来ない時は、常任及び非常任理事国の9ヶ国以上が賛成したら、国連緊急特別総会が開催出来ます。 
 この規定に従って、ジュネーヴで開催された国連緊急特別総会で、3月2日に対ロシア非難決議が採択されました。 この時、賛成したのは141ヶ国で、反対は5ヶ国、棄権が35ヶ国でした。

(余談 :現在の非常任理事国) 現時点の非常任理事国は次の10ヶ国です。 カッコ内は任期期限年です。
 アルバニア(23年)、ブラジル(23年)、ガボン(23年)、ガーナ(23年)、インド(22年)、アイルランド(22年)、ケニア(22年)、メキシコ(22年)、ノルウェー(22年)、アラブ首長国連邦(23年)

(余談 :国連憲章の改正)  過去・3回国連憲章は改正されています。参加国の2/3以上の国が総会で賛成し、2/3以上の国が署名すると改正されます。(和文と英文の国連憲章がインターネット上に公開されています。)

(余談 :国連憲章の不思議) 常任理事国は現在でも、アメリカ、フランス、イギリス、中華民国(台湾=The Republic of China)、ソビエト連邦(the Union of Soviet Socialist Republics)となっています。 中華人民共和国とロシア連邦とはなっていません。
 日本とドイツ等の国は、現在でも『敵国』と明記されています。 (第53条、第77条、第107条を読んでみて下さい。)