【はじめに】
今回は、私の幼馴染のS氏の話しの最終稿です。
このシリーズで、S氏との思い出話しを3回書いた事になります。 省略した楽しい思い出が沢山!沢山!有ります。 書いていると、私の故郷・龍神村の風景や田辺市の昔の街並みも思い出しました。 S氏は私にとって掛け替えのない『大切な友』だと痛感しました。
【太陽光発電事業】
10年ほど前にS氏から、「太陽光発電事業を始めた」、「僕はこの事業に専念する」、「会社(SR社)は息子に譲った」と電話が有りました。
傾斜の穏やかな山林を借りて→→ソーラーパネルを設置するのだそうです。S氏が山林所有者と借地交渉して→→パネルの設置や電気工事は専門業者に委託して→→S氏はパネル周りの草刈りをしていた様です。 3年ほど前から「長女が草刈りをしてくれる」と喜んでいました。
既に数町歩(数ヘクタール)にパネルを設置している様ですが、まだ増やしたい様です。 10前から「完成までに3年掛かる」と言い続けています。 去年の年末にも同じ事を言うので、「いい加減にしないと、完成前に死んで→→家族に迷惑を掛ける事になる」とアドバイスしました。
【S氏が前立腺癌になりました】
10年ほど前にS氏の前立腺に癌が見付かりました。 二人の医師(D1医、D2医)に見て貰ってきた様です。 D1医は外科手術で前立腺の除去を、D2医は陽子線治療を推奨しています。
外科手術をしたらセックス出来なくなり、陽子線治療だと前立腺に癌が再発した時→→外科手術が出来ない。 「僕の身体は、医者達より自分の方が分かる。僕の癌は成長しないし、転移もし無い。」と言い続けて来ました。 然し、少し尿が溜まると→→我慢出来なくなって→→頻繫にトイレに行っている様です。
昨年(24年)末に、二人の医師の何方かが『高濃度ビタミンC点滴療法』を推奨したので、週に1回ほど通院している様です。 3月頃に、「癌が小さくなっているか?」MRIなどで検査する様です。 私は、奇跡が起こってS氏の癌が縮小する事を祈っています。
【大店の息子】
2015年頃、S氏から例の通り突然電話が掛かって来て、「大阪に来ているので会いたい」、「飛行機で帰るので余り時間が無い」と言いました。 JR大阪駅で待ち合わせ→→例のごとく、安い定食屋で昼食を取って→→喫茶店で1時間以上話を聞きました。
東京の有名な大学を卒業した青年(O氏)が、就職せずに自転車で旅をして回った様です。 持ち金が少なくなると→→旅を中断して、バイトして金を溜めて→→溜まると旅を続けていました。 二、三年後に、S氏の会社に来て、正直に「バイトさせて下さい」と言ったそうです。 S氏の会社は職人の集団ですから、S氏の奥さんと社員達は反対した様ですが、S氏はO氏が気に入って、「会社は黒字だから、一人ぐらい冷や飯食いがいても良いだろう!」と決断したそうです。
10年ほどして、O氏の父親が訪ねて来て、「Oは一人息子なので、会社を継いでもらいたい!」、「是非とも返して欲しい!」と懇願されたそうです。 調べて見ると、O氏の父親が経営している大阪の会社は、S氏の会社とは比較にならない大規模な会社だったそうです。 それで、気持ち良くO氏を送り出しました。
二、三年後に、O氏の結婚式に招待されて→→大阪に来て→→私と会った次第です。
【S氏の優しさの一例】
新型コロナウイルスが問題になり始めた2020年に、S氏から超!超!豪華なマンゴーが届きました。 お礼の電話を入れたら、「新型コロナの影響で、知り合いのマンゴー農家が、売れなくて困っているので、沢山買って知り合いに送っている」と話しました。 我が家が、その第一弾だったのです。
次男の娘(孫)はマンゴーが大好きなので→→御裾分け(おすそわけ)しました。トンデモナク美味しかった様です。
【S氏の子供と孫】
S氏は結婚して直ぐに長男→→二、三年後に長女を授かりました。長男は”鳶(とんび)が鷹を生む”の如く、学校の成績は良かった様で→→「東大に進学するだろう」と期待していました。結局、東京の有名な私大を卒業して、SR社を引き継ぎました。
長女の事はボロクソに言っていました。 「こんな女を貰ってくれる男はいない」、「結婚したら男がダメになる」・・・などと言っていました。 然し、長女は二十歳前半に結婚し→→長男を産んで→→もう一人生みました。 結婚されて3年程で離婚し→→実家に帰ってきた様です。 「孫と楽しく暮らしているのだろう」と想像していたのですが!
長女が結婚した相手は、東大の法学部卒で超有名な企業に勤めていました。 離婚する時、親権を父親が取って→→母親(長女)は年に二、三回、子供に会いに行っている様です。 子供が二、三年前に東大法学部卒を卒業し→→超優良企業で/高給で有名な会社に就職したそうです。長女は、今でも年に何回か子供に会いに行っている様ですが、S氏と奥さんは孫には会えない様です。
最近になって、S氏が次女の話しをしました。次女も若くして結婚し→→子供を二人生んで→→離婚して→→S氏の家の近くで、子供と一緒に住んでいる様です。 然し、S氏は何故か?次女と孫の話しはしません。
【最近の将棋】
2年ほど前にS氏から「今大阪に来ている、将棋会館出身の若者がプロ棋士になった祝いが有って→→スピーチを頼まれた」と嬉しそうに言いました。 24年末現在で、プロ棋士が二人育ったそうです。
S氏は先日、「最近は中学生に負ける時が有って、忌々(いまいま)しいので、余り指さない!」と嘆いていました。 「他に趣味が無いんだから、将棋を楽しんだ方が良い」と話しました。
「S氏にとっての将棋は単なる趣味では無い」と私には思えます。「最大の生き甲斐」だと思うのです。S氏がドン底から立ち直り→→造園会社(SR社)を起こして、大成功したのは→→信頼出来る人達に会社を任せて→→将棋三昧の日々を送った為だ!と私は見ています。
【S氏の最近の体調】
S氏は前立腺癌の話しはしますが、心臓にも問題が有る様です。 「2年ほど前に道で意識不明になって救急車で運ばれた、もう少しで死ぬ所だった!」と昨年白状しました。 「それ以来、奥さんが優しくしてくれる様になった」、「通院する時等など、必ず車で送り迎えしてくれる」そうです。
昨年(24年)、高校の同窓会が紀伊田辺市で有り、無理して出席した様です。 「今、田辺にいる、同窓会で、一番親しかった友人が亡くなったと聞いた」と元気の無い声で話しました
今年の年賀状に、「会いにきてくれ! 二人分の飛行機代と宿泊費は持つから」と書いていました。
【棺を蓋いて事定まる】
「棺を蓋いて事定まる」と言いますが、亡くなった後に遺産相続で親族が揉(も)めに揉めて→→バラバラになってしまった例を幾つか知っています。
S氏が息子さんに会社(SR社)を譲った時点で、社員が70人ほどになっていました。 太陽光発電事業に失敗しないで、S氏が亡くなった後→→親族が仲良く出来たら→→「S氏は素晴らしい人間だった!」と評価されるでしょう! 私は祈っています。
今回は、私の幼馴染のS氏の話しの最終稿です。
このシリーズで、S氏との思い出話しを3回書いた事になります。 省略した楽しい思い出が沢山!沢山!有ります。 書いていると、私の故郷・龍神村の風景や田辺市の昔の街並みも思い出しました。 S氏は私にとって掛け替えのない『大切な友』だと痛感しました。
【太陽光発電事業】
10年ほど前にS氏から、「太陽光発電事業を始めた」、「僕はこの事業に専念する」、「会社(SR社)は息子に譲った」と電話が有りました。
傾斜の穏やかな山林を借りて→→ソーラーパネルを設置するのだそうです。S氏が山林所有者と借地交渉して→→パネルの設置や電気工事は専門業者に委託して→→S氏はパネル周りの草刈りをしていた様です。 3年ほど前から「長女が草刈りをしてくれる」と喜んでいました。
既に数町歩(数ヘクタール)にパネルを設置している様ですが、まだ増やしたい様です。 10前から「完成までに3年掛かる」と言い続けています。 去年の年末にも同じ事を言うので、「いい加減にしないと、完成前に死んで→→家族に迷惑を掛ける事になる」とアドバイスしました。
【S氏が前立腺癌になりました】
10年ほど前にS氏の前立腺に癌が見付かりました。 二人の医師(D1医、D2医)に見て貰ってきた様です。 D1医は外科手術で前立腺の除去を、D2医は陽子線治療を推奨しています。
外科手術をしたらセックス出来なくなり、陽子線治療だと前立腺に癌が再発した時→→外科手術が出来ない。 「僕の身体は、医者達より自分の方が分かる。僕の癌は成長しないし、転移もし無い。」と言い続けて来ました。 然し、少し尿が溜まると→→我慢出来なくなって→→頻繫にトイレに行っている様です。
昨年(24年)末に、二人の医師の何方かが『高濃度ビタミンC点滴療法』を推奨したので、週に1回ほど通院している様です。 3月頃に、「癌が小さくなっているか?」MRIなどで検査する様です。 私は、奇跡が起こってS氏の癌が縮小する事を祈っています。
【大店の息子】
2015年頃、S氏から例の通り突然電話が掛かって来て、「大阪に来ているので会いたい」、「飛行機で帰るので余り時間が無い」と言いました。 JR大阪駅で待ち合わせ→→例のごとく、安い定食屋で昼食を取って→→喫茶店で1時間以上話を聞きました。
東京の有名な大学を卒業した青年(O氏)が、就職せずに自転車で旅をして回った様です。 持ち金が少なくなると→→旅を中断して、バイトして金を溜めて→→溜まると旅を続けていました。 二、三年後に、S氏の会社に来て、正直に「バイトさせて下さい」と言ったそうです。 S氏の会社は職人の集団ですから、S氏の奥さんと社員達は反対した様ですが、S氏はO氏が気に入って、「会社は黒字だから、一人ぐらい冷や飯食いがいても良いだろう!」と決断したそうです。
10年ほどして、O氏の父親が訪ねて来て、「Oは一人息子なので、会社を継いでもらいたい!」、「是非とも返して欲しい!」と懇願されたそうです。 調べて見ると、O氏の父親が経営している大阪の会社は、S氏の会社とは比較にならない大規模な会社だったそうです。 それで、気持ち良くO氏を送り出しました。
二、三年後に、O氏の結婚式に招待されて→→大阪に来て→→私と会った次第です。
【S氏の優しさの一例】
新型コロナウイルスが問題になり始めた2020年に、S氏から超!超!豪華なマンゴーが届きました。 お礼の電話を入れたら、「新型コロナの影響で、知り合いのマンゴー農家が、売れなくて困っているので、沢山買って知り合いに送っている」と話しました。 我が家が、その第一弾だったのです。
次男の娘(孫)はマンゴーが大好きなので→→御裾分け(おすそわけ)しました。トンデモナク美味しかった様です。
【S氏の子供と孫】
S氏は結婚して直ぐに長男→→二、三年後に長女を授かりました。長男は”鳶(とんび)が鷹を生む”の如く、学校の成績は良かった様で→→「東大に進学するだろう」と期待していました。結局、東京の有名な私大を卒業して、SR社を引き継ぎました。
長女の事はボロクソに言っていました。 「こんな女を貰ってくれる男はいない」、「結婚したら男がダメになる」・・・などと言っていました。 然し、長女は二十歳前半に結婚し→→長男を産んで→→もう一人生みました。 結婚されて3年程で離婚し→→実家に帰ってきた様です。 「孫と楽しく暮らしているのだろう」と想像していたのですが!
長女が結婚した相手は、東大の法学部卒で超有名な企業に勤めていました。 離婚する時、親権を父親が取って→→母親(長女)は年に二、三回、子供に会いに行っている様です。 子供が二、三年前に東大法学部卒を卒業し→→超優良企業で/高給で有名な会社に就職したそうです。長女は、今でも年に何回か子供に会いに行っている様ですが、S氏と奥さんは孫には会えない様です。
最近になって、S氏が次女の話しをしました。次女も若くして結婚し→→子供を二人生んで→→離婚して→→S氏の家の近くで、子供と一緒に住んでいる様です。 然し、S氏は何故か?次女と孫の話しはしません。
【最近の将棋】
2年ほど前にS氏から「今大阪に来ている、将棋会館出身の若者がプロ棋士になった祝いが有って→→スピーチを頼まれた」と嬉しそうに言いました。 24年末現在で、プロ棋士が二人育ったそうです。
S氏は先日、「最近は中学生に負ける時が有って、忌々(いまいま)しいので、余り指さない!」と嘆いていました。 「他に趣味が無いんだから、将棋を楽しんだ方が良い」と話しました。
「S氏にとっての将棋は単なる趣味では無い」と私には思えます。「最大の生き甲斐」だと思うのです。S氏がドン底から立ち直り→→造園会社(SR社)を起こして、大成功したのは→→信頼出来る人達に会社を任せて→→将棋三昧の日々を送った為だ!と私は見ています。
【S氏の最近の体調】
S氏は前立腺癌の話しはしますが、心臓にも問題が有る様です。 「2年ほど前に道で意識不明になって救急車で運ばれた、もう少しで死ぬ所だった!」と昨年白状しました。 「それ以来、奥さんが優しくしてくれる様になった」、「通院する時等など、必ず車で送り迎えしてくれる」そうです。
昨年(24年)、高校の同窓会が紀伊田辺市で有り、無理して出席した様です。 「今、田辺にいる、同窓会で、一番親しかった友人が亡くなったと聞いた」と元気の無い声で話しました
今年の年賀状に、「会いにきてくれ! 二人分の飛行機代と宿泊費は持つから」と書いていました。
【棺を蓋いて事定まる】
「棺を蓋いて事定まる」と言いますが、亡くなった後に遺産相続で親族が揉(も)めに揉めて→→バラバラになってしまった例を幾つか知っています。
S氏が息子さんに会社(SR社)を譲った時点で、社員が70人ほどになっていました。 太陽光発電事業に失敗しないで、S氏が亡くなった後→→親族が仲良く出来たら→→「S氏は素晴らしい人間だった!」と評価されるでしょう! 私は祈っています。