これ!どう思います?

マスコミがあまり報道しない様な問題を、私なりに考えてみます。

トランプ大統領とドウ付き合うか? (その1)

2025-03-09 13:19:54 | アメリカ
【はじめに】
 トランプ氏が大統領に就任して45日を経過しました。 世界の多くの国が、トランプ氏のやる事に『戦々恐々』としています。 各国の指導者は、「トランプ氏がドンナ人間か?」を知って→→対処方法を決める必要が有ります。

【トランプ氏は裸の王様になったのか?】
 トランプ氏は、イエスマンを集めた政権をスタートさせました。 そして、事も有ろうに2月19日に『王冠をかぶったトランプ米大統領のイラスト』を公表しました。 単なる冗談なのか? 「俺はアメリカの『王様』だから何でも出来るんだ!」とアメリカ国民だけで無く、世界に誇示したいのか?

 トランプ氏は最近、「大統領に3回なれる様に憲法を改正する」と言い出しました。 仮に憲法が改正出来たとしても、次の大統領選挙は2028年ですから、トランプ氏は『82歳』の老人になり→→任期満了の2023年にはボロボロの『86歳』になります。 私には”正気の沙汰”とは思えません!

《余談 :アメリカの憲法改正手続き》
 アメリカの憲法改正のハードルは非常に高いので、民主党の協力無しでは憲法を改正する事は出来ません。 憲法改正には以下の❶又は❷が必要です。

❶両院で『2/3以上』が賛成
❷全州の州議会の『3/4以上』が賛成

【トランプ氏の経歴】
 トランプ氏は、25歳の頃に父親がやっていた不動産業を継いで→→成功し→→その後、種々の事業に手を出して→→成功したり/失敗したりしました。

 トランプ氏は、生粋の共和党員では有りません。 40歳頃までは民主党員で→→共和党員になって→→53歳の頃に、『アメリカ合衆国改革党』に入り→→大統領選挙の予備選挙に立候補しましたが、勝てそうに無かったので→→撤退しました。

 その後、また民主党員になりましたが→→直ぐに、無所属になり→→2012年に共和党員になり→→2016年の大統領選挙に立候補して当選しました。

 トランプ氏は、現在78歳です。アメリカの男性の平均寿命は『73.2歳(2021年)』ですから、もう老人の部類に入ります。 (プーチンは72歳ですが、ロシアの男性の平均寿命は『67.3歳(2020年)』ですから、彼も老人と言えます。)

 トランプ氏は、本を読む/勉強家では無い様に思えます。 世界情勢/過去の経緯等には興味と知識が有る様には見えません。 間違いの情報を吹き込まれても、「さもありなん」と思ったら→→正誤を確認しないで→→公の場で発言してしまう人間です。

★ 出生 :1946年6月14日(78歳) ・・・ドイツ系アメリカ人の子供
★ 大学 :ペンシルベニア大学ウォートン・スクールで経済学を学んだ。
★ 不動産業 :1971年、父親事業を引き継いで不動産業を始めた。 ・・・25歳の頃
★ 2000年 :大統領選挙の予備選挙に出たが→→撤退
★ 2016年 :大統領選挙で当選
★ 2020年 :大統領選挙で落選
★ 2024年 :大統領選挙で当選

・・・ トランプ氏の政党遍歴 ・・・
★ ~1987年   :民主党
★ 87年~99年 :共和党
★ 99年~01年 :アメリカ合衆国改革党
★ 01年~09年 :民主党
★ 11年~12年 :無所属
★ 12年~     :共和党
出典 :ウイキペディア『ドナルド・トランプ』

【トランプ氏の基本スタンス】
 トランプ氏は大統領に就任後、矢継ぎ早に種々の大統領令に署名しています。「トランプ氏が何を考えているのか?」段々分かってきました。

《アメリカ経済についての私見》
 トランプ氏は、関税をディールの武器にして→→個別の国に、アメリカに有利になる事を飲ませようとしています。 関税が武器になるのは→→アメリカの貿易収支と経常収支が『大赤字』だからです。 赤字を減らす為には→→痛みを伴う自助努力が不可欠です(輸入を減らし/輸出を増やす努力が必要です)。

 アメリカの製造業の多くはガタガタになっているのに→→国民は豊な生活をしています→→然し、国民の多くは「もっと贅沢な暮らしをしたい」と望んでいます。 アメリカ人が経済力以上の生活が出来ているのは『ドルが最強の基軸通貨』だから→→借金して豊かな暮らしが出来るのです。 何時までも借金生活を続けられませんから→→アメリカは何時かは破綻すると私は考えています。

トランプ氏の考え方❶ :トランプ氏は『商売人』ですから、戦争が嫌いです。 武力を背景にしたディール(取引)は、余程の事が無い限りやらないと思われます。 但し、パナマの様な小国とのディールでは、軍隊の派遣を匂わせるでしょう!

トランプ氏の考え方❷ :中国が大嫌いで、煮ても焼いても食えない国だと考えている様に見えます。 2023年のアメリカと中国の貿易は、輸出≒1,478億ドル、輸入≒4,272億ドルで→→2,794億ドルの赤字でした。 トランプ氏は、「貿易収支の赤字分、アメリカの雇用が失われている→→中国は許し難い国だ!」と考えているのだと思います。

トランプ氏の考え方❸ :トランプ氏は、自分の発言や政策に間違いが有っても→→絶対に非を認めません。 記者会見の場等で、間違いを指摘されると→→反省するどころか→→逆ギレします。 報復する恐れすら有ります。

 最近、トランプ氏は「ゼレンスキー大統領の支持率は4%だ」、「ゼレンスキー大統領は独裁者だ」と話しました。 誰かに偽情報を吹き込まれたのだと想像します。 多分、後で嘘だったと気付いたと思われますが→→「間違いでした」と言わず、ゼレンスキー氏に謝ることも有りませんでした。(トランプ氏は、そんな人間なんです!)

トランプ氏の考え方❹ :自分がディール(取引)して纏めた契約を、(トランプ氏が大統領の間)相手が一方的に破る事は絶対に無いと確信しています。 「プーチン氏が約束を守らない人間だ!」と思うのは世界の常識ですが、プーチン氏が裏切る事は無いと信じ込んでいる様に見えます。

トランプ氏の考え方❺ :「自分の仕事は、契約書を締結する事で、契約内容が守られるか?どうか?は知った事では無い」と考えている様に見えます。

トランプ氏の考え方❻ :各国の指導者は、「○○は、アメリカに依存している」と言う事が事実でも、決して口に出してはいけません! トランプ氏は、○○を取引材料にして→→✕✕を要求します。

トランプ氏の考え方❼ :トランプ氏は習近平氏は嫌いな様ですが、独裁者(プーチン氏と金正恩氏)は好きな様に見えます。 「北朝鮮に核兵器の保有を認めるのでは?」と私は懸念しています。 そして、韓国に「核兵器を持て、自分の国は自分で守れ!」と言って、在韓米軍(約28,500人)を引き上げる恐れが有ります。

トランプ氏の考え方❽ :2023年、日本からアメリカへの輸出≒20.3兆円、輸入≒11.5兆円でしたから、8.8兆円の黒字でした。(黒字国の7位でした。) 更に、アメリカに投資している分の収益が『7.2兆円』も有りました。・・・出典:日経新聞2024年11月9日『賃上げに「トランプ関税」の影 対米輸出額、7年で4割増』
 日本製品に関税を掛けるだけで無く、次の様な要求をしてくると予想します。

① 日本の企業は、アメリカに工場を建設して製造しろ!
② アメリカ製品をもっと買え! (兵器、大豆、トーモロコシ小麦、原油や天然ガスなど)
③ アラスカの資源開発に投資しろ!
④ 軍事費を増額し→→軍備を拡張して→→米軍の東南アジアでの活動を補佐しろ!

トランプ氏の考え方❾ :アメリカは昔から、多国間の軍事協定や経済協定が嫌いです。 私は逆手にとって、TPP12(環太平洋パートナーシップ協定)の参加国を増やしたり、新たな多国間協定を設立すべきだと考えます。

【ウクライナ戦争とノーベル賞】
 トランプ大統領がウクライナ戦争を出来るだけ早く終わらせたいのは、❶ロシアと中国の関係を切り離したい、❷ノーベル平和賞を受賞したい為だと思います。 以下に書く様にトランプ氏にとって、ノーベル平和賞を受賞するのは名誉の為だけでは無いのです!

 アメリカでは、2026年11月に上院議員の1/3(33人)を選ぶ選挙(中間選挙)が実施される予定です。 2026年11月の非改選の議員は、共和党=29人、民主党=34人、無所属=4人です。

 2026年に改選される議員の内訳は、共和党=20人、民主党=13人です。 中間選挙後も共和党が上院の過半数を維持する為には、『20人≒60%』程度の議席を獲得する必要が有るのです。 万一、『18人以下』しか獲得出来なかったら→→民主党が上院を握り→→民主党が元気になりそうで→→トランプ氏の言動が制約されそうに思います。

 選挙の前にトランプ氏がノーベル平和賞を受賞したら→→中間選挙を有利に戦えると予想します。 ノーベル賞の授賞式は、毎年12月に行われますから→→トランプ氏は今年(2025年)のノーベル平和賞を受賞しないと中間選挙に間に合わないのです。

《御参考 :2月28日の口論》
 トランプ大統領、バンス米副大統領とゼレンスキー大統領が2月28日に会談し→→バンス米副大統領がウクライナに対して厳しい発言をしたので→→口論になって→→会談が決裂してしまいました。

 バンス氏は、「今年のノーベル平和賞を受賞する事が、共和党が中間選挙に勝利するために極めて重要だ!」と言う事を忘れてしまっていた様に思いました。

 ノーベル平和賞は、後述の様に(NATO加盟国である)ノールウェーの政治家・5人が選定します。 ウクライナとヨーロッパのNATO加盟諸国に不利な条件で停戦又は終戦する事になったら→→トランプ氏はノーベル平和賞を受賞出来ないと予想します。 私は、「バンス氏は馬鹿だ!」と思いました。

 2月28日の会談の詳細は、NHKが翻訳した次の資料に記載されています。
NHK 2025年3月2日付け 『やり取り全文・トランプ氏 ゼレンスキー氏 なぜ口論に』 前編、中編、後編

《余談 :ノルウェー・ノーベル委員会》
 ノーベル賞には6部門が有りますが、平和賞は『ノルウェー・ノーベル委員会』が選定して→→ノールウェーのオスロで授賞式が行われます。 他の5部門の授賞式は、スウェーデンのストックホルムで行われます。 6部門とも、授賞式はノーベルの命日の『12月10日』に行われます。

 ノルウェー・ノーベル委員会のメンバー『5人』は、ノルウェーの国会が選びます。全てノルウェーの政治家が選ばれます。 任期は6年です。

・・・ 各賞の選考担当部署 ・・・
① 平和賞   :ノルウェー・ノーベル委員会
② 物理学賞  :スウェーデン王立科学アカデミー
③ 化学賞   :スウェーデン王立科学アカデミー
④ 生理学・医学賞 :カロリンスカ研究所(スウェーデンに有る、優秀で、世界的に有名な医科大学です。)
⑤ 文学賞   :スウェーデン・アカデミー
⑥ 経済学賞  :スウェーデン王立科学アカデミー ・・・賞金はスウェーデン国立銀行

(注記 :ノーベル財団) ⑥以外の賞金は、ノーベル財団が出しますが、賞の選考には関与していません。 ノーベル財団は、孫正義の「金は出すけど口は出さない」と言うスタンスを120年以上も続けています。