日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

朽ちず、汚れず、しぼまない財産を受け継ぐ者としてくださいました

2016-03-24 | Weblog
  ペテロ第1の手紙1章 

  4節「また、あなたがたのために天に蓄えられている、朽ちず、汚れず、しぼまない財産を受け継ぐ者としてくださいました」(新共同訳)

  1節「イエス・キリストの使徒ペトロから、ポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ビティニアの各地に離散して仮住まいをしている選ばれた人たちへ」。小見出し『挨拶』。受取人は小アジアのローマ属州にある諸教会の信徒である。既に厳しい迫害に遭い、一時的に郷里を離れている状況が伺える。霊により聖なる者とされ、選ばれたあなたがたに恵みと平和があるようにという挨拶(2節)。
  3節「わたし達に主イエス・キリストの父である神が、ほめたたえられますように。神は豊かな憐れみにより、わたしたちを新たに生まれさせ、死者の中からのイエス・キリストの復活によって、生き生きとした希望を与え」。小見出し『生き生きとした希望』。そして朽ちず、汚れず、しぼまない天の資産を受け継ぐ者となった(4節)。天に宝を積む者のことである(マタイ6章19~20節)。終わりの時に準備されている救いを受けるために、神の力で守られるよう願っている(5節)。
  6節「今それゆえ、あなたがたは、心から喜んでいるのです。今しばらくの間、いろいろな試練に悩まねばならないかもしれませんが」。それによって信仰が本物であることが証明されるという。それは精錬で不純物が取り除かれ純粋なものになることである(7節)。そしてキリストが現われる時、称賛と光栄と誉れを受け、言葉では言い表せない喜びに溢れる(8節)。この救いについて言えば、あなたがたに与えられるキリストの苦難とそれに続く栄光の現われることが旧約の預言者によって示されていたことであり(10~11節)、聖霊に導かれて使徒たちが告げ知らせた福音であるという(12節)。
  13節「だから、いつでも心を引き締め、身を慎んで、イエス・キリストが現れるときに与えられる恵みを、ひたすら待ち望みなさい」。小見出し『聖なる生活をしよう』。「心を引き締め」は意訳で「心の腰に帯を締め」(口語訳)である。平静な判断力を持ち、熱狂的にならないで主の再臨を待望するのである。「ひたすら」(テレイオス)は「完全に、絶対的にいささかも疑わないで」(口語訳)となっている。そこで欲望に引かれない従順な子となり(14節)、「聖なる方に倣って聖なる者」となれという(15~16節)。これは、レビ記11章14節からの引用。「~になる」(スケーマ)は「物差しにする」ことで、14節では「従順な子となる」、「欲情に従わない」(否定)に使われている。
  17節「また、あなたがたは、人それぞれの行いに応じて公平に裁かれる方を、「父」と呼びかけているのですから、この地上に仮住まいする間、その方を畏れて生活すべきです」。「畏れて生活する」とは、神の公正な審判にゆだねて生活すること。「仮住まい」(パイロキア)は比較的長期の生活をすることで、1節「仮住まい」(パレピデーモス)とは違う。18~20節は手紙の最初に述べた信仰の原点(3~5節)を再度確認する。この終わりの時、汚れなき小羊の血により虚しい生活から贖われたこと、そして死者の中から復活させ現わされた神の栄光と希望に生かされていることである。
  22節「あなたがたは、真理を受け入れて、魂を清め、偽りのない兄弟愛を抱くようになったのですから、清い心で深く愛し合いなさい」。「兄弟愛を抱く」ことは繰り返されている(2章17節、3章8節、4章8節)。この愛は福音の真理を受け入れ、魂を清める(洗礼)ところから始まる。それは、「朽ちない種」つまり生きた神の言の普遍性と純粋性に懸かっている(23節)。24~25節はイザヤ40章7~8節からの引用である。25節口語訳「これが、あなたがたに宣べ伝えられた御言葉である」。