スマート家電を巡る勢力争いは熾烈さを増すのだろう。AmazonがiRobotを買収するらしい。掃除機ロボットの一大ブランドである「ルンバ」の価値は確かに高いが、敢えて囲い込む必要が有ったのかは分からない。表立っては宣伝していない軍用運搬ロボットを配達に転用する方が主眼なのかも知れないが、そこら辺はベゾス氏のみぞ知る話である。ただご家庭内でルンバが収集可能な情報も宝の山には違いない。家の間取りや家具の配置等を予測し、それをAmazonの購入履歴と突合させたら、何か面白い相関が掘り出せる可能性も有る。拾い集めたゴミの解析まで始められるのは気持ち悪いので止めて欲しいが、どんなクラスタが何を買うかのデータの精度を上げるには、そう云うアナログな情報が大事なのも確かである。拙宅は家屋の構造上使用に適していないが、アレクサとセットでお安くなるなら購入も吝かではないし、ゴミデータを元にどんなリコメンドを受けるのかも興味が有るのである。
しっかり宰相。この二つ名を謹んで献上したい。原稿を読み上げている時はそうでもないが、ぶら下がり会見等だと100秒に1回は「しっかり」と云う副詞を挟んでくる。ただ私の記憶違いの可能性もあるので、お暇だったら数えてみておいて欲しい。それにしても担当大臣が増えたものである。数えたら13人も居る。GX実行推進担当大臣とか、実務として何をやるのか良く分からないのも混じっている。グリーントランスフォーメーションと云う言葉自体浸透していないし、そもそも何処が実働部隊になるのかもはっきりしない。分野的にはエネルギー庁辺りになるのだろうが、化石燃料から再生エネへの転換と云う大仕事はやや荷が重い気がする。複雑に高度化した社会的課題に取り組むには担当大臣の様な一点集中型が望ましいのは分かるが、必要なスペシャリストを編成する段取りが決まっていない様にも見えるのであり、任命するからにはそこら辺もしっかりして欲しいのである。
こうなると読んでいたのなら、なかなかの策士である。マイナ保険証が初診21円、再診12円の自己負担増になるのはオカシイとの声を受け、厚労省にしては珍しく早々に施策を撤回した。通常の保険証の自己負担を現行の9円から21円以上に値上げする事で、マイナ保険証の方がお得になる建付けにするそうである。どうしてそう云う誰も望まない解決方法に至る事が出来るのかと感心するのだが、健康保険、特に国保の収支改善が当初からの目的なのだとすれば合点もいく。市町村が主体の国保は21年度も936億円の赤字で、一般会計からの繰り入れで何とかトントンと云うのが現状である。実態として既に保険では無いのが実に趣深いが、それはどうでもいい。ちょっとした怪我や病気でも気軽に診てもらえるのは心強いが、過剰診療にならない様にするバランスが難しい。今後お世話になる機会が増えるであろう身としては、10円20円の負担で良いのなら喜んで受け入れたいのである。
任意提出にすれば済む話なんじゃないかな。読書感想文や自由研究をメルカリやヤフオクに出品するのはまかりならん、と文科省からお達しが出たそうで大笑いである。面倒臭い夏休みの宿題の双璧であるから、金で解決出来るならそうしたいお受験特化型のご家庭も有るだろう。そもそも「宿題を親が手伝う」事の是非にも踏み込まねば均整を欠く。それに読後の感想を「駄作」の一言で片付けるのも研究をしない自由を行使するのも許されないのは、学問の自由を謳った憲法に反すると思う。本を読んだ感動を表現したり自然界の不思議を解き明かしたいと思ったりしない限り、単なる苦行に堕してしまうと云う教訓を文科省は得るべきなのだが、画一教育こそ平等で正義と云う思想を解体するのは容易ではない。何でもそつなくこなしてきた優等生が官僚を務めているから仕方ない面も有るが、トライはさせるけど向いてないなら無理強いしないのも一つの考え方だと思うのである。
待て、これは孔明の罠だ。正確にはAppleの罠であり、孔明にとっては全くの濡れ衣なのだが、有名税だと思って諦めて欲しい。今秋発売予定のiPhone14が当方の物欲ゲージをクリティカルヒットした。12万円のスマホとか正気の沙汰ではないと思っていたのだが、SpaceXと組んで衛星電話機能を搭載すると云うリーク情報が流れてきて潮目が変わった。衛星通信は男のロマンである(偏見)。当面は緊急通報に限られる様だが、山登りやマリンレジャー等で電波が届かない所に行きがちな人とかは重宝するだろうし、災害時に基地局が全滅した時の備えにもなる。非常に魅力的には違いないのだが、自分の生活パターンから考慮するに、掛けるには余りにも高い保険の様にも思えるし、理性的に考えれば多分間違ってはいない。しかし男のロマンである(独断)。損得勘定は野暮と云うものであろう。Googleも黙ってはいないだろうから当分様子見にはなろうが、情報の傍観体制は強化する心算なのである。