小豆色の車

小豆色の車がやってきた。
今度はアホ車ではないので、そんなには目立たない。
それで今度はこの車で地味に生きるんだ。
せこく、貧しく、みみっちくね。

ところであの黄色いアホ車はとうとう廃車になった。
不肖の子だったけど廃車となるとさびしい。
アホでもいい、しぶとく生きててほしかった。

もう秋

もう秋。
ついこの間までの猛暑がうそのように、朝夕ずいぶん涼しくなった。
夏はあわただしく過ぎて、涼しさが身にしみる。

今ではすっかり田舎暮らしのどつぼにはまり、すればするほど忙しくなる。
春は暖かくて忙しい。
夏は暑くて忙しい。
秋は涼しくて忙しい。
冬は寒くて忙しい。
しなければいけない仕事はどんどんたまり、
どうでもいい仕事はさらにたまる。

おまけにしなければいけないと思うと、とたんにやる気をなくし、
どうでもいい仕事ほどやりたいけど、やっぱり後回しにする。
雨の日に残しておいた仕事も雨が降るとやる気をなくし、
冬に残しておいた仕事も冬になると寒くてやる気がしない。
というわけで毎年積み残しの仕事はたまるばかり。

秋風が身にしみる。