ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

ジーンバンク見学会(4)

2011年06月10日 09時05分17秒 | 田舎暮らし
翌日は種採りしている世羅の2軒の農家の見学。
最初の家はものすごい山奥。
普通だったらとっくに廃村になってるだろうな・・・
その家は集落のさらに奥。
いったいどこまで行くねん・・・
きっと先祖は平家の落ち武者だったのだろう・・・
なんてことを考えながら、狭い狭いトンネルを抜けてやっとたどり着いた、
ここに北海道から就農してきた若夫婦が住んでいた。
家に近づくとまず最初に目に付いたのがミニブタ。
はは~ん、さては。
やっぱり!
当然のように山羊が2頭家の裏にいた。
鶏小屋もちょっとはなれたところにあった。
そうそうこうでなくてはいけない。
この3点セットが今どきの自給自足的な農家の必需品なのだ。
昔は我が家みたいに山羊と鶏だけだったのだけど・・・
そしてすっかり嬉しくなった。
こんな生活大好きだから。

まず当然のように最初に目に付いたミニブタに挨拶した。
そこそこに挨拶した。
ミニブタはとっても人なつっこい。
みんな人がいいというか性格がいい。
ここが山羊といちばん違うところだ。
山羊は偏屈でなかなか根性が悪い。

そして裏の山羊夫婦に挨拶した。
雄山羊はトカラ系、雌山羊はシバとザーネンの雑種、どちらも小さい。
子山羊がもらわれていったばかりだという。
我が家のカモメに似ている。
きっとミルクはあまり出ないだろう。
山羊はあまりなつかなかった。
山奥なので人になれてないのかも知れない。
もっと時間があったらなつかせるのだけどなぁ・・・
でも今日は山羊のオフ会ではなく、種採り農家の見学会。
それで山羊の相手をしてる暇はない。

まずご夫婦の話を聞いた。
北海道で普通の会社員をしてて、農業をやりたくて、まったく縁もゆかりもないこの地に来たとのこと・・・
さすがに北海道の農業との落差は大きかったけど中途半端な田舎がいやだったので、まあいいかと決めたらしい。
その気持ちよくわかる。
我が家は田舎だけど、どちらかと言うと中途半端。
どうせ住むなら、というかたまに住むなら、こんなまじめな田舎がいい!
もっとも実際に住んでみるとかなり厳しいだろうけどね。特に冬は。
でもその無謀さがいい。
我が家も決めたときは無謀だったけどここはそれ以上に無謀だ。
でもそこは若いからだろうか、少しも苦労を感じさせない。
楽しそうに話をしていた。
もし我が家が今のところより先にこの物件を見てたら、案外同じように決めてたかもしれないな。
なんせ新潟の山奥、ものすごい豪雪地帯に住もうかと思ったことがあるくらいだから、無謀さでは負けない。

移住してここで小さな段々畑を何十枚か耕作して野菜や蕎麦を作っているという。
鹿や猪と(たまに山羊と)戦いながら。
猿と熊はいないらしい・・・
蕎麦はヒタチアキソバ(常陸秋蕎麦)という種類。3年に1回種採りをしていると言う。
集落法人と言うのを作って集落で蕎麦つくりをしている。
集落50軒くらいのうち、30軒ほどでやっているという。
集落と言っても、まとまった集落ではなく、山奥にぽつんぽつんと家があるとっても広い範囲の集落なのだろう。
それなのに意外と集落は元気がいいらしいのに驚いた。
確かに地形的に蕎麦はいいだろう。
それから山菜。山菜はいっぱい採れるのに、誰も採らない。それどころか土地の人は食べ方さえも知らないらしい。
おじいさんの代までは食べてたそうだけど、今では誰も食べない。
これもとっても奇妙に思えた。
もっとも山菜を食べなくなったのはどこも同じ。
我が家でも食べてもタラの芽とフキくらい。
カンゾウもいっぱい生えてるけど食べたこともない。
最初の1年はよく山菜を食べたけど・・・
でも今では野菜がいっぱいあるのだから別にあえて草を食べることもない。
それから種採りは他に3月子大根~これはカブのように丸い大根で、水分が少なく生食には向かない。
揚げ物にすると美味いと言うちょっと変わった大根。
それでなかなか流通に乗らないらしい。
その大根の種がたくさんできていた。
「食べていいですか?」
と言う人がびっくりした。
なんちゅうこと言うねん!
大根の種を食べようなんて今まで考えたこともなかった。
便乗して青いサヤごと食べてみたらこれが意外といけた。
噛んだら種にも大根の味がした。
サラダでもいけるかもしれないけど、油いためなどいいのではないだろうか。
それから他におかず豆というちょっと変わった豆も自家採種しているという。
この豆は7月10日ごろまくらしい。
7月7日に蒔く七夕豆というインゲンと同じようなものなのだろうか。
でもまあ野菜と種採りのことは別のところで書くとして、
我が家も移住してきたときのことを思い出しながら、
(最初の1年が、ススキが原の開拓に明け暮れた最初の1年が、一番楽しかった!)
そしてこの山奥の農家がとてもうらやましくさえ感じながら、この農家を後にした。
コメント
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