台風の傷跡

今度の台風は不思議なことに台風が通り過ぎた岡山、兵庫、鳥取、島根よりも和歌山や奈良で大きな被害が出ている。油断させといて他のところを狙うという実に陰険な台風だった。
とはいえここでも被害は出ている。
近くの国道をちょっと北西に行くと相坂峠という険しい峠がある。
今ここが土砂で通れない。
復旧にはあと10日くらいもかかるそうだ。
ここから北西側にはあまり行くことはないのでそんなに不便はないけど、向こうの人はとっても不便だろう。
というわけで道路は我が家のちょっと南よりで閉鎖されている。
そこを迂回する車を尻目に地元の特権、「隣の集落まで」といって通り抜ける。
ざまぁみろ！と思うのと、いちいち言うのも面倒くさいなぁと言うのが半々。
でもやっぱり早く復旧したほうがいい。

我が家でもそれほどたいした被害があったわけではないけど、それでも昨日と今日、家の前の側溝の土砂さらいをした。
これはかなりの重労働だけどなまった体にはちょうどいい。
もしかして大判や小判が土砂の中に埋まってないかな？
・・・なんて思うけど、この貧乏集落にそんなものあるわけないよね。
せめて化石でも、それも恐竜の化石でも出てきたらいいのにな、
・・・と思うけど恐竜どころか貝も木の化石も出ない。
その代わりに出たのは割れた壺、さびた包丁の刃、急須の蓋・・・
昔はこの上流にも人が住んでたんだね。
その人たちどうしたんだろう？
都会に出て行ったのだろうか？
それとも国策に乗って満州に行って悲惨な最後を遂げたのだろうか？
とついついいろんなことを考えてしまう。
さびた包丁、割れた壺。
しばらくじっと見つめていた。