コミックの新刊が山ほど来て、メチャクチャ忙しかった。
おかげで時間がたつのが早かったけれど。
夕方、変なおじさんが来て、ひどくからまれた。
見た目は「おそ松くん」のイヤミ氏に、
「オバケのQ太郎」の小池さんのメガネをかけさせて、
貧弱な体格に背広を着せた・・・という風貌。
このおじさんが、まず入って来るなり、
コミックの平積みを眺めていた男の子に、いきなり、
「こんなん見てないで勉強しろっ!」と頭をこづいた。
連れかと思ったが、観察していると他人。
男の子も、さぞかしびっくりしたことだろう。
おじさん、しばらく店内をうろついた後、
「歌の本はないのかよ、カラオケの本」
と言うので、
音楽雑誌の方へ案内しようとしたら、
「童謡とか、唱歌とかさ」
と言い出した。
カラオケ本は、音楽雑誌の棚にある。
童謡や唱歌は、趣味・実用の書籍の棚にある。
「でしたら、こちらです」と方向転換すると、
「なんだよ、別々の場所に置いてあんのかよ。
歌の本は、歌の本で、まとめて一ヶ所に置けや。
どこの本屋もそうしてるぞ」
とおっしゃる。
いんや、そんなことはない。
「日本の歌」とか、「懐かしの唱歌」とか、
そんな本の棚を教えると、
なんと、そのおじさん、歌い出した。
「と~きょ~、と~ぉきょ~お、だ~いと~ぉ~きょぉ~♪
・・・って歌が載ってる本がいいんだよ。
どこ、さがしてもないんだ。
東京オリンピックの時の歌なんだ、知ってるだろ?」
知ってるけど、その歌が載ってる本はないと思います。
さらにおじさん、
「せぇ~んろ~は つぅづく~よ~ ♪
・・・ってのはないのか」
と言うので、それならありそうと思って本を渡すと、
「なんだよ、英語で書いてないじゃないか。
あれはアメリカを開拓した男たちの歌なんだよ」
知らないよ~。
英語の歌の本、うちあたりにあるわけないじゃんっ。
マザーグースでさえないよ。
これ、ただからまれてるだけだなと思ったので、
店長に「代わってください、からまれてます」と頼む。
店長が行ったら、あっさり引き下がったらしく、
おとなしく店を出て行った。
なんだったんだろう、あのおっさん。
そして、店長はどういう対応をしたんだろう。
気持ち悪かったけど、日記のネタにはなったな。
しかし、
「大東京音頭」と「線路は続くよ(英語版)」とが、
同時に収録されている本なんて、どこ探してもないと、
自信持って言えるね。