見渡せば春日の野辺に霞たち咲きにほへるは桜花かも 作者不詳
雪寒み咲きには咲かず梅の花よしこのころはかくてもあるがね 作者不詳
白波の浜松が枝の手向くさ幾代までにか年の経ぬらむ (川島皇子)
夕されば衣手寒し高松の山の木ごとに雪そ降りたる 作者不詳
霜枯れの冬の柳は見る人のかずらにすべく萌えにけるかも (作者不詳)
娘子らが 放りの髪を 木綿の山 雲なたなびき 家のあたり見む (作者不詳)
梓弓春山近く家居らば継ぎて聞くらむうぐいすの声 作者不詳
雪の色を奪いて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがな 作者不詳
さ夜更けば出でこむ月を高山の峰の白雲隠してむかも (万葉集10・2332 作者不詳)
夜が更けたら出てくる月を高山の峰の白雲が、また隠すであろうか
雁が音の寒き朝明けの露ならし春日の山をにほはすものは 作者不詳