庭で山吹の花が咲いている
母の思い出に繋がる花
田舎の雛祭りは月遅れの4月だった
信州の田舎の4月はまだ寒く
昔の事で火の気のないお座敷で
長持から一体ずつお雛様を出しては和紙を解き
母と飾って行く・・・
いろいろなお雛様があり、
松本推し絵雛とか浮世物の雛とか父の雛だと言う大きな内裏雛もあった
信州では男の子でも内裏雛を用意してお祝いした時代があったようだ
そしていつも最前列に飾られたお雛様
武士と垣越しに山吹のひと枝を差し出す娘が対になった雛
それを飾りながら母はその歌と意味を教えてくれた
七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞあやしき 兼明親王
「山吹の里」と言う故事の話であった
狩に出て雨に遭った道灌がとある家で蓑を借りたいと頼むと
村娘は山吹の花の一輪を差し出した という
八重山吹は実を付けないと言うことから
実のない=蓑ない と掛けている
その時道灌は意味がわからず憤慨して帰ったが
後から意味を知り自分の無学を恥じたと言うことです
今、実家ではそんな昔のお雛様など飾られないだろうな
土蔵の長持の中でたくさんの雛たちはどうなっているだろうか
長持はネズミにかじられ
お雛様もボロボロになってしまったかもしれない
山吹の里のお雛様、結婚する時貰ってきたかったなあ
今となってはあとの祭であるけれど。
山吹の花を見ると
母とお雛様を飾った時代をなつかしく思い出す
YouTube がんばろう!人類 コカリナ放送局 第15回
矢口周美さんの歌
「すべての日々、我に益あり」
よろしかったらお聴きになってみて下さい