時事解説「ディストピア」

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やはり懐柔策だったキューバ国交正常化交渉

2015-03-02 00:45:55 | リビア・ウクライナ・南米・中東
アメリカの外交戦略はブッシュ政権時から変わっていないどころか、
冷静に振り返ってみると、アラブの春以降、その強硬姿勢はむしろ強まってすらいる。


たとえば、北朝鮮に対しては、何度も北朝鮮国境付近での軍事演習を止めるよう
要請している(しかも北朝鮮は、それと引き換えに自国の核実験の自粛を提示した
にも関わらず、今年も米韓合同軍事演習は実行された。

この演習は先制攻撃を想定したものであり、核搭載が可能な戦闘機も用いられている。
仮に日本が東京湾の領海付近でこれをやられたらどう思うか…想像してほしい。


東ウクライナに関しても、現地住民による住民投票の結果、独立政府が樹立されたのに、
テロリストが占拠しているということにして、空爆を繰り返し自国民を虐殺している
キエフ政権を支援し、それどころか自国のエージェントを同政権の閣僚に任命させている。


あまりにも帝国主義的な政策を行っているアメリカ。
キューバにだけ態度が変化するということはない。そのことを私は以前から指摘している。


さて、赤旗を読むと、案の定、交渉が難航していることが書かれていた。


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米国とキューバの国交正常化交渉の2回目が2月27日、米国務省で行われました。
米政府のキューバに対するテロ支援国家の指定をめぐり両国間に見解の相違が依然としてあり、
国交回復に向けた大使館の相互設置の合意には至りませんでしたが、
両国とも引き続き前向きに協議を続ける姿勢です。


キューバ外務省のビダル米国担当局長ら代表団は今回の交渉を「進展があった」と評価。
キューバ側はテロ支援国家指定の解除を強く求めています。

ビダル局長は交渉後の記者会見で、指定の解除は国交正常化の前提条件ではないが、
キューバにとって優先事項で「重要な問題だ」と強調しました。



次回の交渉日は決まっていませんが、両国は引き続き連絡を取り合うとしています。
ビダル局長は指定の解除について、数週間以内に前進があるとの見方を示しました。



テロ支援国家の指定の解除について米国側は、
国交正常化の交渉とは別問題との従来の姿勢を示しました。

一方で、米側の代表、ジェイコブソン国務次官補(西半球担当)は、
今回の交渉は「生産的で励みになるものだ」としました。



米政府は、オバマ米大統領とキューバのラウル・カストロ国家評議会議長が
出席する予定の4月の米州首脳会議までに、大使館の相互設置などで合意する意向です。
ジェイコブソン国務次官補は交渉後の記者会見で、同首脳会議までの合意は「できると思う」と述べました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2015-03-01/2015030106_01_1.html

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赤旗は半分好意的に解釈しているが、ロシアトゥデイは批判的に述べている。

Progress made as US, Cuba meet for round two of diplomatic normalization talks

She added to Reuters that
彼女(ビダル局長)はルーター通信に
it would be "very difficult to say that we have re-established relations
「我が国の名がテロ支援国家のリストに残っている限り、関係が再構築されたとは言い難い。
with our country still on a list that
 キューバはこれまでも、そしてこれからもそのリストに該当しない。」
we believe very, very firmly that we have never belonged to and we do not belong to."


つまり、テロ支援国家の指定解除が前提条件だと述べているのである。
これは当然だろう。アメリカはこれを口実に経済制裁を正当化してきたのだから。



アメリカの考えは、テロ支援国家というレッテルを剝がさないまま、
キューバとの外交改善を目指すことにある。識者は今回の和平案はトロイの馬だとコメントした。

US-Cuba thaw opens door to 'American Trojan horse'

時間があれば、翻訳したいと思う(いつも通りの意訳&要約だが)。

いずれにせよ、フィデル・カストロが述べたように、
アメリカという国を信用せずに平和的に話し合うこと。それが肝要だ。