時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮侵略作戦に固執するアメリカ・韓国

2016-03-15 00:34:51 | 北朝鮮
水爆実験の時にも感じたのだが、
アメリカや韓国、日本のように北朝鮮の脅威を口実に自国の軍拡を進める国は、
「核ミサイルが日本やアメリカに飛んでくるぞ」と騒ぎ立てる一方で、
北朝鮮が米韓に対抗できるだけの兵力を持っていると発表すると
「そんなことはない!」とむきになって否定しようとする傾向がある。


---------------------------------------------
核弾頭の小型化

米、南の合同軍事演習が始まった直後、
金正恩第1書記が「核兵器開発事業を指導」したという報道が出た。
小型化された核弾頭の写真が配信された。

大陸間弾道ミサイルを実戦配備するためには、核弾頭の重さを1t以下にしなければならない。
今回の報道に対して、米、南の当局は「北にそのような能力はない」と否定した。

「北の核ミサイル脅威」を騒ぎ立て、MD(ミサイル防衛)強化と軍備拡充を主張してきた輩たちが、
実物を見せつけられると前言を翻す。無節操の典型だ。



今回の報道に先立ち、「北の能力」を認める主張がなされていた。
米本土防衛を担当する北方軍のゴートニー司令官は、昨年3月の記者会見で
「北朝鮮は核弾頭の小型化に成功しており、開発中の弾道ミサイルに搭載可能」と述べた。

同じ頃、米国の情報機関を統括し、大統領に毎日、ブリーフを行う国家情報局のクラッパー局長は、
米下院に対し、「北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの実戦配備に入っている」と報告した。

この二人は、今回の報道後も「自説」を繰り返し述べている。


「北の能力」を否定しないのであれば、「米本土攻撃の可能性」をなくすために、
対話と交渉を行うのが安全保障政策の常石だ。ところが他の目的のために事実が伏せられている。


そればかりか、朝鮮との対立を激化させ、自国民を危険にさらしている。無謀の代償は大きい。
核抑止力を持つ国に対して戦争を挑発する軍事演習など愚の骨頂だ。

http://chosonsinbo.com/jp/2016/03/skst-84/
---------------------------------------------

北朝鮮の戦闘能力を低く見積もるのは、以下のような事情がある。


------------------------------------------------------
メディアの立ち合いのもと行われた合同演習で、米国と韓国は、
装甲車を用いた「北朝鮮の海岸」における強襲揚陸力を訓練した。NHKが報じた。


海兵隊員1万7000人、船30隻、航空機70機と、兵器や人員規模で記録的な演習となった。
両軍司令部とも任務遂行状況に肯定的な評価を与えた。

これに対し、土曜朝、北朝鮮軍本部は、演習中に北朝鮮の領土への脅威が発生した場合、
米国に「予防攻撃」を行う
、と脅迫した。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/asia/20160313/1772521.html#ixzz42tH7KxH5

------------------------------------------------------

一般的感覚として、
これは「脅迫」ではなく「警告」というものだが、
北朝鮮が行うと「脅迫」や「挑発」になってしまう。




目の前で自国を侵略しようとする敵国に対して、
「これ以上の演習を行うならば、攻撃する場合も起こり得る」と警告する。


これが私たちが散々気にしている北朝鮮の脅威というものである。




オバマ・パククネ
「北朝鮮は核兵器で俺たちを狙っているんだーー!!!
 人工衛星だと?核ミサイルだぁーーー!!!」




北朝鮮「水爆実験に成功しました。核弾頭の小型化に成功しました。
    これ以上、合同軍事演習をするなら攻撃も考えます。すぐにやめてください」





オバマ・パククネ
「北朝鮮にそんな力ないよ。」




そこまでして軍事演習を中止したくないのか……

現在、展開されている合同軍事演習は「演習」という表現では不適格なほど危険な行為だ。



------------------------------------------
合同軍事演習には、
米兵が例年の2倍にあたる1万7000人、韓国兵が1.7倍の30万人参加し、
原子力空母ジョン・C・ステニス、F22ステルス戦闘機、B2ステルス戦略爆撃機など
米軍の戦略兵器が次々と投入されている。

韓国・浦項の海岸では上陸作戦「双竜訓練」が実施され、上陸にとどまらず内陸深く侵攻し、
核・ミサイル施設の破壊や指導者の「斬首作戦」訓練も実施されるという。

米軍は中東でテロ組織の幹部を射殺する作戦に従事した特殊部隊を2月初めに韓国に派遣し、
さらに先制攻撃を想定した作戦計画「5015」を運用するとしている。


これは、たんなる軍事訓練ではなく、実際の軍事侵攻作戦の強行である。
もはや防御作戦ではなく、先制攻撃だ。こうした大規模な軍事作戦の展開は、
朝鮮側をあからさまに挑発することになり、一触即発の危険な状況を生み出している。

朝鮮半島と日本の平和を望む私たちは、
この軍事演習が4月末まで継続されることを絶対に認めることはできない。
米国政府に対し、戦争を招き寄せる軍事演習を即時中止するよう要請する。

朝鮮半島の非核平和は話し合いによってのみ実現する。
米国政府が朝鮮と真しに向き合い、
平和協定の締結について話し合いを始めるよう求める。


http://chosonsinbo.com/jp/2016/03/11suk/
------------------------------------------

上の文章は「朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会」という名の団体が発表したものだ。

基本的に、この団体は北朝鮮の意向を強く反映しているので、
北朝鮮が合同軍事演習をどのように捉えているのか、あるいは
北朝鮮がアメリカとどのような関係を結びたいのかを知る参考になると思われる。


米韓合同軍事演習は例えるならば、

中国がロシアと一緒に日本の領海付近で米軍・自衛隊基地を爆撃し、
沖縄、北海道などに上陸・占領する練習を毎年行っているようなものである。



仮に日本が中国やロシアに同じ真似をされたら、当然、抗議するだろうし、
それにも応じず、あまつさえ経済制裁すらするものなら侵略に備えて軍備拡張に備えるだろう。


経済制裁の真の狙いは北朝鮮の防衛力の低下にある。
 それゆえに北朝鮮は軍縮・核放棄に踏み切ることができない。

 
 こういう事情を知ってか知らずか、日本のメディアや知識人たちは
 「国内にはお腹をすかせている人が大勢いるのに・・・」とたそがれている。

このサイトで散々、指摘しているが北朝鮮の食糧事情は実際にはかなり改善された。
今では国際連合食糧農業機関(FAO)と協力して、一応は問題ないレベルまで回復している。

「一応」と書いたのは、まだまだ地域差があり、更なる改善と増産が求められているからだが、
 独裁者の金正恩が真剣にこの問題に取り組んでいる一方で、
 平和と正義を希求している日本の主流左翼は、米粒ひとつ送ろうとしない。 

 せめて、同国の農業生産に支障をきたすような経済制裁に対して真っ向から反対すること、
 これは中国政府やロシア政府でさえ発言しているものだが、それもない。


こういう偽善的なヒューマニズムが闊歩している状態で、
平和や護憲に意味があるのだろうか?



去年の平和運動が一見、賑やかでありながら結果的には単なるお祭りで終わったのも、
彼らの主張そのものに致命的な欠陥があるからだと私は思うのだが・・・・・・


北朝鮮の脅威を煽りながら、都合の悪い時には同国の軍事力を過小評価する米韓も大概だが、
北朝鮮の脅威を喧伝しながら、いざ自国が軍拡に進むと「やめろー!」と騒ぐ左翼も矛盾している。

右翼は、この点を上手く突き、「北朝鮮からの攻撃をどう防ぐつもりだ?」と批判している。
これに対して大抵の左翼は話し合いを主張しているが、やはり苦しい言い訳だろう。

「そんな脅威はない。むしろ向こうのほうがアメリカの脅威にさらされているのだ」
 と答えない限り、このままズルズルとなし崩しに軍備拡張が行われるのは必至だ。