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時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

米軍によるアフガン北部の病院への爆撃

2015-10-04 23:10:09 | 中東
アフガニスタン北部の町クンドゥズにある病院が
アメリカ軍の爆撃を受け、37名の命が儚く散った。

報告によると、犠牲者は全員「国境なき医師団」のスタッフだったらしい。
この事件は国連でも取り上げられ、国際的な問題に発展している。


オバマは「悲劇的な事件だ」とコメントしたが、
アフガニスタンへの派兵拡大を主張したのはオバマ本人だ。


さて、この事件は各新聞でも報じられているが、
我らが朝日新聞では、数日前に次のような記事を載せている。


「タリバーンの恐怖、もう限界」 占拠のクンドゥズ

タリバンを悪魔化することで一番得をするのは、
タリバンから民衆を解放するという口実で他国に軍事干渉している国だ。

また、タリバンの「悪業」を日常的に報道する一方で、
アメリカのそれは誤爆という「ミス」で表現する。これのどこが中立的な報道か。

クントゥズは元々、北部同盟という反タリバン派が掌握していた地域だ。
当然、タリバンに不満がある人間は多いだろうし、タリバンも残虐になるだろう。


しかし、そもそもの問題として、
元々タリバンが治めていたアフガニスタンを
戦争という手段をもって破壊したのはどこのどいつだ
という問いがある。

このことについて忘却している連中がどれほどいるだろう。


朝日新聞をはじめ、
タリバンは「反政府勢力」と書かれるが、
これがチベットになると「亡命政権」と表現される。


いかにニュースというものが偏ったものかであるかよくわかることだろう。

とはいえ、偏っていること自体が悪いことではない。

ジャーナリストの本多勝一氏は
「事実と言うものは主観的にならざるを得ない、
 問題はどの側に立つかということだ」と自著で主張している。


少なくともアメリカの空爆を「誤爆」と表現するメディアは
沖縄の米軍基地周辺で米軍のせいで日本人が命を落としても「事故」と表現するだろう。


そこには、アメリカの軍事政策は本当に正しいのだろうかという疑問は無い。
それは誰の側に立つものか。誰が喜ぶものであるのか。言うまでもあるまい。


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