アベノミクス新3本の過去最高記録
=非正規雇用初の4割・内部留保354兆円・ワーキングプア1,140万人、
日本は世界最悪の非正規差別大国
この記事より前に書いた中国経済の記事だが、ちょっと思う所があって削除した。
理由としては、自分はあくまで経済に関しては素人なので、
専門用語を用いて攻撃されても反撃できる自信がないからというものがある。
一応、専門家の意見をいくつか読んだ上で書いたものだが、
彼らの間でも賛成派と反対派に分かれている以上、首を突っ込むのはやめようかと感じた次第。
ただ、GDPの成長率のみを根拠に中国経済の減速を語るのは、
内部の賃金向上や消費の増加を無視した極論だという意見自体は正しいかと思う。
特に労働条件の改善に取り組みが本格化している点を無視するわけにはいかないだろう。
ついでに言えば、中国経済低迷論は国際的に見れば少数派であり、
世界のほとんどの予測機関はアメリカに代わって中国が世界一の経済体になると分析している。
(私が外国メディアの活用をやたらと重視するのも、こういう点が大きい)
まぁ、分析が外れるか否かは時間が経たないとわからないものだが。
さて、それはさておいて、アベノミクスという言葉、以前は何かと騒がれて、
やれ景気が回復した、雇用が増えたと提灯記事ばかりが載っていたが、
ここに来て、この経済政策が成功したという話をあまり聞かなくなってしまった。
(以下、記事というよりはボヤキのような文章)
アベノミクスは大震災以上に庶民の暮らしを破壊している
=民主党政権下かつ東日本大震災下の2011年より勤労者世帯実収入も
家計消費支出も減少させているアベノミクス
まぁ、実質賃金が下がる一方で非正規社員が4割に達した今、
「景気はよくなってるでー」とは言いづらいのではないだろうか?
「民主党政権下かつ東日本大震災下の2011年よりも
アベノミクスは勤労者世帯の実収入も家計消費支出も落ち込んでいるのです。
勤労者庶民にとってアベノミクスで「実感できる」のは家計の苦しさだけです。」
(上記記事より)
という言葉は全くもってそのとおりとしか言いようがない。
4~6月期の実質GDP、年率1.6%減 消費と輸出が低迷
ただし、アベノミクス支持派が消えたわけではない。
“反アベノミクス”に反論。「雇用の質は改善していない」のウソ
なぜアベノミクスで庶民の給料は上がらなかったのか?
「株価急落=アベノミクス失敗」は正しいか 金融緩和の効果を素直に認めない残念な人達
彼らの言い分をまとめると、
①景気は良くなっている。実感できないだけだ
②アベノミクスは失業者を救っているのだ
③成功は「そのうち」実感できる
の3点に絞られるかと思う。
そこで①に関して言えば、下関市立大学教授である関野秀明氏が
政府の公的統計をもとに作成した資料を見てみると、
2012年には1.8%であった実質GDP成長率が2014年には0%になっている。
この期間、実質賃金は連続して低下し、非正規社員も全体の4割に達した。
ちなみに浜田氏は雇用者報酬は増えたと言っているのだが、
彼の場合、名目賃金を指しており、実質賃金ではない。
つまり、野党をはじめアベノミクス批判者は実質賃金の下降を問題にしているのに、
浜田氏は名目賃金の上昇に触れて反論を行っている。この点、かなり巧妙だなと感じる。
②に関して言えば、
立命館大学のm尾匡教授は有効求人倍率の上昇をもって、
アベノミクス成功を主張していたが、そもそも有効求人倍率とは
求人数をハローワークに登録済みの求職者数(有効求人者数)で割った率なので、
例えば、100件の求人があったとしても求職者数が200人から100人に減れば、
それだけで倍率は0.5から1.0に増える。まさに数字のマジック。
実際に、HWに登録した人間の就職者数を見ると2013年の1-3月で約18.5万であるのに対して、
その2年後の2015年1-3月では約16.5万に減っている。それも徐々に減っている。
この数はリーマン・ショック時の水準と同じ値である。
ゴチャゴチャしてわかりずらいが、要するに求人倍率が上がっているのに
実際に就職できた人間が減り続けているという現象が起きている。
この原因として挙げられるのが労働条件であり、要するに働く意思はあるが、
賃金などの問題で応募を控える人間が増えたということではないだろうか?
(ちなみに正社員のみの求人倍率は1.0を越えたことがない)
アベノミクス支持者の中には非正規雇用が増えた事態をもって
「失業よりはマシ」と答えるのだが、面白いことにこの意見を唱えるものは
正規に雇用されている人間だったりする(松尾氏しかり浜田氏しかり)。
1千5百万円の借金まみれで「高学歴ワーキングプア」の仕事さえ失う若手研究者、
世界一高い高額費・奨学金という名のローン地獄・高学歴ワーキングプアという
貧困三重苦の将来不安抱える日本の大学院生
彼らの職場である大学では、上のような事態になっているのだが、
あまり気にならないらしい。ちなみに大学の非常勤講師は凄まじい薄給で、
それだけでは食っていけないので兼業している人間がかなり多い。
理系が有名だが、10年以上も非常勤講師を務めるワーキングプア研究者も少なくない。
そんなに非正規が問題ないのなら、あんたら辞職して非常勤講師になってよと言いたくもなる。
ちなみに不本意非正規雇用の割合が低いことを理由にアベノミクスを支持する人間もいるが、
不本意非正規雇用の割合は女性や高齢者も含めた全体的評価であり、年齢別・男女別に見ると、
一家の稼ぎ手となる25-34歳、35-44歳、45-54歳の非正規雇用の男性において、
不本意非正雇用の割合はいずれも半数に達し、最も高い。
逆に女性は割合が低く、その大半は既婚者である。
(http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2014/04/075.pdf)
完全失業者を基準にすると、
2014年で正規雇用を探している各月の平均男性失業者は25-34歳で24万に対して、
非正規を探している同年代の男性は5万、つまり6人いるうち5人は正規職を求めている。
この比率は年齢の上昇と共に、4対1(35-44歳)、3対1(45-55歳)と下降するが、
働き盛りの年代の男性が総じて正規雇用を求めていることはよくわかるはずだ。
(逆に女性は子育て等の影響か、比率が早い時期で逆転している)
http://www.stat.go.jp/info/today/097.htm#k7
こうしてみると、いかに「失業よりはマシだ!最も弱い立場の意見を考えろ!」論は
そいつ自身が全く現実を見ようとしていないことを如実に示していると思われる。
(ちなみに、アベノミクス支持者はアベノミクスが失業者を救ったと豪語するが、
いわゆる完全失業者と半失業者(現在求職中の就業者)の率は逆に増えている。)
安倍首相「雇用100万人増、2年連続賃上げ」→政府統計で
「正規雇用74万人減、実質賃金2年2カ月連続マイナス、
GDP2年連続マイナス(年率換算)、貧困激増させ戦後最大の大企業・富裕層だけ豊かさ享受」
総じて言える事だが、アベノミクス支持者は賃金が減っても「問題ない」、
ワーキングプアが増えても「問題ない」、実質GDPが減っても「問題ない」とし、
そのうち効果は実感できるから、その時を待てと言っている。
「そのうち」とは「どのうち」なのか、いつその日が来るのかを聞いてみたい。
今冬の「ボーナス過去最高」報道にみんな困惑している
そもそも、一般市民が景気向上を「実感」できないのは
彼らの実生活において恩恵が全くと言っていいほどないからである。
それどころか物価の上昇でかえって消費支出が減っている。
アベノミクス支持者は全体では「効果がある」と評価するが、
ほとんどの人間が感じない効果とは要するに富裕者にのみ恩恵のある効果である。
大企業や富裕者には実感できるが、一般人には実感できない状況。それを人は格差と呼ぶ。
結局、連中がやっているのは名目賃金のそれにせよ不本意非正規雇用率にせよ、
データや用語を巧妙に利用して実態を歪めているだけにすぎない。
だから、決してウソはついていないが、限りなく事実とかけ離れたものになってしまう。
この手の「そのうちわかる」論者を見ると、中国経済崩壊論者を彷彿させる。
彼らもまた15年近く前から中国経済の崩壊を予言しているが、
この間、中国経済が発達してもなお、「そのうち崩壊する」と言い続け、
今年に入り中国経済不調論が闊歩し始めると「な?ワイの言った通りやろ?」と語っている。
そりゃ中国だって永久に成長するわけじゃないんだからという話なのだが、
連中に言わせると「俺の分析は当たった(ニヤリ)」らしい。
こういう梅雨の時期に「そのうち雪が降るで(ニヤリ)」と語るような論法、どうなんだろう?
(12月に雪が降ると「ほら!俺の言ったとおりや!」と騒ぐ。そりゃ冬になれば降るだろう)
アベノミクス信者は今後も日本経済が本当に回復するまで
アベノミクス効果は実感できないだけと言い続けるのではないだろうか?
とすると、安倍が最後まで首相を務めるとすると2018年、
その結果がわかるのは2019~2020年とすると、アベノミクス信者が総括するのは
少なくとも後、4年は待たなくてはいけない。それまで目に見えて経済が悪化するとは
ちょっと考えられないので、結局、たいして効果がなかったとわかった後も、
「良い点もあった」と述べて当時、同政策を支持していた自己の責任を
回避しようと努めるのではないだろうか?連中のこれまでの言動を見る限り確実にそうすると思う。
=非正規雇用初の4割・内部留保354兆円・ワーキングプア1,140万人、
日本は世界最悪の非正規差別大国
この記事より前に書いた中国経済の記事だが、ちょっと思う所があって削除した。
理由としては、自分はあくまで経済に関しては素人なので、
専門用語を用いて攻撃されても反撃できる自信がないからというものがある。
一応、専門家の意見をいくつか読んだ上で書いたものだが、
彼らの間でも賛成派と反対派に分かれている以上、首を突っ込むのはやめようかと感じた次第。
ただ、GDPの成長率のみを根拠に中国経済の減速を語るのは、
内部の賃金向上や消費の増加を無視した極論だという意見自体は正しいかと思う。
特に労働条件の改善に取り組みが本格化している点を無視するわけにはいかないだろう。
ついでに言えば、中国経済低迷論は国際的に見れば少数派であり、
世界のほとんどの予測機関はアメリカに代わって中国が世界一の経済体になると分析している。
(私が外国メディアの活用をやたらと重視するのも、こういう点が大きい)
まぁ、分析が外れるか否かは時間が経たないとわからないものだが。
さて、それはさておいて、アベノミクスという言葉、以前は何かと騒がれて、
やれ景気が回復した、雇用が増えたと提灯記事ばかりが載っていたが、
ここに来て、この経済政策が成功したという話をあまり聞かなくなってしまった。
(以下、記事というよりはボヤキのような文章)
アベノミクスは大震災以上に庶民の暮らしを破壊している
=民主党政権下かつ東日本大震災下の2011年より勤労者世帯実収入も
家計消費支出も減少させているアベノミクス
まぁ、実質賃金が下がる一方で非正規社員が4割に達した今、
「景気はよくなってるでー」とは言いづらいのではないだろうか?
「民主党政権下かつ東日本大震災下の2011年よりも
アベノミクスは勤労者世帯の実収入も家計消費支出も落ち込んでいるのです。
勤労者庶民にとってアベノミクスで「実感できる」のは家計の苦しさだけです。」
(上記記事より)
という言葉は全くもってそのとおりとしか言いようがない。
4~6月期の実質GDP、年率1.6%減 消費と輸出が低迷
ただし、アベノミクス支持派が消えたわけではない。
“反アベノミクス”に反論。「雇用の質は改善していない」のウソ
なぜアベノミクスで庶民の給料は上がらなかったのか?
「株価急落=アベノミクス失敗」は正しいか 金融緩和の効果を素直に認めない残念な人達
彼らの言い分をまとめると、
①景気は良くなっている。実感できないだけだ
②アベノミクスは失業者を救っているのだ
③成功は「そのうち」実感できる
の3点に絞られるかと思う。
そこで①に関して言えば、下関市立大学教授である関野秀明氏が
政府の公的統計をもとに作成した資料を見てみると、
2012年には1.8%であった実質GDP成長率が2014年には0%になっている。
この期間、実質賃金は連続して低下し、非正規社員も全体の4割に達した。
ちなみに浜田氏は雇用者報酬は増えたと言っているのだが、
彼の場合、名目賃金を指しており、実質賃金ではない。
つまり、野党をはじめアベノミクス批判者は実質賃金の下降を問題にしているのに、
浜田氏は名目賃金の上昇に触れて反論を行っている。この点、かなり巧妙だなと感じる。
②に関して言えば、
立命館大学のm尾匡教授は有効求人倍率の上昇をもって、
アベノミクス成功を主張していたが、そもそも有効求人倍率とは
求人数をハローワークに登録済みの求職者数(有効求人者数)で割った率なので、
例えば、100件の求人があったとしても求職者数が200人から100人に減れば、
それだけで倍率は0.5から1.0に増える。まさに数字のマジック。
実際に、HWに登録した人間の就職者数を見ると2013年の1-3月で約18.5万であるのに対して、
その2年後の2015年1-3月では約16.5万に減っている。それも徐々に減っている。
この数はリーマン・ショック時の水準と同じ値である。
ゴチャゴチャしてわかりずらいが、要するに求人倍率が上がっているのに
実際に就職できた人間が減り続けているという現象が起きている。
この原因として挙げられるのが労働条件であり、要するに働く意思はあるが、
賃金などの問題で応募を控える人間が増えたということではないだろうか?
(ちなみに正社員のみの求人倍率は1.0を越えたことがない)
アベノミクス支持者の中には非正規雇用が増えた事態をもって
「失業よりはマシ」と答えるのだが、面白いことにこの意見を唱えるものは
正規に雇用されている人間だったりする(松尾氏しかり浜田氏しかり)。
1千5百万円の借金まみれで「高学歴ワーキングプア」の仕事さえ失う若手研究者、
世界一高い高額費・奨学金という名のローン地獄・高学歴ワーキングプアという
貧困三重苦の将来不安抱える日本の大学院生
彼らの職場である大学では、上のような事態になっているのだが、
あまり気にならないらしい。ちなみに大学の非常勤講師は凄まじい薄給で、
それだけでは食っていけないので兼業している人間がかなり多い。
理系が有名だが、10年以上も非常勤講師を務めるワーキングプア研究者も少なくない。
そんなに非正規が問題ないのなら、あんたら辞職して非常勤講師になってよと言いたくもなる。
ちなみに不本意非正規雇用の割合が低いことを理由にアベノミクスを支持する人間もいるが、
不本意非正規雇用の割合は女性や高齢者も含めた全体的評価であり、年齢別・男女別に見ると、
一家の稼ぎ手となる25-34歳、35-44歳、45-54歳の非正規雇用の男性において、
不本意非正雇用の割合はいずれも半数に達し、最も高い。
逆に女性は割合が低く、その大半は既婚者である。
(http://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2014/04/075.pdf)
完全失業者を基準にすると、
2014年で正規雇用を探している各月の平均男性失業者は25-34歳で24万に対して、
非正規を探している同年代の男性は5万、つまり6人いるうち5人は正規職を求めている。
この比率は年齢の上昇と共に、4対1(35-44歳)、3対1(45-55歳)と下降するが、
働き盛りの年代の男性が総じて正規雇用を求めていることはよくわかるはずだ。
(逆に女性は子育て等の影響か、比率が早い時期で逆転している)
http://www.stat.go.jp/info/today/097.htm#k7
こうしてみると、いかに「失業よりはマシだ!最も弱い立場の意見を考えろ!」論は
そいつ自身が全く現実を見ようとしていないことを如実に示していると思われる。
(ちなみに、アベノミクス支持者はアベノミクスが失業者を救ったと豪語するが、
いわゆる完全失業者と半失業者(現在求職中の就業者)の率は逆に増えている。)
安倍首相「雇用100万人増、2年連続賃上げ」→政府統計で
「正規雇用74万人減、実質賃金2年2カ月連続マイナス、
GDP2年連続マイナス(年率換算)、貧困激増させ戦後最大の大企業・富裕層だけ豊かさ享受」
総じて言える事だが、アベノミクス支持者は賃金が減っても「問題ない」、
ワーキングプアが増えても「問題ない」、実質GDPが減っても「問題ない」とし、
そのうち効果は実感できるから、その時を待てと言っている。
「そのうち」とは「どのうち」なのか、いつその日が来るのかを聞いてみたい。
今冬の「ボーナス過去最高」報道にみんな困惑している
そもそも、一般市民が景気向上を「実感」できないのは
彼らの実生活において恩恵が全くと言っていいほどないからである。
それどころか物価の上昇でかえって消費支出が減っている。
アベノミクス支持者は全体では「効果がある」と評価するが、
ほとんどの人間が感じない効果とは要するに富裕者にのみ恩恵のある効果である。
大企業や富裕者には実感できるが、一般人には実感できない状況。それを人は格差と呼ぶ。
結局、連中がやっているのは名目賃金のそれにせよ不本意非正規雇用率にせよ、
データや用語を巧妙に利用して実態を歪めているだけにすぎない。
だから、決してウソはついていないが、限りなく事実とかけ離れたものになってしまう。
この手の「そのうちわかる」論者を見ると、中国経済崩壊論者を彷彿させる。
彼らもまた15年近く前から中国経済の崩壊を予言しているが、
この間、中国経済が発達してもなお、「そのうち崩壊する」と言い続け、
今年に入り中国経済不調論が闊歩し始めると「な?ワイの言った通りやろ?」と語っている。
そりゃ中国だって永久に成長するわけじゃないんだからという話なのだが、
連中に言わせると「俺の分析は当たった(ニヤリ)」らしい。
こういう梅雨の時期に「そのうち雪が降るで(ニヤリ)」と語るような論法、どうなんだろう?
(12月に雪が降ると「ほら!俺の言ったとおりや!」と騒ぐ。そりゃ冬になれば降るだろう)
アベノミクス信者は今後も日本経済が本当に回復するまで
アベノミクス効果は実感できないだけと言い続けるのではないだろうか?
とすると、安倍が最後まで首相を務めるとすると2018年、
その結果がわかるのは2019~2020年とすると、アベノミクス信者が総括するのは
少なくとも後、4年は待たなくてはいけない。それまで目に見えて経済が悪化するとは
ちょっと考えられないので、結局、たいして効果がなかったとわかった後も、
「良い点もあった」と述べて当時、同政策を支持していた自己の責任を
回避しようと努めるのではないだろうか?連中のこれまでの言動を見る限り確実にそうすると思う。