時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

日本人に向けた人種差別は許されるのだろうか?

2015-10-22 23:05:42 | 浅学なる道(コラム)
南京事件が記憶遺産に登録されたことについてネットの反応を調べていたら、こんな記事が。



世界記憶遺産に南京事件関係資料が登録されたことに対して、いまさら日本南京学会に期待する意見を見かけて失笑した - 法華狼の日記


コメント欄に凄まじい人種差別者がいる。


「日本物には二種類の物しかいない。自覚している差別主義者と、無自覚な差別主義者と」

「間違いなく、ここにいる面々は日本物では良識的な部類だろう。しかし、それでもこの体たらく。
 あるブログの記事タイトルを拝借すれば、まさに腐った土壌で育ったせいか
 自分が中立を装っているウヨだと気付きもせずウヨ菌を撒き散らす性悪な偽善者たちだ。
 
 異常な民族と言われるに値することをしているのは、貴方たち自身だろ。
 こっちに責任転嫁するんじゃないよ。私の思考もその書き込みも、
 あらゆることが全て、貴方たち日本物のせいで起こっていることだ。」

「日本物には解らんだろうな。心底腐りきった蛆虫民族。醜悪な腐れ民族。
 ネットでちょこちょこ書かれたぐらいで差別差別と喧しいゴミ民族。
 アタマわいてんのか?お前らの血は何色だ?
 臭く濁りきってるのに、自分では気付かないのは、脳味噌も腐りきってるからか?」


どうです、香ばしいでしょう?

私は中国や北朝鮮、韓国に住む人間に対する人種差別、例えば
「万引きなんて朝鮮人みたいなことやるんじゃありません」といった発言に対しては
 断固として反対する立場だが、その逆もしかりで日本人に対する差別にも反対である。

コメント欄に書き込んでいる左翼も同じ考えらしく、厳しく非難しているが、
その中でちょっと浮いているのが、自称在日コリアンの方々。

日本政府(というより極右政治家)の南京事件否定論には敏感に反応するくせに、
ここまで露骨な日本人に対する人種差別発言に対しては一言も批判しない。

差別発言をしている人間も擁護している人間も「在日コリアン」を自称している。
コメント欄には「本当にコリアンなのか」と疑い証拠を要求する人間もいるが、
まぁ、私は一応、この連中が在日朝鮮人なのだという情報を信じることにする。

そこで彼らに言いたいのが
あなた達は日本人拉致を口実に日ごろ、散々差別発言を受けているのに、
 なぜ自分たちが行う差別を黙認するのですか?
」ということだ。

この擁護者によると、日本社会は在日コリアンを差別しているから
一連の差別発言も「一理ある」ことになるらしい。理由があれば何を言っても良いわけがない


また、コメント後半で、在日コリアンである証拠を要求する日本人が二名いるが、
彼らに対しても「証拠を要求することは差別に値する」らしい。


「あなたは「差別」とは何だと思っていますか?
 あなたが「ある在日」さんに反感を持つのは勝手ですが、
 同じことを繰り返すのはあまりに見苦しいし、その繰り言は極めて差別的です。
 もう少し考えましょう。」

自分の受けた差別行為を語らないのはなどという思考は根本的に差別を理解していません。

的外れな批判は「根本的に差別を理解していない」だけではなく、
 自らの(差別を語る側の)差別性が鮮明になるだけです。

 差別を語るというのは、ある意味容易ではありません。自らの差別性と常に向き合い、
 その差別社会の構成員としての責任を自覚していなければいけません。」

私が読む限りでは、証拠を要求する人間はどちらも、
異民族に対して極めて友好的な態度をとっているように見える。
(批判者の中の一人は私が日ごろ語っている反共左翼の問題や池上彰氏批判にも
 言及していて、少しだけシンパシーを感じる。まぁ、コメントを読む限りの話だが)

批判者の中には、左翼に対して罵倒する一方で、
別の記事に出現しているネトウヨに対しては文句を一言も言わないのは変だ

と発言している者もいる。これは私も感じていたことだ。

この人種差別者は自称在日コリアンで、
在日コリアンを虐める日本人が許せないらしいのだが、
なぜか右翼を絶対に攻撃しないで、かわりに左翼を罵倒している。


何というべきか・・・「俺はお前をぜってーにゆるせねー!」と言いつつ、
味方を攻撃しているような意味不明な言動。何がしたいのだろうか?

正体を疑われるのも仕方ないだろう。

差別だ何だのと怒るほど、この人物に同情すべき点が見当たらない。

どう見ても自業自得である。

とまぁ、あれこれ語ったが、私はこのコメント欄のやりとりを見て、
ナショナリズムというものは実にくだらないものだなと感じた。

人種差別や民族差別、女性差別、年齢差別、宗教への差別といったものには色がない。

黒人に対する差別はノーだが、日本人に対するそれはイエスだとか、
北朝鮮に対する差別はイエスだが、韓国に対するそれはノーだとか言うのは絶対におかしい。

おそらく、この在日コリアンの連中は日ごろ、それなりに非道い目にあっているのだろう。
だが、悲しいかな、彼らが受けた苦しみは、まさに彼らが与える苦しみで無化されている。

仮に彼らが私たちに対して謝罪を要求しても、それは決して叶えられないだろう。
人種差別者が何を言っても、決して同情されはしないのである。

彼らは私たちと本質的に違う存在なのだから。

こういう連中に在日コリアンの代表を気取られて、他のマイノリティが気の毒だ。
私たち日本人も一部右翼のせいで、やたらとイメージを悪くされているような気がするが、
そういう事情は、どこの民族も同じなのか?

ネットで日本人あるいは在日コリアンといった民族性を過度に強調し、
そのことをもって自己正当化を図ろうとする人たちは十分気をつけたほうがいい。

そのことが逆に自分たち民族のイメージを悪化させるからだ。

中国経済は本当に衰えているのか?

2015-10-22 21:52:33 | 中国(反共批判)
テレビや大手新聞、経済誌では中国経済の成長率低下を大きく取り上げている。

逆を言えば、それだけ中国経済に関心があるということだが、
冷戦終結以降からの中国崩壊論に乗っかってるだけにも見える。

実際、ほとんどのメディア6.9%に低下したことをもって「低迷」と結論付けているが、
今年3月に開いた国会で「本年の目標成長率は7%にする」と決めていたことには触れていない。

中国「今年のGDP成長率は7%前後にしよう」

中国「今年の成長率は6.9%になりそうだ」

日本の大部分一部メディア「中国の経済は低迷している!」


・・・・・・という有様で、これはちょっとファニーというか手を抜いてないか?と思う。

以前の記事で私はGDP成長率の低下は、ある程度計算済みのことと書いた。
今の中国は、GDPを増やすことよりも汚職や格差問題の解決に力を入れている。

つまり、GDP成長を犠牲にして国内の浄化に努めているだけで、
その意味では十分予測済みの事態だったわけである。

以前、中国の貧困について書いたが、激減したとはいえ、
中国には依然、7千万の貧困者が存在し、現状改善が希求されている。

習政権は2013~2018年までの期間を汚職撤廃・格差解消に重点を置くと発表している。
これを踏まえた上で改めて分析すると、どうなるのだろうか?

次の記事を読んでみよう。


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中国経済発展をけん引する「三頭立て馬車(輸出・投資・消費)」のうち、
2頭が振るわない状況のもと、消費だけが孤軍奮闘している。

~中略~

消費と同様、住民所得も大幅な増加が続いている。

今年第1-3四半期、全国の住民1人当たり可処分所得は16367元(約30万8千円)、
前年同期比実質7.7%増、ふたたびGDP成長率を上回った。

このうち都市部住民の一人当たり可処分所得は同6.8%、農民は同8.1%、それぞれ増加した

国家統計局の盛来運報道官は、
「昨年以降、住民一人当たり可処分所得の成長率はGDP成長率を上回る傾向にある。
 これは、中国政府が恵民政策に力を入れ、一連の所得増促進政策・措置
 着実に実施されていることと切り離しては考えられない。
 経済構造は着実に合理化されている」とコメントした。

中国国際経済交流センター研究部の王軍・副部長は、

これまで、中国経済の急成長は、環境破壊と自然資源の大規模開発という代償が伴うもので、
 一般庶民は決して、実質的な福利を得ることはなかった。

 今、経済成長が減速しているが、中国経済の質や収益性は改善されており、
 構造は合理化され、国民が大きな関心を抱いている大気の質や医療などの問題も、
 大幅な改善が得られた」とコメントした。

銀河証券首席エコノミストの左小蕾氏は、
「中国の国民一人当たりGDPは間もなく1万ドルの大台を突破し、
 GDP成長率は7%前後を維持、同時期の米国や日本をはるかに上回るであろう。

 また、従来のGDP至上主義の発展モデルや評価基準はすでに時代遅れであり、
 0.数パーセントの変動に一喜一憂することは、全くもってナンセンスだ
」と指摘した。

http://j.people.com.cn/n/2015/1021/c94476-8964661-2.html
--------------------------------------------------------

上の記事は、中国経済のプラスの部分だけを書いたわけではなく、
マイナスの部分もきちんと書いている良い記事だと思う。

(全文は以下のページに記載されている。
 http://j.people.com.cn/n/2015/1021/c94476-8964661.html)

現地の専門家はもちろんのこと、平井潤一氏をはじめとして
日本にも真面目に研究している人もいるのだが、
悲しいかな、彼らには自身の意見を日本大衆に公表する機会があまりない。


池上彰氏の中国経済崩壊論はもちろんのこと、
近藤大介氏の中国本(『日中再逆転』、中国経済「1100兆円破綻」の衝撃)、
加藤嘉一氏の中国論(『中国民主化研究』、ダイヤモンド連載のコラム記事)等々、
一見正しいようで、よく考えるとちょっとおかしい内容の本が主流になっている気がする。

少なくとも、私が書店でチェックする限りでは、
東洋経済やダイヤモンドなどの経済専門の出版社ですら、同様の有様だった。

特に東洋経済は、あの1993年から中国は滅びると予言している長谷川 慶太郎に
『中国崩壊前夜』とか『中国大減速の末路』といった本を書かせている。マジか。

悪化は良貨を駆逐すると言うが、それは真実だなと思う次第である。

今年の8月、中国の通貨「人民元」は、円を抜き世界第4位の決済通貨となった。
AIIBもしかり、依然、中国の経済的パワーは拡大する一途に見える。

中国経済が衰退したというよりはむしろ、
社会の公正や民衆の生活を重んじる路線へと変更したと見るべきだ。
(その背景には日本や欧米の右翼が面白そうに語る深刻な社会問題が存在する)


向こうのメディアに触れてみても、中国が抱える問題は山積みだが、
重要なのは、今の中国共産党がヤル気になっているという点である。

このような改革志向の姿勢は、昔ながらの談合でロゴマークだの競技場だの
無駄金と事件ばかり起こしている某腐敗政府とは真逆の態度であろう。

中国を叩くのは本当に簡単だし、叩くことで得られる経済的メリットはデカいわけだが、
現実を認識しないというのは、まるで目隠しをして走っているようなもので、
保守も革新も中国の変化に対して、きちんと対処して政策を打ち出すべきだ。

偽装難民とは何か

2015-10-19 00:54:51 | リビア・ウクライナ・南米・中東

誇り高き日本人が描いたイラストが海外で差別を肯定する内容だと非難を受けている。


難民の少女を揶揄するイラストで世界中から非難を浴びた漫画家が
今度は「在日」攻撃イラスト投稿! 根底にあるヘイトとデマ体質


リテラの記事は大変意義があるものと思うが、他方で説明不足の部分もある。

そこで、この記事では難民or偽装難民とは何かということについて話したいと思う。



まず、問題のイラストでは次のようなキャプションが書かれている。

「安全に暮らしたい 清潔な暮らしを送りたい 美味しいものが食べたい 
 自由に遊びに行きたい おしゃれがしたい 贅沢がしたい 
 何の苦労もなく生きたいように生きていきたい 他人の金で。
 そうだ、難民しよう。」



あたかも難民として認定されれば遊んで暮らせるかのようだ。実際にはどうだろうか?

結論から述べると、難民に認定されるとは、
その国で生活することを許可されただけ
にすぎない。



ここで日本を例に説明すると、
難民と認定された人間でも、生活を送るためには働かなければならない。
勘違いされがちだが、難民にも納税の義務がある



http://www.rhq.gr.jp/japanese/profile/business.htm

↑のページは政府公認の難民支援団体のものだが、
ここのサービスは職業訓練や日本語などの技能を身につかせるもので、
大金をポンと手渡すようなものではない。このことを知らない人間は多いと思う。


難民で問題になっているドイツでも、
申請期間中は仮設住宅に住み、食事や医療を受けるサービスがあるが、
他方で就労が許されず、施設から離れることもできない。

時給1,05ユーロ(1ユーロ=135円)で軽い手伝いぐらいは出来るが、
これを逆手にとって申請者に低賃金労働をさせる悪徳業者も存在する。

難民と認められれば日本と同様、
職業訓練を受けたり語学を学びながら仕事を覚え、労働者として働くことになる。

実のところ、ドイツに難民が殺到するのは、この仕事を探せるという点が大きい。

ドイツはなぜ大勢の難民が受け入れられるのか
シリア難民はなぜドイツを目指すのか?


ドイツでは労働者が不足しており、外国人労働者を求めている。

「清潔な暮らしを送りたい 美味しいものが食べたい 
 自由に遊びに行きたい おしゃれがしたい 贅沢がしたい
 何の苦労もなく生きたいように生きていきたい 他人の金で」とはいかないのである。




このイラストを描いた「はすみとしこ」氏は、Facebookで以下の発言をしている。

「このイラストは全ての難民を否定するものではありません。
 本当に救われるべき難民に紛れてやってくる偽装難民を揶揄したものです」


はすみ氏もリテラも「偽装難民」とは何なのかについて書いていない。
読者の中にもよくわかっていない人間は多いのではないだろうか?


簡潔に説明すると、偽装難民とは不法就労者の一種である。

外国人がその国で働くには就労ビザというものが必要になるが、
このビザは就職先が決まっていない限り取得することが出来ない。

就ける職業自体も制限されており、そのため貧困が理由で
途上国出身の出稼ぎ労働者には、なかなかハードルが高い。

そのため、観光ビザで入国して働いたり、
在留期間が経過した後も現地に留まり働き続ける不法就労者が増加している。

不法就労者は発見次第、強制送還されるので、病院で治療を受けることもできない。
また、奴隷労働を強いられても訴えることが出来ないデメリットがある。

そこで、難民として認められることで、きちんと治療が受けられる、
まっとうな職場で働けるなどのメリットを得ようとする人間が出てくる。これが偽装難民だ。

ここで私は「メリット」と書いたが、
難民は単に「そこに住むことを許された外国人」にすぎない。

どうも、はすみ氏を初めとした差別主義者は
無条件で生活費をもらえると勘違いしているようだが、それは大きな間違いだ。

また、リテラは
「細かな状況を把握しない者が「偽装」の側面を強調したイラストを描くことは、
 難民に対する偏見のばらまきでなくて何なのだろうか。」と書いているが、
当のリテラが、まるで偽装難民が不労所得を求める外国人であるかのように認識している。

「偽装」の意味を理解していない。これは問題だろう。



最後に、難民に対して左翼にも言えるだろう誤解について触れたいと思う。

ほとんどの難民は途上国が受け入れたり、国内の比較的、平和な地域に避難しているため、
十分なサービスを受けることが出来ず、そのため難民=貧しいというイメージがあると思う。


だが、先進国の難民に至っては、その限りでない
そもそも本当に貧しい難民は外国に行くだけのお金がない。

シリアの難民のほとんどが国内難民だったり、
隣国のレバノン・ヨルダン・イラクに逃れるのはそのためだ。

はすみ氏がトレースした写真にしても、レバノンの難民が被写体である。

もちろん、先進国の難民も苦労して到着したわけだし、
その詳細は例えば『難民を追いつめる国』(緑風出版、2005年)を読むとよくわかる。

しかし、そうであるからこそ、難民には先進国に対する忠誠心が求められるし、
戦禍というよりは政治犯の容疑者であるために逃れてきた反体制派もいるわけで、
その点を考えずに彼らの意見=難民の総意であるように伝えるのは浅はかだと思う。

例えば、さる難民支援のNPOは、シリア難民にインタビューし、
アサド政権に嫌疑をかけられて逃れてきたこと、アサド体制の崩壊を望むことなどを
語らせているが、他方で反体制派も捕虜や市民を虐殺していることに一切触れようとしない。

現在、アメリカとイギリスが「アサド政権がシリアで人権侵害をしている」と非難する
根拠となっているのがシリア人権監視団というイギリスの団体のレポートなのだが、
この団体は亡命シリア人のラミ・アブドル・ラーマンという人物が設立した組織で、
会員はラーマン一人しかいない。
(実際に、誤報も指摘されている)

このエピソードに顕著に表れているように、難民を利用して(或いは難民の立場を利用して)
特定の国家の消滅を主張する人権団体が散在しているのである。


もちろん、反政府軍といえど、実際は市民がなっているのだから、
シリア軍だって住民虐殺を行っていることは容易に想像できるが、
非難の矛先がシリア軍9.5、反政府軍0.5ぐらいになっている。

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも、
ほとんどのシリア関連のニュースは政府軍の糾弾であり、
あたかもIS(イスラム国)など存在しないかのようである。

イスラム国の犯罪自体は、いくらでもニュースで報道されているわけだから
その気になれば、いくらでも記事を書けるはずだが、なぜか書かない。

ISもその他の反政府軍(ヌスラ戦線など)もやってることは同じなのだが、
あたかもISは邪教徒の群れだがヌスラ戦線は正義の味方であるかのようだ。

本当に平和を望んでいるのなら、特定の政権の崩壊ではなく、
両者の協議による内戦の終結を希望するのではないか?


現実的に考えても、イラクもアフガンもリビアも政権が崩壊することで
無政府状態になり、かえって内戦が激化して難民が増えてしまった。


こういう点を考えても、人権団体というものが
実際には何を求めているのかが何となくわかるのではないだろうか?

もちろん、メンバーやサポーター一人ひとりは良心的な人間だとは思う。
だが、彼らの思想や行動には致命的な欠陥があることは確かであるように感じるのだ。

中国の貧困問題対策について

2015-10-17 23:22:50 | 中国(反共批判)
一部の専門家も含め、日本では中国の貧困について語られる際に、
実態にのみ言及し、その対策について語らないことがしばしばある。


2014年の報告によると、中国の貧困人口は約7000万(!)で、
貧困率に換算すると5~6%ということになる。

日本の総人口の半分以上が貧困だと思えば、これは忌々しき事態であり、
それゆえに国内外の研究者もジャーナリストもこの問題について取り組んでいるのだろう。


ただ、日本の場合、得てして「いかに中国の民衆が苦しんでいるか」が強調され、
実は貧困率で比べると日本(16%)のほうが高いことは忘れられている気がする。

ついでに言えば、中国は2007年時点では貧困率が26%(!)だったが、
2012年で7%までに減らした
ということも本業の研究者はともかく、
いわゆる保守系のメディア(つまり書店に行けば必ず売ってる中国批判本)は触れていない。


加えて中国は年々、貧困ラインを上げている。
貧困とみなされる人間の1人当たり年間純所得が2007年までは200元未満だったが、
2008年以降は1196元未満、2011年以降は2300元未満となった。


つまり、貧困層にカウントされる人間は増えたはずなのに実際には減少したのである。

この原因として、中国政府が継続して熱心に貧困対策に取り組んでいたことが挙げられる。
中国政府は今、次のようなプランを立てている。


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1.国家レベルでの貧困扶助関連ビッグデータを完備し、
  貧困人口約7千人の居住地、居住エリア、貧困に陥った原因、
  彼らの需要、扶助の方法などを具体化かつ明確化する。

2.12万8千ある貧困村に対し、現地駐在業務チームを派遣、
  第1書記を選抜・派遣、貧困扶養対象者をめぐる業務体制を確立する。

3. 所得の増加、貧困扶助・転居、医療・健康、職業教育、生活保護などの分野で、
  住民をめぐる生産生活環境や環境条件の改善という基本的課題を解決する。

4.住民の生産発展、労働発展、外地での就業を計画・奨励する。

5.貧困地区において手本となる自力更生モデルを発揚し、
  貧困扶助・協力体制の優良モデルを制定し、トップからダウンまでが一致団結した、
   全国統一的な総力戦を繰り広げる。

http://j.people.com.cn/n/2015/1016/c94475-8963101-2.html
-------------------------------------------------------

これに加えて、習近平が政権に就いて以降、
経済発展至上主義から所得分配を重視する動きへと変化した。

格差を承知で発展に勤しむ路線から、
発展を鈍らせてでも貧困層を減らすという動きにシフトした。
(それゆえに、2014年の成長率が7%にダウンしたのは、ある意味当然の帰結である)


こういう動きを知った上で7000万の貧困者がいると知る場合と、
何も知らずに7000万の貧困者がいると教えられる場合では中国に対する印象が全く異なってくる。


先日、さる中国研究者の方と会う機会があったのだが、
その人の話を聞いても、中国の負の部分はよくしゃべるのだが、
彼らが貧困問題についてどのように奮闘しているのかについては言及が全くなかった。


そういう理解の仕方ってどうなのかなと思うのだが、自分に当てはめてみれば
EUやアメリカのイスラム差別についてこれでもかと書く一方で、
その差別を解消しようとする動きには触れていないわけで、他人のことは言えない気がする。

とはいえ、中国のことを私たちがあまりよく知らないのは、
とりあえず中国をブっ叩いておけばそれで良いじゃんという雰囲気が
一部の学者(と信じたい)を含めた全体に漂っているからなんじゃないか
とは思う。

感想「シリア難民が成田に押し寄せる日」(中央公論2015年11月号)

2015-10-16 23:45:11 | 反共左翼
今月号の中央公論の対談。
ラディカル・ポリティクスというシリーズの一環らしい。

ラディカルというより、典型的なコンサバティブな対談だった。

しょっぱなから、難民キャンプをテロのリクルートセンターと断定
「ISISが難民と称してテロを送り込んでくる」とのたまっていた。
難民のふりをしたテロの入国という主張はネトウヨのそれと同一のものである。

ちなみにドイツ連邦情報局は難民の中にISISはいないと断言している。

では、佐藤と山内は難民受け入れに反対なのかと言うと、そうではないようで、
シリア難民を一人も受け入れない(山内談)イランは、
セム族優越主義の差別国家なのだそうだ。



イランが本当に一人もシリア難民を受け入れていないかどうかは定かではないが、
少なくともヨルダン、レバノン、イラクのシリア難民に救援物資を届けている。

Iran’s Red Crescent Sends 150 Tons of Aids to Syrian Refugees
Red Cross commends Iran for humanitarian aid to Syrian refugees

そして、山内は現在、世界で最も難民を受け入れている国の中に
イランがある(世界第2位)ことになぜか触れようとしない



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2012年末時点の世界における難民は約1,540万人であり,前年同時期より約130万人増。

主要な難民発生国は,
ア アフガニスタン(約256万人),
イ シリア(約247万人),
ウ ソマリア(約112万人)。

主要な難民ホスト国は,
ア パキスタン(約160万人),
イ イラン(約86万人),
ウ レバノン(約86万人),
エ ヨルダン(約64万人),
オ トルコ(約61万人)。

外務省のHPより
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あまり知られていないが、イラン・イラク戦争、
イラク・アフガン戦争とこれまでイランは多くの難民を受け入れてきた。

イランはアフガニスタンの隣国であり、
公式で約86万、非公式も含めると約300万の難民を国内に抱えている。

この間、経済制裁によって国内の経済事情が危うくなり、難民へのサービスが低下し、
そのことで人権団体から非難されているのも事実ではあるが、それでも受入国の上位に位置する。

そもそも、イランに向けて経済制裁を下したり、
アフガニスタンを攻撃したりしたのは一体どこの国なのか
と思えば、
大国の戦争のツケを途上国が払わされている現状に対して一切文句を言わず、
イランの対応が不十分だとふてくされる人権主義者様の皆様にはウンザリさせられる。


「よその国よりはマシではあるが、それでもなお不十分」という一文の
「不十分」の文字だけ切り取り、あれやこれやと騒ぎ立てる。品の無いことだ。

こうした事情を山内が一切知らないとは考えづらい。
意図的にシリアに味方する国家を悪漢として描こうとしているように見える。
(本当に無知のせいで語っていたならば、それはそれでよくプロを気取れるなと思うが。
 彼は岩波書店にも多くの著作を残しており、また事典も編纂している本物のプロだ。
 その彼が、イランがアフガンの難民を20年以上も受け入れていることを知らないはずがない)

山内は他にもロシアに難民が向かわない理由として、
「シリアをモジャモジャにした張本人だから」と決め付けた上で、
シリア人以外も行こうとはしませんけどね(笑)とコメントしているが、

その説明では、シリア国内の反体制武装組織に訓練を施し、
武器を与える欧米に難民がなぜ向かうのかが説明できない。



中央公論の別のページでは、西側の軍事支援も難民発生の原因として語る識者もいたが、
佐藤と山内は終始、プーチン、アサド政権の非難一辺倒で全然ラディカルではなかった。


佐藤にいたっては、先の難民=テロ発言もさることながら、
ヨーロッパは多宗教が共存している地域だからイスラム教徒には合わないという、要は

「イスラム教徒は他の宗教を認められないから日本やヨーロッパに来ても
 他人と共存するこどなど不可能であり、孤立感を覚えるに決まっている」


と言う理屈でシリア難民のEUへの移動をたしなめている始末だ。
(こういうヤツに原稿料を払って沖縄問題を語らせている『週刊金曜日』って何なんだ?)


しかも、佐藤は「欧米の反アサド派武装組織への支援が難民を発生させた」という
ロシアやシリアの言い分を知っているのである。


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シリアのジャアファリ国連大使が、一部の国連加盟国による
テロ組織への支援を無視しているとして国連のパン事務総長を批判しました。

シリアのテレビチャンネルによりますと、ジャアファリ国連大使は国連の非公式の会合で、
「パン事務総長は報告の中で、国連加盟国が100以上の国から
 多くのテロリストをシリアに派遣しているという事実を無視している」と表明しました。

ジャアファリ大使はまた、
「パン事務総長は、これらのテロ組織がシリアで人々に対する最悪の犯罪を行っており、
 最終的にシリアとその基盤を消滅させるということについて、まったく触れていない」としました。

さらに、シリア難民が海域で苦しんでいるのは、西側諸国の責任だとして、
彼ら難民は外国の支援を受けたテロリストの手から逃れようとしていると述べました。

ジャアファリ国連大使は、
「人権を叫ぶ多くの国は、難民に対して国境を閉ざしており、
 彼らを海で救出するのも控えている」と語りました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/57936
-%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%9B%BD%E9%80%A3%E5%A
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-----------------------------------------------------------

こういう意見を知りながら、どうせムスリムが来たって
ヨーロッパ社会で協調できないんだから来るなと遠まわしに言っているのが佐藤&山内。

実にラディカルである。どちらかと言えばウルトラナショナル(極右)だが。
同化できない人間を排除しようとするのは立派な排外主義である)



終始、このような論調で、アサドだけを攻撃するテロリストは善で、
アサドだけでなくヨーロッパでもテロを起こす集団は悪という認識のもとで話されていた。

ラディカルというよりは、産経や文春で語られているような偽善的な対談。
もっとも、私は山内氏や佐藤氏だけを非難しても意味がないと考えている。


本当に問題なのは、戦後日本を代表するであろう左翼出版社である岩波書店が
両者を好意的に受け入れ、しばしば本を書かせているという事実だろう。

岩波には、岩波現代文庫と題して、既存の出版物から
次世代の人間に伝えるべき作品を厳選収録したシリーズがあるのだが、
山内も佐藤もバッチリこの文庫に著者として参加している。


しかも山内は日本の軍事に直接コミットする国家安全保障局の顧問を務めたり、
歴史問題に関しても「中国や韓国は日本の悪事を殊更に強調している」という内容の
評論文を読売新聞に寄稿したり、産経で同じ趣旨のコラムを書いたりしている人物なのだが、
彼に何度も本を書かせた岩波書店とは一体何なのだろうか。これは避けて通れない問題だと思う。


北朝鮮、アメリカに平和協定の締結を提案する

2015-10-16 00:35:53 | 北朝鮮
何度か書いていることだが、北朝鮮は一貫して
米韓軍事演習の中止と引き換えの平和条約の締結と核開発の停止を提案している。


つまり、アメリカと韓国が敵視政策を止め、
軍事演習の停止に合意さえすれば、簡単に北朝鮮の核問題は解決される。



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米国に平和協定締結促す/朝鮮外務省が代弁人談話を発表

朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省は7日、
スポークスマン談話を発表し、米国に対して平和協定の締結を促した。
また、米国が敵視政策を放棄すれば、朝鮮が建設的な対話に応じる用意があると指摘した。

談話は、停戦協定が締結されてから60年以上経ったが、
朝鮮半島ではいまだに恒久平和が遂げられずにいることに言及し、
米国と南朝鮮が朝鮮半島と周辺で各種名目の大小の軍事演習を絶えず行っていることによって、
偶発的な事件によっても予測できない事態が起こる危険性が日増しに大きくなっている
と指摘した。

特に、原因不明の些細な事件によって情勢が交戦直前にまで至った「8月事態」は、
名ばかり残っている現在の停戦協定によっては朝鮮半島で
これ以上平和を維持することができないという教訓を残したと強調した。

また、朝鮮半島で全面戦が起こらないという保証はなく、
その場合、容易に世界大戦に広がるとしながら、このような深刻な事態を防ぐためには、
朝米が一日も早く古びた停戦協定を廃棄し、新たな平和協定を締結して
朝鮮半島に恒久平和システムを樹立しなければならないとした。

談話は、米国は停戦体制を維持しようとする時代錯誤の政策と決別し、
平和協定を締結することに関する朝鮮の正当な提議に直ちに応じなければならないとしたうえで、
米国が大胆に政策転換をするようになれば、朝鮮も建設的な対話に応じる用意があり、
そのようになれば朝鮮半島の安全環境は劇的な改善を迎えることになり、
米国の安保上の懸念点も解消されると指摘した。

さらに、
「われわれはすでに、公式のルートを通じて
米国側に平和協定の締結に心から応じることを促すメッセージを送った」
と明らかにしたうえで、米国が平和協定の締結に関する朝鮮の提案に
肯定的に応じることへの期待を表明した。

http://chosonsinbo.com/jp/2015/10/20151015riyo/
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十中八九、この提案は無視されるだろうし、
日本でも大きなニュースになることはない。現にそうなっている。


政治的に考えれば、北朝鮮が平和協定締結で主導権を握ることで、
国内外にアジアの平和に貢献したと訴えることができる。

それは、アメリカや韓国にとっては都合が悪いことは想像に難くない。

だが、政治家が反対したり無視するのは理解できるが、
護憲派の知識人や人権活動家まで無視するのは納得できない。


本当にアジアの平和が大事ならば誰が主導権を握ろうと問題ないはずである。
にも関わらず、10年以上も危険な軍事国家というイメージを発信し続け、
彼らに対話の姿勢など無いのだと言わんばかりの態度を示し続ける。

そういう姿勢が「北朝鮮から自国を守るためには軍拡しかないのだ」という認識を育ませ、
結果的に安保法案に対し、決定的な打撃を与えられなかったのではないか?

私はそう思う。

習近平は必ず金正恩を殺す(笑)

2015-10-15 23:48:48 | 北朝鮮
……そういうタイトルの本が本当にあるのだ。

本の紹介文には、
「1989年の天安門事件や1990年の金丸訪朝を直接取材し、
 2002年と2004年の小泉訪朝団に随行した著者の、25年にわたる中朝取材の総決算!!」


と書かれている。
(http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062191234)


これを踏まえて、次の記事を読んでみる。

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劉雲山中共中央政治局常務委員(中央書記処書記)は9日夜、
朝鮮の首都・平壌で、朝鮮労働党の金正恩第1書記と会談した。人民日報が伝えた。

劉氏は習近平総書記からの心からの挨拶と祝意を伝え、習総書記からの親書を手渡した。

習総書記は親書の中で、

「中国と朝鮮の伝統的な友好関係は、双方の古い世代の指導者たちが自ら築き上げ、
 心をこめて培ってきたもので、両国共通の貴重な財産であり、大切にするべきだ

 中国の党と政府は両国の関係を高く重視しており、戦略的高みと長期的な角度から
 両国関係の発展を見据え、両国関係を維持し、強化し、発展させていく

 新たな情勢の下、我々は両国関係の大局と、両国の発展という大計から出発し、
 朝鮮との意思疎通を深め、協力を深化させ、
 長期的で健全かつ安定した両国関係の発展を推進していきたい

とした。

金正恩第1書記は習総書記からの親書に
心からの感謝の意を表明し、習総書記への挨拶と祝意を述べた。

http://j.people.com.cn//n/2015/1010/c94474-8960142.html
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別に、これは驚くべきニュースではない。
同様の記事は、今年の1月にも書かれている。


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外交部(外務省)の洪磊報道官は8日、中朝関係について記者の質問に答えた。


――1月8日は朝鮮の最高指導者、金正恩氏の誕生日だ。
中国側は祝賀の意を表明したか。今年の中朝関係についての展望は。


中朝は友好的隣国であり、両国は友好的交流の伝統を長年保っている。
中国側はすでに祝賀の意を表明した。

われわれは朝鮮の人々が金正恩第1書記の指導の下、
国の経済・社会発展を推進し、引き続き新たな成果を挙げることを祈る。


新たな1年、中国側は「伝統継承、未来志向、善隣友好、協力強化」の方針に基づき、
中朝の伝統的な友好協力関係の前向きな発展を促すことを望んでいる。

http://j.people.com.cn//n/2015/0109/c94474-8833944.html
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TPPでモメても日本が親米国家であるように、核という部分的な問題で対立しても
北朝鮮と中国の間には共に朝鮮戦争で戦ったという歴史的な繋がりがある


一時的に緊張が高まっても、そう簡単に崩れるようなものではない。
そして今、中国ではインターネットで金正恩を嘲笑することを禁じている。


もちろん、中国共産党の指示によるものであり、
この点からも、とてもじゃないが中国が北朝鮮と戦争するとは考えられない。


以上、ザッと中国と北朝鮮の関係について説明したが、
ここで私が言いたいのは「中国、北朝鮮必ず滅ぼす」論を書いたこの人物が
平凡社という左翼向けの本を売る会社から中国or北朝鮮論の本を出版していることだ。

こういう点からも、左翼の北朝鮮や中国に対する理解というのが
実のところ、そのへんのネトウヨと大差ないレベル
だというのがよくわかるかと思う。
(ちなみに紹介した本は、あの産経新聞が書評を書いて宣伝している)

何度も書いているが、日本の右傾化は左翼の左傾化であり、
右翼と大差ない意見を述べていることが左翼言論が不調である最大の原因になっている。

特に未だに冷戦時代、さらに遡れば治安維持法時代の反共イデオロギーから
抜け出せず、西側視点で東側諸国を評価できないのは致命的な弱点だ。


反共のためなら簡単に右翼とつるんでしまう。
シリアという国家を滅ぼすためなら、反政府軍に軍事支援する動きもよしとする。
そういう人間が一端に人間を気取れるのだろうか?私は否と答えたい。

日本政府、実は朝鮮人の強制連行を認めていた

2015-10-13 00:40:12 | 国際政治
南京大虐殺記録文書が世界記憶遺産に登録されたことで、
誇り高き自称代表的日本人が怒り狂い、世界に醜態を晒すなか、こんな記事が。


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国連、「明治日本の産業革命遺産」申請時の記録を公開
日本は「強制労働」の事実を認めていた


ユネスコ(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会はこのほど、
同委員会が今年7月にドイツのボンで開催した世界遺産委員会会議の討議記録を公開した。

この記録には、日本が「明治日本の産業革命遺産」を申請した際に、
朝鮮人の強制労働を認める発言をした内容が含まれている。
新華社が報じた。

韓国聯合ニュースの11日付報道によると、
公開討議記録の第220ページから第224ページにかけて記載されている議事録の脚注部分に、
日本の佐藤地・ユネスコ大使が7月5日に会議において英語で行った発言内容が盛り込まれている。

佐藤氏はここで、
1940年代、大勢の朝鮮半島の人々や他国の国民が、
 一部の施設において、本人の意に反して過酷な環境のもとで労働を強いられた
」と発言した。

(中略)

その後の交渉を経て、日韓両国は、日本の「明治日本の産業革命遺産」と
韓国の「百済歴史遺跡地区」をともに世界遺産登録に申請することで意見の一致を見た。

日本側は、一部の遺跡で公然と強制労働が行われたという史実を認める代わりに
韓国側が反対の立場を取り下げるよう求めた
。今年7月、日本の世界遺産申請が認められた。


韓国聯合ニュースの報道によると、韓国政府は当時、
「韓国人が本人の意思に反して日本に強制連行され過酷な労働を強いられた事実を
 日本政府が初めて認めたものだ」と、日本の代表が強制労働を認めたことを評価した。

だが、日本の世界遺産申請が認められた翌日、日本政府は
「前日の発言は、強制労働であったと認めるものではない」と主張、
英語による佐藤氏の発言の日本語訳にも「ボカシ」が入り
「強制労働」の意味を示す訳語は見当たらなかった。


日本側が「明治日本の産業革命遺産」インフォメーションセンターを設けることを
韓国側に約束したことついて、ある日本政府高官は先月、
「韓国からの提言や計画は一切受け付けず、日本独自の計画で進める」と言及した。

http://j.people.com.cn/n/2015/1012/c94475-8960679.html
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こうしてどんどん自民党のクズっぷりが世界にバレていく。


日本「強制連行の事実認めるよ。だから反対するのはやめてね」
韓国「ラジャ」

審査が通る


日本「事実を認めると言ったな。あれはウソだ(キリッ)」



証拠となる記録文書を国連が公開。自民党の合法詐欺が世界にむけて暴露される。←今ここ


泣いていいのやら笑っていいのやら。
手口が暴力団や詐欺集団のそれそのものではないか。なんなんだ一体。

南京大虐殺文書、世界記憶遺産に

2015-10-11 23:46:40 | 中国(反共批判)
日本の制止実らず=中国申請の「南京」認定-ユネスコ記憶遺産

 【パリ時事】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、
中国が申請した「南京事件」に関する資料の登録が決まった。

日中間で事実認識に隔たりがあり、論争が続く中での認定。
日本政府はユネスコに慎重な対応を求めてきたが、受け入れられなかった。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015101000065


当たり前だろという話。

時事通信社は笑えることに、
「日本政府はユネスコに慎重な対応を求めてきたが、受け入れられなかった。」
と書いているが、慎重に審査した結果の登録決定なのである。


登録が拒否されると本気で思っていたのだろうか……??(汗


中国は現在進行形で南京大虐殺の資料を発掘している。


「中国系アメリカ人の魯照寧氏は9日午前、
 中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞記念館に再び史料を寄贈した。
 魯氏はこれで、11年間で9回にわたり同記念館に史料を贈呈したことになる。
 氏が寄贈した、旧日本軍による中国侵略の史実を裏づけるゆるぎない
 証拠となる史料は、累計900点を上回った
中国新聞網が報じた。
 
 http://j.people.com.cn//n/2015/0910/c94475-8948364.html」


一方の日本。


「中国が申請していた「南京大虐殺文書」が記憶遺産への登録が決まったことに対し、
 日本政府筋は「断固たる措置を取る」と述べ、
 ユネスコの分担金拠出などの一時凍結を検討する構えを見せている。

 平成26(2014)年度のユネスコ予算の日本の分担率は
 米国の22%に次ぐ10・83%で、金額は約37億1800万円。

 米国が支払いを停止しているため、事実上のトップだ。
 さらに分担金以外でも、さまざまな事業に対する任意拠出金があり、
 同年度のユネスコ関係予算は計約54億3270万円に上る。

 外務省首脳は「日本の分担金はトップクラス。(ユネスコ側が)
 日本からの申し入れに真剣に耳を傾けることに期待したい」として、
 中国の申請案件の登録が認められた場合は拠出金の凍結もあり得る
 とのシグナルを送り、慎重な審査を求めていた。

 http://www.sankei.com/politics/news/151010/plt1510100015-n1.html」


つまり、中国は虐殺の証拠を集め、そのうちの一部を提出したのに対し、
日本はユネスコに「認めれば金は出さんぞ」と恐喝したのである。



登録を認める→慎重な審査が無かった!金は出さないからな!
登録を認めない→慎重な審査が行われたことに感謝!つりはいらねぇ、とっときな!

ということだ。こんな凄い理屈が通ると本気で思っていた政府とマスコミはおかしい。


一方は証拠を地道に収集し、提出したが、他方は傲慢な態度で金をチラつかせた。
慰安婦像の設置においても市長を金で懐柔しようと画策し、見事失敗したわけだが、
何でも金で解決できると思ったら大間違いである。

国連なめんなよという話だ。

私は今日ほど、日本人であることを恥じたことはない。
どうして、誇り高き自称代表的日本人は、恐喝だの懐柔だの姑息な手段ばかり講じて
世界にむけて嬉々として醜態をさらすのだろう?連中こそ真の反日だ。本当に恥ずかしい。

池上彰、平壌に行く

2015-10-11 00:16:47 | マスコミ批判
たまたま見てしまった今日(10月10日)の池上彰氏の番組。
(といっても、最初の数分間でチャンネルを変えたが)


平壌の学校(幼稚園?)に取材した時の映像が流されていた。
あれだけいい加減な発言をしている池上氏に訪朝の経験があるとは意外。

とはいえ、そこは、わざわざガザ地区(パレスチナ)までいって
「役所に日本に感謝する紙が貼られてました」とレポートする池上彰だ。

現場に行った人間が正しい意見を持つとは限らないという命題を
彼ほどわかりやすく、かつ説得力のある映像をもって証明する人物もいまい。


問題の映像は、恐らく生物の授業の一環なのだろうが、
平壌の園児が他の児童になぞなぞをかけ、それを別の園児が答え、
正解したら全員で拍手して褒めあうというものだった。池上も園児からなぞなぞをかけられ、
フクロウの彫り物を選び、園児たちから拍手をもらっていた。

ここまでなら別にどうということはないが、
問題はこの後の池上の発言で、学校から去った後、
園児たちのいない所で「よく訓練されていますね」と述べたことだ。


その後の映像で、金正恩が各地を視察しに行くと、
現場の人間が金正恩のもとにかけより握手を求めるという映像が流れ、
彼らは幼少期から訓練を受けている」という説明がされていた。

この映像のタイトルは「北朝鮮は徹底した教育を行っている」とのことだが、
実際には「北朝鮮は徹底した洗脳を行っている」とでも言いたげな映像だった

むしろ私は、園児の前ではニコニコ顔で愛想を振りまいて遊んでいたのに、
いざ取材が終わると無表情で「訓練されてますね」と履き捨てるように語る
池上の二重人格的な面のほうが洗脳を受けているようで怖かったのだが(汗

あー、こいつは腹の中では、取材に応じてくれた平壌の学校や教師や生徒に対して
そういう気持ちで見ていたのだな、何か気味の悪いものを観るような感覚だったのだなと。

そういう負の感情を一切、表に出さずに、さも理解のある態度を見せるのは
詐欺師の専売特許だと思っていたが、どうも一流ジャーナリストにも当てはまるらしい。


現場でしか目に見えないものがあるということは確かにある。

先日の移民排斥、コソヴォ問題の記事を例に挙げれば、
スコット・タイラーという人物が『アメリカの正義の裏側』という本を書いている。

この本はNATOがセルビアを占領するために、現地の武装組織を秘密裏に支援したこと、
その武装組織がマケドニアでも活動を始めると、一転して危険組織とみなし攻撃したことを
暴露したもので、イスラム国に対するNATOの行いをみれば、現代的な意味のある本だと言える。

同書のように現場にいなければ書けないものは確実に存在するのだが、
初めからこき下ろすことを前提に訪れ、向こうの歓待を悪用し、
取材に応じてくれた人間を見世物のようにして視聴率稼ぎのために利用する
卑劣な行いをしていては、見えるものも見えないだろう。

こういう取材ばかりをしているのならば、
確かに池上が世界各国を取材しているにも関わらず、
バイアスのかかった的外れな解説ばかりするのは当然の帰結だと思う。