今回のグロービス杯では決勝戦の幽玄の間解説をやらせて頂きました。
三日間で最も印象に残った場面は
準決勝、黄雲嵩三段(白)中国 vs 李東勲五段(黒)韓国
1図 白1が妙手で左上から中央への黒石と、右辺白の攻め合いは白の1手勝ちです。
2図 1図の攻め合い一手勝ちをこの場面から読み切っていたのかすごい
と思ったのですが、少し冷静になって考えてみると、一つ疑問があり
優勝を決めた直後の黄雲嵩三段に突撃取材。
スマホの検討画面片手に直接聞いてみました。
3図 黒がこう打ったらどうしますか?
4図 続いて劫になり、黒が劫材有利に見えますが・・・
するとあっさり「Black win」と黄雲嵩三段
しかしかといって
5図 この攻め合いも黒14に石がくると、黒16で左側の攻め合いが逆転します。
ということは、見事な決め手に見えた2図白1、3は実は渾身の勝負手だったのでしょうか
読みの速さ、思い切りよく決行する心臓の強さには驚かされましたが、
やはり相手も神様ではなく、チャンスがあったようです。
自分の中で相手の打つ手を信用しすぎてしまうと、普段見えている手でも見えないことがあります。
1手30秒と世界戦というプレッシャーの中で力を発揮していくのは至難の業だと思いますが、
メンタルの大事さを感じました。
決勝戦解説のため、今大会は張り付いて観戦していましたが、とても勉強になりました。
少しでも自分の対局にいかせるようにがんばります。
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