ひろふみのブログ☆

囲碁棋士大橋拓文のオフィシャルブログです。

グロービス杯の感想

2015-05-13 15:08:22 | 世界の囲碁 World GO

今回のグロービス杯では決勝戦の幽玄の間解説をやらせて頂きました。

三日間で最も印象に残った場面は

三村先生と同じで準決勝のこの場面

準決勝、黄雲嵩三段(白)中国 vs 李東勲五段(黒)韓国

1図 白1が妙手で左上から中央への黒石と、右辺白の攻め合いは白の1手勝ちです。

2図 1図の攻め合い一手勝ちをこの場面から読み切っていたのかすごい

と思ったのですが、少し冷静になって考えてみると、一つ疑問があり

優勝を決めた直後の黄雲嵩三段に突撃取材。

スマホの検討画面片手に直接聞いてみました。

3図 黒がこう打ったらどうしますか?

4図 続いて劫になり、黒が劫材有利に見えますが・・・

するとあっさり「Black win」と黄雲嵩三段

しかしかといって

5図 この攻め合いも黒14に石がくると、黒16で左側の攻め合いが逆転します。

ということは、見事な決め手に見えた2図白1、3は実は渾身の勝負手だったのでしょうか

読みの速さ、思い切りよく決行する心臓の強さには驚かされましたが、

やはり相手も神様ではなく、チャンスがあったようです。

自分の中で相手の打つ手を信用しすぎてしまうと、普段見えている手でも見えないことがあります。

1手30秒と世界戦というプレッシャーの中で力を発揮していくのは至難の業だと思いますが、

メンタルの大事さを感じました。

決勝戦解説のため、今大会は張り付いて観戦していましたが、とても勉強になりました。

少しでも自分の対局にいかせるようにがんばります。

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