遠足 ☆
あるとき 老人ホームへ講演に行ったら
葬式とか 死ぬという言葉はタブーだから
絶対つかわないでほしい ・・・ と クギを刺されました。
老人ホームという
これから先 死を待つだけの老人ばかりの社会で
死とか 葬式という話題を禁句としているというのは
・・・ なんとも せつない現実ではあります。
死を切り捨てた ・・・ 「 生存 」 だけを課題としてきた人たちが
その「生存」の終末期において
死という絶対に訪れてくる事実を認識して
ひたすら回避することにのみ生存の支えをもち
周囲もまた
そのことに細心の注意を払うことを
最大の親切として心を砕いているという光景は
もはや 「 荒涼 」 としか言いようがありません。
だから 老人の日に 幼い学童なんかが
ホームに慰問にやってきて
お見舞いのプレゼントなどを贈ったあと
「 お爺ちゃん お婆ちゃん いつまでもお元気で 長生きしてください 」
などと メッセージを読みあげると ・・・
お年寄りたちは 思わず手で目頭をおさえたなどという報道は
・・・ 一つのパターンになっています。
このメッセージが
先の制約と全く無関係に成立したものである
と強弁するならば ・・・
この学童を 背後であやつっている教師なり PTAといった連中は
偽善という行為感覚に対して 完全にマヒしきっている
・・・ といわねばなりますまい。
所詮 ・・・ ウソで固めた世界なのです。