遠足
私たちは今 自分が崖から落ちるなどとは心配せず
安心な場所にいることを はっきりと承知しています。
ところが 一人の人が もし
疲れが出て 眠くてウツラウツラして
身体がガクンガクンとなるものですから
崖から転げ落ちる夢を見たとします。
その人は 夢の中では 心が非常に傷んでいるのです。
恐ろしくて どうしようかと思って
もう 夢の中では 騒ぎ回っているわけです。
しかし 心は騒ぎ回っていても
夢を見ているその人も
目覚めている人と同じく
落ちる心配のない畳の上に 確かにいるのです。
こういうのは そばへ行って
「 お前 大丈夫なんだよ 」 というよりは
「 エヘン ! 」 と咳払いして 起こしてやって
「 ああ 夢でよかった。
本当は 落ちる心配がなかったんだな 」 と
当人が 納得するのが一番です。
この「 落ちる心配がない すでに安心の場所にいるんだな 」 ということに
・・・ 「 ハッ ! 」 と気づくことが一番です。
それが 居眠りをして
自分は安心な ありがたい場所にいながら
恐怖を感じたり 騒いだり
あるいは 苦しんだりしているのが
・・・ 人間の世界なのですね。