負けてらんにぇ ! みんなでなんとかすっぺ !!

南相馬市から新潟県三条市へ集団避難→同市内の雇用促進宅に→2015.2~同市内の戸建に転居 妻と二人暮らし。

生きてきたように 6

2016-07-07 17:52:07 | 原発震災避難者


近隣(菖蒲園)



人と人とのつながりこそ ・・・ 財産。



臨終の場には

その人が築いた絆(きずな)のすべてが出てきます。


ドラマ人間模様のラストシーン

クライマックスですから。


そのとき思わず握りしめるのが

ご主人や お子さんの手ではなく

・・・ 貯金通帳。


あまりにも ・・・ 淋しい。



いくら貯金があったのか知りません。


たぶん そう多くではないでしょうね。

コツコツためたんじゃないかな。


しかし 何十億あっても

それを あの世に持っていき

・・・ あの世で使うわけにはいきませんもの。



通帳に手を伸ばすのが

良い 悪いと言うのではありません。


ただ 死というのは

ドラマ人間模様のラストシーンです。

とんでもないラストを

無理やりひねり出すことはできない。


その人が

生きて 演じてきたドラマの

シナリオの運び通り ・・・

それに相応しい結末がある

・・・ と言うことですね。







生きてきたように 5

2016-07-07 14:00:40 | 原発震災避難者


近隣(菖蒲園)



・・・ しかし

おばあさんに責任があるわけではありません。

・・・ そう思います。


おばあさんが

生きて 暮した生活の厳しさが

無意識に通帳を握りしめさせた。

たぶん ・・・ そういうことだと思うのです。



お金より大切なものがある

・・・ そのことに気づくゆとりもないような生活を

それこそ必死で生きぬいた。


そのおばあさんが演じた

ドラマのラストシーンにも

しみじみと ・・・ 感動せずにいられません。







生きてきたように 4

2016-07-07 10:12:27 | 原発震災避難者


近隣(菖蒲園)



ケチに生きた人は

・・・ ケチに死にます。



集まった家族や親せきが

いつ息を引き取るかと見つめる

その真ん中で

おばあさん(仮におばあさんとしましょう)が

枕元に手を這(は)わせる。


水が欲しいのかと思うと

・・・ そうじゃない。

枕の下に隠してあった貯金通帳を

・・・ ぐっと握りしめる。



最後は

ほとんど意識がないから

・・・ 怖いです。



お金お金で生きてきたおばあさんの

もうろうとした頭に

最後に浮かぶのが ・・・ 郵便貯金。


死んでから何に使うんだろうと思うほどの

強い執着だけが ・・・ 残っているのです。



意識がなくなったあとに

“たどり来し道”が残る

・・・ と言ったらいいでしょうか。