彼に何が起こっているんだ?
食べたエサが消化されていないのか?
食欲がなくなり見る見る痩せていく彼。
歩く姿も最早意識朦朧のように見えるほどふらついている。
ある日私はそんな彼の行動を暫く観察し、
彼が便をする瞬間に遭遇した。
そこで見た光景は言葉にできないほど凄まじいものだった。
彼の便は固形物ひとつない水状態。
その次に水と一緒に出てきた物は途切れる事のない…サナダムシ。
切れてもお尻から5センチほどぶら下ったままだ。
食べた物は全て寄生虫のエサとなり、養分を吸い取られていたのだ。
腹の中はおそらく寄生虫に占拠された状態だったろう。
私は市販の虫下しが一服だけ残っているのを思い出した。
過去に寄生虫がいる野良猫を保護した時に使った残りだった。
寄生虫にあれだけ巣食われた状態で薬が効くかどうかは疑問だった。
彼がかなり衰弱しているのも心配だったが、一か八かで、
嫌がる彼の口に朝晩分けて、薬をねじ込んだ。
翌日彼が便をする場所には塊のサナダムシが落ちていた。
そして、その日から彼の食欲が少しずつ戻りはじめて、
心なしかふっくらしてきたように見えた。が、再び痩せ始めた。
成虫を駆除しても卵が体内に残っていればまた寄生虫は繁殖する。
一度の駆除では無理なことは推察できた。
ご近所さんにそのことを相談すると、行きつけの獣医さんで、
虫下しを処方してもらって来て下さった。
エサに混ぜたり口に押し込んだりと、薬を何とか服用させた。
皆の世話が功を奏してか、彼は日に日に元気に太っていった。
彼はトラちゃんと仲良くなり、行動を共にするようになった。
彼はいつもトラちゃんを探して、くっついて歩いていた。
日増しに2匹の距離が縮まっていくので、
トラちゃんにウイルス性の病気が感染らないように予防接種をさせた。
寄生虫の感染も心配したが、この頃はまだ警戒し合っていたのでそれは免れた。
その後ご近所さんが彼を獣医に連れて行って下さり、
寄生虫の検査と血液検査をして下さった。
幸い寄生していたのは駆除しやすいサナダムシだけだったようで、
他の寄生虫はおらず、お腹はすっかりきれいになっていた。
(寄生虫の中には相当厄介なものもいるらしい。)
風邪を引いてはいるものの、薬で回復するだろうということだった。
鼻が白いので先天性の貧血を心配したが、
血液検査では特に異常なく、健康であることが分かり一安心した。
そうこうするうちに彼の健康状態は見る見る回復した。
美味しいキャットフードと快適な寝場所と素晴らしい相棒(トラ)に出会い、
充実した野良猫生活を送る彼。推定年齢3、4歳らしい。若い。
その後、ご近所さんと毎朝散歩に行くようになり、身体は逞しくなった。
出会った時の面影は微塵も感じられないほど猫相も変わった。
寄生虫駆除前↓
寄生虫駆除後↓
もうどう見ても[よぼ]ではなくなったので、
ご近所さんと相談して名前を変えることにした。
ピタリとはまる良い名前が浮かばず、単純に[よ]を外して、
彼の名前は[ぼっちゃん]になった。
が、どうも呼びなれた[よぼ]が定着してしまって、なかなか馴染まない。
おまけに以前の名前のまま近所の女子中学生のアイドル化している。笑
「よぼ、よぼ、おいで。」「よぼ、カワイイ~」
ぼっちゃんは人の目を見てしゃべるので、太ってからはぶさかわ度を増し、
子どもに持てまくりだ。特に女子中学生に。(羨ましいね~)
お世辞にもカワイイとは言えない、前髪ぱっつん鼻くそ顔。
結局彼はトラちゃんと行動を共にし、一緒に寝泊りするようになり、
先輩と後輩、或いは親分と子分のように仲良くすごしている。
トラちゃん、ちょっと悪者キャラになっちゃいました。
でも最近、ノラらしく逞しくなったんだよ。
結局ここの地域猫の仲間として迎え入れることになり、今日に至る。
てヘっ
って、違いますね。単に毛繕いの一瞬の写真です。笑
明日は番外編。ぼっちゃんのブサカワギャラリーです。
「待ってるにゃ~」
見ているうちにだんだんと可愛く見えてくるから不思議です。
ぜったい癒されること間違いなし
(明日は食事前でも大丈夫よ)
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