津市美里町家所、辰水郵便局東の丘の上にある地蔵堂です。
毎年12月29日、子どもたちに曳かれたジャンボ干支が、
この地蔵堂前でターンし、辰水神社に向かいます。
この地蔵堂には、特に名称は伝えられていないので
「辰ノ口の地蔵堂」と呼ばれています。
御堂の中にあるのは「六面石幢」と呼ばれる、珍しい地蔵さんです。
「六面石幢」とは、元々は仏様を彫った石板を寺院内に飾っていたのを
エンピツのような六角柱にして飾るようになったものです。
石板を組み合わせて六角にしたものと、
1個の石を掘って石柱にしたものがあります。
こちらの御堂にあるのは、
穴倉石を彫って石柱にしたもので、
六面に地蔵さんが彫られてます。
寺院の境内に、灯篭のように置かれていたようです。
上の画像をもう一度ご覧ください。
幅の広いほうの道路が、新しい県道です。
この県道を通すために、
地蔵堂があった丘の一部を切り取ってしまったので、
この地蔵堂だけ、丘の上取り残されたように見えます。
(家所城跡の大手門跡付近)
そもそもこの丘は、
長野工藤氏の一族である家所氏の居城「家所城」に続いており、
城の北には「什心寺」というお寺もあったことから、
この地蔵堂も家所氏に何らかの関係があったと推測されますが、
史料は残っていません。
地域の歴史・伝承・昔話 過去記事リスト
目無し地蔵(北長野)
義犬塚(いぬづか)/津市美里町平木