春雨の…

冷たい雨の日
雨傘を開いて外に出た
項垂れて見せる花々よ
嬉しそうにつやめく緑たちよ
よかったね
どこまでも大地にくいこんで根をひろげよ
昔の昔の方法で

ひやひやと寒いのに
マスク越しにも目が醒める緑の香り
滲まずに脳まで届く

見つける目は冷静なのに
鼻の穴は丸く大きくなる

ほら、春雨だね

ジョンバと雪と

僕らは、ワインを飲んで話して…判りたくない事を知った
僕らは、ハーブティーを飲んで…推理して苦しんだ
コップもボトルも空になったら、雪の匂いで部屋が満ちる
へんな寒さが取り巻いて鼻先から頭の中心が痛くなった
君は、利き手の付け根が痛むのを隠した
僕は、タバコを吸いに外に出た
ライターは親指が赤く擦りむける直前に　やっと灯った
白くなりかけの山々に煙を吐くと　それ以上の速さで僕は咽せる
雪が降る
雪は何も答えてくれず
無垢な冷たい白を僕らに押し付けてくる
黙々と雪をはねて…戸口と道路をつなげる
降り積る重い雪は、はねのけなきゃならないのに…
ジョンバを想像しただけで脇腹が攣る

僕は遠目に
君の今日を想像した
ただ粛々と雪をはねてる
除雪機の轟音も獰猛なスクリューもナンノソノ
こぼれた雪をジョンバで掬って…黙々と愛車を救う
そして　多分だけれど
身についた感情として雪を…愛している

12月5日 青い羽

青い鳥
青い羽
白い雪
あつい胸…

すすまないスペル

道のない山へ行く
キノコ狩りでもなし
紅葉狩りでもなし
ただ棒っきれを　振り回したくて
モゾついたモタついた
「一年叢」をなぎ倒して
謎々の道を歩みたかった

道のない山は
思ったほど複雑じゃなくて
自然が肩寄せ合ってる初冬
道がないはず　なのに…
ボクは　ドングリ溜まりを
靴先で払いながら
松脂の匂いを嗅ぎ当てて
焚べる炎とパチパチする音を思い返す

噛み続けてるキシリトールガムを吐き出した

そして、、、

山頂を目指さず
隣町へ繋がる山道に　出た…

ぱちん

ありし日の共作「ぱちん」2007

。

。　○　。。　われたくなかったのに 　ぱちん

。　。　。。　ソーダのなかにいるときも

。　。。　　。木陰でふかれているときも

。　。　　あなたのなかにいるときも。。。

。われたくなかったのに 　ぱちん。。

ぱちんとめがさめてまた

消えていって

消えていく

シャボンの香り。。。。。。。。　。。。　。。　。

うすあおリボンと薄青い秋晴れ

枯れ薔薇に巻いた水色のリボン
それは　春のことでした

秋青は　北風にひらひらと
一枚の赤い葉っぱを追いました

葉っぱは踊り
ボクは水色のリボンと　ここで眺めておりました
結び目が解けずに　乾いた棘に刺さっているから
ひらひやと風に誘われても軸足が動きません

少しこごえてから
ボクだけ　家に入りました

3秒ルール

3秒ルールがあるからさ
ボクは　必死で拾うべきだったんだ
床に転がる2.5秒で
ボクは　
君の「視線」を食べることが可能だった

アテンションだらけの地下雑踏
僕はまだ　免疫力が足りなくて
7m以内にあったはずの視線に
突進することができなかった
そして・・・
君は　瞬きせずに視線を外した

視線の残像は
君からのアテンション
Don't meddle NOW.

何も確かめずに　拾わず食べず
空のお腹で　
幸せに消化するのには
胃袋を3つくらい増やさなきゃ

君の3秒の視線は
絶妙なサイズの可愛いチョコボールみたいに
頭の中を転がる
なかなかね　紡ぐ指先まで来ないのよね・・・

神聖な3秒ルールを行使しなかった罰だ

ヒリッっと痛痒くて
秋っぽく焦げてる
ちょっとだけ残した焼芋の皮くらい
いつまでも喉に引っかかって
A punkな僕を・・・いたわるんだぜ♪


※A-punkは、役立たずっていう意味

ビールと4つの風景

'dark beer and rain sky '

「黒ビールと雨空」

黒ビールに浮かぶ　なめらかな四葉のクローバー
覗き込む目が　うれしそうで　誇らしそうだ
グラス下のペーパーコースターみたいに　
ゆかいな　おしゃべり
くつろいで　はしゃぐ。。。。
雨宿りの黒ビールは　なるたけゆっくり飲んだのに・・・
終電だ!

(最後のラッシュアワーだよ　おなかの中のビールみたいさ)

雨にぬれたジャケットに　頭くっつけた君
(特別なフレームの中で　僕はおでこにキスをした)

ぼくは　君の笑顔のかけらをかきあつめ
すべてのポケットにつっこんで
雨空の中を　飛んだ

君は　オモカゲ以上に 僕の中だった。。。。

…………………

青島でさ
とうさんが　
20ℓのビニール袋二つ持って
フラフラしてるの
たまにヤジロベーみたいにさ
こっち見ながら　両手ひらいて
こっちに来るんだ!
ビニール袋に入った青島ビール持って・・・
かあさんは
小箱から薄っぺらいプラスティックみたいなの出して
エビセン揚げてるよ
午後8時土曜夕飯後の楽しみさ

来た来た、とうさんとビール

………………

横浜でさ
あたしは
うっとりあなたを待ちながら
書きものしてた
あなたが　うんと遅くって
どんどん殴り書きになっちゃってるよ
ぁっ、ここにはシンハービールがあるのよね
おねぇさーん、シンハービールをひとつ

「ごめんね、待った?」
まあね・・・ザーサイも食べちゃった・・・ビールについてきたからさ
(久しぶりに会うのにザーサイ臭くなってたやぁ)

……………

ココでさ
君が　ほらよって
エールの瓶を投げてきた
私は　あらよって受け取って
君が　アキンボしてみせた
私は　正しくラッパ飲み姿勢
あのね☆あはは　そのね☆うはは×777
コーラスと替え歌に
独唱なんかも混ぜちゃって・・・
エール飲むの忘れてた
君は君は、えらそうに
「コレハ、象徴デアルカラニ!」
私は　栓抜いた瓶持って　ほらよってさ
ふりしただけなのに
君は　かなりゾッとしてた

そしてカチンと乾杯して・・・
一口目を・・・噴き出した! 君も私も!

text: 2018 AriNakamura

方法と考え事

ひとつない真昼
ふたりいる居間
ひとり逃げる
ひとり蚊にさされ
ひとりカーテン閉じて
野球観戦何時間?

ひとつとしてなしの時
ふたり仲よく・・・何かしたい

バナナの歌を歌いながら
バナナランチをする　ひとり

ランチ直後の歌

金キンの夏昼　ぉぉ何も見えないぞ
馴染みのニャンコは　お出まさない
馴染みのワンコは　ここにはいない
馴染んできた靴の　リズムはハテナ

眩しくて眩しくて
暑くてカラッカラ
馴染ませようと励んでも
ほーら
トビトビに・・・コンビニで涼んで
3分で暑さを忘却さ
ポツラポツラと逗子銀座

海は、もっと暑いからね
焼け焼けの砂　痛いからね・・・
愛する海は　言葉にならない
熱々のここも・・・言葉が出ない

・・・・

model: 0.9世紀の私の母親