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2×4工法の構造体検査は…

2010年02月25日 14時40分18秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲2×4工法の構造体検査


昨日2010年2月24日に、2×4工法の第三者としての構造体検査を行った。

この検査では、外壁合板の釘の間隔や種類、場所や打ち方

内外の金物、根太の間隔や本数、まぐさの大きさなどなどを確認する。

しかし、どの検査会社でも、どの一流ハウスメーカーでも行わないが
重要な構造チェックを忘れている検査内容がある。

これを言い切れるのは、皆さんが知っている日本を代表する
いくつもの一流のハウスメーカーでも、同じ指摘を私が繰り返してきたからだ。


2×4工法には、軸組み工法での柱に該当するのが、
写真にある細長い縦枠、スタッドと呼ばれる部材だ。
木造軸組みでは間柱に相当する程度の部材寸法だ。

厚さが38ミリである。必要な箇所には、これを3本、4本、5本、6本と並べて
上からの荷重を受ける。いわば柱と全く同じ、重要な構造部材となる。


木造軸組みで、柱が足りない、あるいは柱の太さが半分しかなかったら
どうなるだろう。大変な問題となる。

それに相当するのが、2×4工法では、このスタッドだが、
この本数が足りなかったらどうだろう?

明らかに、構造的に問題があると言える。

その問題をほとんどの現場で、一流ハウスメーカーでも指摘されずに
工事が行われていると言えば、みなさんは信じるだろうか?

役所の検査があろうと、性能表示の検査があろうと、
何百枚と写真を撮ってくれる第三者の住宅検査を依頼しようが
大手を含めてかなりの検査会社のチェックリストを知っているが
これをすべてチェックする検査会社を私は知らない。

 
▼構造図と照らし合わせて、スタッフにすべての縦枠、スタッドも確認させます。



おそらくこんなチェックをしているのは、ミタス一級建築士事務所だけで
そういうことが起こっていることさえ知らない、専門家やハウスメーカーが
ほとんどだと断言できる。

「うちは、工場でほとんどパネルを造って検査してくるから大丈夫です。」
と答えが返ってきそうだが、これはなおさら現場を知らない人の回答だ。


「問題は工場で起こっているんじゃない!現場で起こっているんだ!」(笑)

今回の検査でも、1階と2階で34箇所、39本のスタッドの不足を指摘した。

「うちは技術には自信があります。どうぞ、構造検査をして下さい」
と連絡があっての検査の結果がこれ。どこに聞いてもこれと同じ返事ですが。

他にも釘の打ち方の指摘などがあるが、これについては内容を知っている
専門家が増えたので、今回はあえてここにアップすることはしません。


本当に良い品質の住宅を求めるのであれば、
どんなに設計が良くてもそれだけでは実現しない。

設計だけでなく、現場での品質監理や指導を
どこまでこだわって、本気で行うかである。

それを誰が行っているのだろう?

設計施工のハウスメーカーや工務店が行えるはずがない。

施工会社から依頼された第三者の検査機関が
僅かな金額で行えるはずがない。

意匠だけしか頭にない、現場のことを知らない
アトリエ系の設計事務所が行うだろうか?

というのが、私の本日の心の叫び、でした!(^_^)v



……………………………………………………………………………
ミタス一級建築士事務所の清水です。
住まいに興味のある方はもちろん、無い方にも
何となく役立つか、楽しめる内容になることを願いながら書いています。
ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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