三重県からお稽古に通っておられるTさん。今日はこのお雛祭りの作品を仕上げて帰られました。帰宅されるとすぐ、今掛かってる雪景色と取り替えられることでしょう。
このTさんが初めて教室に来られたのは、もう20年以上前のことですが、その後体調を崩され、何年間か空白の時期がありました。肉体的にも精神的にも、大変辛い経験をされ、明日への希望すら見失いそうになられた時、ふ~っと教室の日々を思い出され、お電話をくださったんです。
あの日の衝撃と嬉しさは、今でもはっきり覚えています。再会の後、少~しずつ少~しずつ、ほんとに薄皮を剥がすように昔のTさんに戻ってゆかれ、今では元気すぎて、体重の増えすぎを気にされるほどに!長年の移り変わりをずっと見させていただいてるこちらも、ほんとに嬉しい気持ちでいっぱいです。
でも、可哀想なのはTさんちのワン君。時間も忘れるほど押絵にのめりこんでしまわれると、お散歩もご飯もどこへやら。「ま、いいっかぁ~」って!いいことないです~
手作りの物は何でもそうなんでしょうが、体調が即、仕上がりに反映してしまいます。ですから、永いお付き合いの方は、押絵のパーツ一つの出来具合を見るだけで、その時の精神状態や体調の変化まで見えてしまい、嬉しくなったり、心配になったり・・・
今日もにこにこと、仕上がった作品を持って帰られるTさんの後姿を見送りながら、あの日に受けた1本の電話の重みを改めて感じました。ますますこの道に精進精進!