毎月お届けしているシリーズ企画「ジャズ・ジャイアンツ」今回はジャズ界きっての名門コンボ、MJQことモダン・ジャズ・カルテットを特集する。
楽曲
「All The Things You Are」
The Modern Jazz Quartet
(3分13秒)
<Prestige VICJ-60325>
演奏スタイルが変わらない。室内楽のようなリハーサルを重ねて
組み上げていったようなところは変わらない。アドリブの尺まで決まっているような、
同じアドリブだって繰り返せそうな、譜面台を立てているわけではないから
書き譜のそれはないかもしれないけれど、はじめから出来上がってる感の
あるグループということが、時間軸で聴いてみるとよくわかる感じがする。
1952
「Django」
The Modern Jazz Quartet
(7分00秒)
<Prestige VICJ-60272>
クラシックの影響を受けたものが表出。
美メロですよね。ジャンゴも生きていたら、このような
旋律を弾くかもしれないと思わせるものがあったりする。
ベースがブンとなって始まる印象的な瞬間。MJQだなと思う。
「Concorde」
The Modern Jazz Quartet
(3分37秒)
<Prestige VICJ-60273>
ケニークラークから、コニー・ケイ(ds)に代わる。
サウンドはあまり変わらない気もする。そこがMJQ。
「Bluesology」
The Modern Jazz Quartet
(5分05秒)
<Atlantic 30XD-1017>
ミルト・ジャクソンはブルース系の曲やったら本当に
上手だし、また、バラードやらせてもはまるし、
守備範囲の広いミュージシャンだと思う。
「Fun」
The Modern Jazz Quartet、Jimmy Giuffre
(5分30秒)
<Atlantic AMCY-1090>
実験音楽的、サードストリーム。一時期そういうのきかれたことある。
「Night in Tunisia」
The Modern Jazz Quartet、Sonny Rollins
(7分03秒)
<Atlantic AMCY-1209>
ロリンズがはいると、そこだけロリンズみたいなところがあって面白い。
チュニジアの夜みたいな、鮮烈なナンバーは特に。
「Da Capo」
The Modern Jazz Quartet、The Jimmy Giuffre Three
(3分43秒)
<Atlantic AMCY-1094>
ガンサー・シュラー&ジョンルイス提唱。サードストリームミュージック。
ジミー・ジュフリー・トリオ+MJQ。今は使われないイディオム。後進への
影響はある。
「England's Carol」
The Modern Jazz Quartet
(6分19秒)
<Atlantic WPCR-27353>
室内楽+室内楽系のMJQ合わないはずがないという寸法。
逆にほかのミュージシャンだとリズム音量が合わずに録音が難しかったのでは
という見解。大友さんナイス。
「Lonely Woman」
The Modern Jazz Quartet
(6分15秒)
<Atlantic AMCY-1224>
ピアノで旋律弾くとサックスとはまた違うイメージになる
パット・メセニーがカヴァーしたのは、ホレス・シルバーのそれだった
という落ちがある。パットはコールマンをリスペクトしていたし、
てっきりファンはそっちかと思っていたが、実際そうでなかった。
JAZZあるある。この曲のメロディーも結構いいものがある。
ブルースとしての解釈もありか。
「One Note Samba」
The Modern Jazz Quartet、Laurindo Almeida
(5分07秒)
<Philips PHCE-3015>
ローリンド・アルメイダ。クラシック・ギターの要素もあり、ブラジリアンで
ありながら、広範囲な活動をしていたようだ。
当時、こういう演奏家は少なかったと思う。いま聴いてもいい感じだ。
アール・クルーにないものがあるし(当たり前か)。
「Vendome」
The Modern Jazz Quartet、The Swingle Singers
(3分29秒)
<Philips UCCM-9085>
スゥイングル・シンガーズとの共演。ダバダバコーラス。
フーガ入ってミルトのヴァイブがいい具合に絡んで。
雰囲気も出ている。
ルイスのシングル・トーンは何かをいつも語っているように聞こえる。
「The Jasmin Tree」
The Modern Jazz Quartet
(5分11秒)
<Apple TOCP-7683>
そう、ビートルズのレーベルで録音しとるやんと
あまりに珍しく筋違いな感じがしたので、一時期
調べた記憶がある。彼らとビートルズは関係性は
ないものの、あやかろうとした何かがあったかどうか。
この曲は手拍子入って、ちょっとブルージーな、けれども
POPな感じの曲。アビーロード・スタジオの空気が
そうだったのかな。
「The Martyr」
The Modern Jazz Quartet
(6分40秒)
<Atlantic AMCY-1103>
殉教者というタイトル。・エレピの使用。
なぜエレピを使う必要があったか・・・。
エバンスも当時エレピ使ったアルバムがあった。
流行か?。ジャズでは否定されていたけれども・・・。
音色の違いニュアンスの出し方の違いはあるかもしれない。
1972年。オーソドックスなJAZZが下火だった時代、
なにか新しいものを効果的なものをと思ったのかもしれない。
「Bags' Groove」
The Modern Jazz Quartet
(6分36秒)
<Atlantic AMCY-1190>
そういえば、ジャズ喫茶出入りしていたころ大友さんは
MJQを良く聴いたといっていたが、当時、個人的には多分
ほとんど当たったことがないかもしれない。思い出せない
だけかもしれないけれど。多分、21世紀になって、
下北沢の「はやし」でラストアルバムがかかっていたのを
聴いたことがあったのが最近かもしれない。
「Softly,As in a Morning Sunrise」
The Modern Jazz Quartet
(6分05秒)
<Warner-Pioneer 32XD-343>
81年再結成。なんだよ!という感じ、当時、
びっくりした思い出がある。2枚組+続編までアルバム出して
解散したのに・・・。戻ってきた彼ら。予定調和にもほどがある。
と当時思っていた。
でも演奏は変わりない。彼らの中で納まっている。
固定ブランドのようだ。
「Blues for Juanita」
The Modern Jazz Quartet、Jimmy Heath
(3分51秒)
<Atlantic AMCY-1123>
40周年。93年4月。
それだけの時間やり続けることの大切さ。予定調和でもなんでもいい。
JAZZがある限りやり続ける・・・。
MJQって、JAZZ聴き始めのころから多分聴いていた。レコードもまだ
有名盤は出回っていたし、番組でも取り上げられることもあった。
ミルトのVIBの質感が好きだったこともあって、室内楽ジャズとか、
いわれていたけど、それが何という感じで、コレクションのベースにはあった。
聴きやすく向き合いやすく。そんな音楽がないと、刺激的なものばかりでは
やはり疲れてしまうのが現実なので、MJQは居心地がよかった。
今でも時々戻ってくる。
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