モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

バナナワニ園紀行 4.羊歯と多肉植物編

2023年02月01日 | 熱帯植物

(本頁は「009/01/24 バナナワニ園紀行 3.垂れ垂れプランツ編」の続きです。)

バナナワニ園のトロピカルプランツはモウ出尽くした感もなきにしもあらずだが、
まだ羊歯、裸子植物や多肉植物が残っていた。
まずは木性シダ。
『田中一村』の絵を見て以降、憧れでした。

 


羊歯の葉陰で微笑むのは今回、同行した岩渕公一さん(雪割草研究家)。
南洋のゼンマイはでかかった。

 

                                            ヒカゲヘゴの幹


ヒカゲヘゴの幹にある白っぽい模様は葉が取れた跡だった。
これはよく見るとカオナシ・・・、いやプレデターのお面がいっぱい並んでるようにも見えた。

ビカクシダは逆光になってしまい、今回ほとんど撮影できなかった。
 

オオタニワタリ
   

                                      エクィセトゥム・ギガンテウム Equisetum giganteum


エクィセトゥム・ギガンテウムは
スギナにしてはちょっとでかいなと思ったが、
原生地ではこんなにでかくなるらしい。 ⇒ こちら


次は裸子植物のスギ。と言っても南洋スギ。

強風で折れてもすぐ生長してこの樹形になるようなことを清水さんが仰っていた。

 



(上右は)Miconiaの仲間。羊歯でも裸子でもなく、
ノボタン科の低木だが、葉っぱが驚くほどでかかった。
ただし花はとてもしょぼいらしい。


この頁では葉ばかりなので、次にこんな葉はいかがかな。 




色は赤っぽいが、紅葉や枯葉ではない。

実際のサイズは上写真よりもう少し大きく、とにかく素晴らしい色合いと輝きだったが、
写真ではあの素晴らしくシックな輝き(金属光沢)は表現出来なかった。
後で清水さんから・・・
「タイ国南部ナラティバ周辺に自生するバウヒニア・アウレイフォリアの新葉です。
マメ科のツル植物でハカマカズラの仲間ですね。

今日ではバンコックのフラワーマーケットでも苗を売っていますが、
私が初めてフィールドで見た時の感激は忘れられません。

日本を代表するそうそうたる熱帯植物の専門家が誰一人知らなかった植物。
遠くのジャングルの樹冠に咲く赤い花、そうブーゲンビレアがからまって咲いているように見えたのです。
それがバウヒニアの開花枝の新葉の色とわかったのは、間近で見られる株に接してからのこと。
赤く見えた葉、本当は金色に輝いているんです。

ホテルの売店で葉を一枚づつ額に入れて土産物にするほど美しい葉です。
チェンマイにあるクイン・シリキット植物園の年報を買うと、その中にこの葉が一枚づつ鋏み込んである号がありました。
ワニ園ではこのバウヒニアを思いっきり伸ばし、散々この色をださせようと試みましたが、いまだに成功していません。
つるは根元の直径が10cm,長さが10m位になっていますが、
一度も花が咲かず、そのため花を彩るこの葉も出現しないのです。

報道公開の時の原稿まで考えながら持ち帰って植物でしたが、正に獲らぬタヌキの皮算用で終わってしまいました。」 

もうひとつ珍しい植物。これはライオンゴロシの実。




後で清水さんから、送られてきた写真。




「ライオンゴロシ、2004年にひと株発芽し我家の温室で咲かせました。

残念ながら昨春生育を急いで腐らせましたが、何年か楽しめました。結実はひと株では駄目でした。
種の入手は南アフリカで簡単に買えますが、発芽が難しいので、その後トライしていません。
一度咲かせると満足してしまう悪い癖です。」

以下、「熱帯植物」のカテゴリーから少し外れるかもしれないけど、
こちらに挿入させて頂く。



【清水さんのタカラモノ】

今まで紹介してきたバナナワニ園の植物たちは
(バウヒニア・アウレイフォリアの葉以外は)全て一般に公開しているものばかり。

したがって、園を隅々まで注意して廻れば、必ずやどこかで巡り会えることになっているのだが・・・

本コーナーでは清水さんの特別のはからいが無ければ、見られないタカラモノ=植物たちを紹介してみる。 
まずは『白い多肉』
その王様は、 エケベリア・ラウーイ Echeveria laui  とのことだが・・・




大小ののっぺりした葉の株はエケベリア・ラウーイ Echeveria laui ではなく、

仙女盃(センニョハイ) Dudleya brittonii 。ラウーイは右奥に青白く写っている。

葉の大きな白多肉は仙女盃大株の実生苗。




仙女盃大株の親株。
 

                                      ダドレヤ・ヌビゲナ Dudleya nubigena


エケベリア・ラウーイ Echeveria laui 。後日、清水さんが送ってくれた写真。



エケベリア・ラウーイ Echeveria laui は、
清水さんが、1982年、敬愛するプラントハンター、ラウー氏(メキシコ在住)を訪ねた際、入手したという珍しい多肉植物。

他のエケベリア類(ベンケイソウ科)とは違い、栽培はかなり難しい。
葉はちょっとでも触られるとすぐ傷んでしまうので、一般公開は難しいとのこと。

他にも白っぽい仲間が増えてきた。



手前の群生株はダドレヤ・グリーニー Dudleya greenei

左手前のメセンはリトプスの宝輝玉(ホウキギョク)Lithops pseudotruncatella ssp.volkii
左奥の丸い(紫がかった)葉がエケベリア・ラウーイ Echeveria laui
真ん中の緑ニョッキリはペペロミア・セレオイデス Peperomia cereoides  

以上、超マニアックな内容になってしまったが、
此処以外では見られない植物ばかりなので、あえて紹介してしまった。


ラスト、「椰子と腰蓑植物編」へ続く。


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2 コメント

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Unknown (kinushi)
2023-02-01 22:50:57
こんばんは
私は栃木市に住んでいまして近くの満福寺とかいうお寺さんに孤高の画家 田中一村のお墓がありました。
はずかしながら私は絵画はさっぱり分かりませんが、立派な画家さんだったのですね。
返信する
kinushiさんへ。 (モウズイカ)
2023-02-02 07:32:18
コメントありがとうございます。
またいつもリアクションありがとうございます。
田中一村は25年くらい前、ある雑誌で知りました。
拙ブログでは、「沖縄の海辺でアダン」の頁、
https://blog.goo.ne.jp/mouura2/e/44a3dfc03b87fad91ea3820548fa6194
中ほどで少しだけ触れております。
亜熱帯の植物やアカショウビンなどの鳥が強く印象に残っております。
自身、絵心も無いですし、絵の世界はさっぱりですが、
田中一村は展覧会も見に行った唯一の画家でした。
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