春の間、鳥海山は山麓や近くの低山から雪姿を眺めるだけだった(例えばこちら)。
六月中旬になり、そろそろ登ってみようと思ったが、他の用事もあり、なかなか行けなかった。
6月14日、秋田市自宅付近から見た鳥海山。
その鳥海山に、6月22日、やっと登ることができた(ただし途中まで)。
この日はあまり視程の良くない晴れ日で、秋田市からその姿は見えなかった。
本荘まで走ったら、ぼんやり見え出し、
山麓のにかほ市まで行ったら、ようやくまともに見ることが出来た。
6月22日早朝、にかほ市小滝地区から望む。
五合目・鉾立には五時半頃、到着。
展望台付近の散策路から、奈曽渓谷と鳥海山本体を望む。
奈曽渓谷と鳥海山本体
雪解け時期なので白糸の滝がはっきりと見えた。
下界では咲き終わったタニウツギがここでは今が盛りだった。
白糸の滝
タニウツギの花
今回のマップ
鉾立から先の登山道は、両側に高い樹木がほとんど無いので見通しが効くものの、景色は単調だ。
夏場、日が高くなるともろ消耗する道なのでいつも早い時間帯に通り過ぎるようにしている。
今日は朝6時から7時にかけて歩いたが、それでも容赦なく汗が吹き出した。
更に腹立たしいのが、秋田山形県境標。
峠でもないこんな平らな場所が何故県境なのか、この先、鳥海山の主要部分は全て山形県になっている。
山形の人も大多数は秋田から登ってるじゃないか。(`◇´)
と、秋田県人の私がいつも理不尽に思う場所だ。
いつも理不尽に思う秋田山形県境標。
シラネアオイとショウジョウバカマ古花
県境から賽の河原手前の雪渓までの間に咲いていた花は
シラネアオイやゴゼンタチバナなど限られた花ばかり。
シラネアオイの小群生
ゴゼンタチバナ
県境を過ぎたら、意外にも早く雪渓が現れた。
傾斜が有るので、ただちにアイゼンを装着。
雪渓は上のヘリの方ばかり歩いていたので、真夏以降に歩く賽の河原はずっと下に見えた。
来し方を振り返ると、稲倉岳が頭を出していた。
賽の河原のずっと手前から始まった雪渓は(大平ルートの)河原宿もすっぽり覆って
長坂道稜線の直前まで続いていた。
延々と続く雪渓
ここは真夏以降は、お花畑が延々と続く場所だが、今の時期はしょうがない。
単調な雪原にいい加減飽き出した頃、目の前に突然、鳥海山本体が現れた。
雪原が終わると、ほどなく長坂道稜線(T字分岐)に到着。
稜線に雪は無く、ハクサンイチゲやチングルマのお花畑になっていた。
長坂道分岐のお花畑越しに鳥海山
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲとハクサンチドリ
ここからは鳥海山本体や鍋森の眺めがみごとだ。
長坂道分岐から見た鳥海山本体
長坂道分岐から見た鍋森
「中編」へ続く。
鳥海山もいよいよ山歩きが出来るシーズンになったのですね~!
花も綺麗ですが、雄大な白糸の滝の姿に惹き付けられました。
落差はどのくらいなのでしょうか?、何れにしても奥多摩の滝とは全くスケールが違いますね(笑)!
続きも楽しみにしております!
白糸の滝は、融雪時期に限定的な滝ですが、
最上流と思われる長坂道稜線まで雪渓がずっと繋がってましたので、
七月いっぱいくらいは見られるように思われます。
落差を調べようと検索してみましたが、何故かデーターが見つかりませんでした。
国土地理院地形図で推測したところ、
優に100m以上はあるものと推測されます。
私が撮った写真で見える範囲は約100mくらいのようです。
ところが地図で見ると、滝の上部の標高は約1280m、
それに対して直下の奈曽渓谷の底部は900mを切っておりました。
写真ではわかりにくいのですが、
底部の緩くなった箇所も含めると、最大400m近い落差となります。
もしそうだとしたら、国内では称名の滝を凌ぎ、最大の落差となります。
底部の方は鉾立よりも少し北の稜線からでないと見えないものと思われますが、
残念ながら道はありません。
ヘリコプターかドローンを使えば全貌が見えるかもしれません。
誰かチャレンジしてくれないものでしょうか。