(昨日は未明より真昼岳に行ったため、更新は無しでした。
本記事は過去の真昼岳登山記録ですが、自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしてアップしたものです。)
或る御方から、奥羽山脈の真昼岳に真夏、素晴らしい花園が出現すると聞いた。
東北には早池峰や秋田駒ヶ岳など花の名山が多いが、真昼岳のような低い山に花は咲くのだろうか。
自らの眼で確認すべく、7月31日に行ってみた。
大曲郊外から望んだ早朝の真昼岳。
この日の真昼岳にはやませ特有の薄雲がかかっており、山麓に近づくと雨がパラパラ。
非合法マップ。オレンジ破線が今回、歩いたルート(ピンク破線は峰越林道コース)。
この年、真昼岳には赤倉沢から二回登っている(一回目は、5月22日)。
標高は1059mと低いが、歩き始めの標高が約310mなので、山頂までの標高差は約750m。けっこう登り堪えのある高さだ
(標高900mの高所からスタートする峰越林道コースはこの年、林道が土砂崩れで通行止めだった)。
メジャーな山でないし、時期的にも登山者は少なく、この日、秋田側から登ったのは私と(かなり遅れて)もうひと組だけだった。
登り始めの森林帯は、クマさんが恐かったので、奇声を発しながら歩いた。
クルマユリ
中腹より上は綺麗なブナの純林が続く。
樹林下には、シャクジョウソウ 花の終わったオサバグサ
ヤセヅル尾根を過ぎると、低木林や笹藪の中を進むが、今回は濃霧のせいで視界はさっぱり。
花も疎らだった。
クガイソウ
キオン 真昼岳山頂
そうこうしているうちに真昼岳山頂に到着したが、やませ由来のガスで視界ゼロ。
この暑い時期、さして高くもないくせに難儀な真昼岳に登った理由は・・・
冒頭にも申し上げた通り、秘密の花園。
それは山頂から更に十数分、南に歩いた先、通称・南峰の南側急斜面に有った。
今咲いてるコバルトブルーの穂花はヤマルリトラノオ (オオバコ科)。
日本海側の山地や海岸でときどき見かける花だが、このように群生するのは珍しく、
この地はもしかしたら国内(いや世界)最大規模の群生地かもしれない。
日本の自然界でコバルトブルーの花は極めて少なく、また一緒に咲く他の花とのカラーハーモニーも素晴らしかった。
イングリッシュ・ガーデンのようだと形容する方も居られた。
このお花畑を撮影しているうちに天気が回復し、日が射して来た。
前面のピンク花はハクサンフウロやタカネナデシコのようだ。
南峰の南側にあるお花畑を見るためには、急斜面を少し降りる必要がある。
お花畑の向こうに女神山や横手の御岳山が。
ロープを伝って急坂を降下すると、めくるめく花園が展開する。
ミヤマトウキ(イワテトウキ)
タカネナデシコ
ウスユキソウとハクサンフウロ、タカネナデシコ。
ハクサンサイコ
イワオトギリ
マルバキンレイカやキリンソウの咲く一角。
あまり下ると帰りがタイヘンだ。そろそろ引き返そう(登り返そう)。
このお花畑の構成植物は北方系の高山植物ではなく、日本の低山に元々あった花たちやその高山型ばかりだった。
1000mという標高は純粋な高山植物が生育するには低すぎる。
一方で、南峰南斜面のような急峻な地形には既存の樹木や笹が生育できないだろう。
その結果、空いた場所にこういった草花が侵入し、お花畑になったのか。
下山したら、真昼岳の姿がよく見えるようになっていた。
右側のやや尖った方が南峰。その右斜面がお花畑になっている。
以上。
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