(本頁は「大雪山黒岳山頂と風衝地の花」の続きです。)
石室が近づくと、道端にチングルマやエゾコザクラが現れたが、北海岳の方に行けばもっと多い筈。
左はクジャク岩のピーク、右が北海岳(2149m)
再びマップ
よって石室から先は北海岳に繋がる道を歩くことにしたが、
天気は急速に下り坂。周りの山はガスに包まれ、見えなくなった。
道の両側はしばらくの間、チングルマの花筵が続いた。
チングルマの花筵。残念ながら、盛りは過ぎていた。
雪渓をバックにチングルマ
チングルマ
バイケイソウ
赤石川とバイケイソウの群落
赤石川は高山帯には珍しく幅広くゆったりと流れる川だ。
そのほとりでコバイケイソウのような葉を見かけたが、
咲いていた花はごく僅かで緑花、バイケイソウだった(エゾノバイケイソウと呼ぶ人も居る)。
大雪山には白花のコバイケイソウは無いようだ。
赤石川を渡る手前と対岸にエゾコザクラの群生地があった。
エゾコザクラとチングルマの群生地
エゾコザクラの群生
一見疎らだが、前回(2017年)はもっと濃密な花筵だった。
エゾコザクラ
エゾコザクラ
ミヤマキンバイは大雪山では不思議とエゾコザクラの近くで咲く傾向が有った。
ハクサンボウフウ
このルートにはツツジ科の高山植物が多かった。
エゾノツガザクラ。アオノツガザクラも少し混じっている。
エゾノツガザクラの花筒には穴が開いている。これは蜂のしわざだろう。
ミネズオウは東北でも見られるが、大雪山のものはやや赤みが強いような印象。
キバナシャクナゲは東北では見られない花。花色は思ったほど黄色ではなかった。
キバナシャクナゲの群生
キバナシャクナゲ
イワヒゲ
ジムカデ
イワウメ
イワウメはツツジ科ではない。
北海沢を渡渉し、ヨツバシオガマを見つけたら、雨がパラパラと落ちて来た。
ヨツバシオガマ
エゾノハクサンイチゲの残り花
確かこの先にチシマクモマグサが有った筈。それを見たら、今回は御終いにしようと思った。
何故ならばその先、北海岳山頂まで登っても、ガスで景色は何も見えないだろうし、
チシマクモマグサを見たら、このルートで見られる植物の種類はほぼ出尽くしの感もある。
ほどなく見つけた新鮮なチシマクモマグサの姿は感動的だった。この仲間、東北の高山には無い。
チシマノクモマグサ
チシマノクモマグサのアップ
今回の終点、北海沢。奥に霞むのが北海岳。
この花を見た後、合羽を着用した。すると不思議なことに雨は止んだ。
蒸れるので脱いで昼飯、その後も小雨に見舞われたが、再び合羽を着用するまでのことはなかった。
初日の黒岳北海沢、今日は大雨洪水警報発令中なのに
ほとんど濡れることなく下山出来た。
そのあと宿所に隣接する公衆浴場で汗を流す。えがった。えがった。
「赤岳、小泉岳」に続く。
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