白魚とはとても言えない人の手のひらに何故か載せられています。
聞けばその人は「お前の季節だ」と言っておるようです。
「思えば我ら幼少の頃は、お前は高価な食い物だった、バナナとはかなり差があるけど」
それが今では庶民の、ああ、お手軽っていう意味か。
「昔は酸っぱかったんだぞ。それでも一生懸命白い筋を取って、ゆっくり味わいながら食べた。そして一個だけではもちろん足りず、手が黄色くなるからと親にとめられるまで食い続けた」
僕の仲間が後ろにいるけど、これからそういう運命ってわけ?
「その白い筋に凄く栄養があるって知ったのは大きくなってからだ。ただな、今お前の身体にはその白い筋がほとんどないんだよ。味気ないったらないよ。 味も甘過ぎてなつまらないよ。出来れば外は寒風吹き荒れる中、炬燵にぴったり合う酸っぱさであって欲しいな。それに・・・・・・・・・・・・・・・・・」
申し訳ないけど僕も仲間も非常に甘く出来ています。でも食べられちゃうんでしょ、どうせ。