「 草紅葉(くさもみじ)無音の幻想どこまでも 」草も色づく季節。空気は冷んやりして、植物たちの息吹のようなものも見えなくなり、しんと静まり、音も気も感じられない世界。草の息が感じられない。どこか別の世界にいるような。けれども冬とは違って美しい赤や黄の絨毯が広がる。 . . . 本文を読む
私がどんな悪人でもねこは添い寝をするだろうどんな悪事をはたらいてもねこはだまって寄り添うだろうふたつのこころだけ語りふたつの命が尽きるときねこと秘密も眠るだろうともに土にて眠るだろうのちの世界でまた出会いぬくもりわかちあうだろうこころあたためあうだろうことばのいらない絆だけずっと紡いでゆくだろうだれにも見えはしないだろう時を越えゆくいのちだろういとしさ涙流すだろう . . . 本文を読む
「 もの言わぬねこ首かしげなに?と問う 異次元の隙間垣間見るとき 」芸術の世界や、生き物と対話する世界は、この世界の隙間から別の世界が広がっているように感じることがあります。ドコデモドアを開くような、この世界をペリペリっとめくっていまうような…。そんな不思議な世界を覗くときが私の密かなしあわせです。 . . . 本文を読む
「 悲しみは閉じこめつめず野に放て 陽(よう)のもとにて花となるまで 」高校生か大学生のときに作った短歌です。心が悲しみで塞いでしまって、どうしようもなく…。でも、そんな悲しみも陽にさらしてあげよう、きっといつかきれいな花になってくれるから…。そう、気持ちを切り替えて作った歌です。なぜか、当時大事な友だちに伝えたら、ふたりの友だちがその後もこの歌をずっと覚えていてくれて、手紙にまで書いてきてくれ . . . 本文を読む
「 満月や母子に産声押し出しぬ 」満月と言えば、秋の名月だけれども、満月と聞いて、秋の風景が浮かばなかった。三月の半ば、満月の夜に息子は生まれた。その日は出産が多くなった。満月には出産が増える。満月の見えない力にも助けられて新しい命が産声を上げた。その記憶がよみがえってきた。 . . . 本文を読む
「 すすきの穂飾ればほわわとふくらみぬ 」学校の図書室にすすきを飾って季節感を演出しようと思ったら、スマートなすすきがふわふわに。これも種を増やす方法なのかしら。スマートからほんわかした見た目に変身! . . . 本文を読む
「 颱風や畏怖を教える使いなり 」地球温暖化、海洋プラスチック、人間の行いが地球を追い詰め、自然破壊がコロナや災害を引き起こして、人間の首を絞めている。ネイティブ・アメリカンは七代先の子孫の暮らしが成り立つようにと考えて、自然を守る生活をしていたと聞く。大雨による災害が後を絶たない。海水の温度が高いことから被害が大きくなっていると聞く。自然への畏怖を忘れてしまったのか、現代人。もう、颱風への畏れで . . . 本文を読む